
<< プログラマー人生を楽しむために知るべき97のこと【ダイエット編 1/2】歩く習慣が、体もコードも軽くする!!
――いつの間にか、ダイエットの話から、仕事にも活かせそうな話題に方向転換してきましたね。
ひが でしょう(笑)。和田さんのお話も踏まえて考えると、エンジニアという職業に適したダイエットは、レコーディング・ダイエットとウォーキングの2つだと思うんです。
―― なぜですか?
ひが レコーディング・ダイエットに関して言えば、さっき和田さんも言っていたように「エンジニア的」だから。例えばシステムのパフォーマンス改善をするとき、むやみやたらにコードを修正しても効果は出ません。まずはメトリクス(評価尺度)をちゃんと決めた上で、どこに時間がかかっているかプロファイリングしなきゃいけない。

対談時の間食用に準備したクラブサンドも、「カロリー的には”爆弾”です」と和田氏が一言
和田 そうなんですよ。レコーディング・ダイエットでは、まず、食べ物のカロリーを把握するところからスタートするんです。すると、カロリーの高い”爆弾”が見えてくる。例えば、(取材会場に置かれたクラブサンドを指さして)これなんか、どう考えてもマズイですよね。カツカレーとかオムライスなんかと一緒で、下手すればカロリー4桁コースです。
――クラブサンドのチョイス、失敗でしたね(苦笑)。
和田 逆に言えば、そうした極端にカロリーの高い食べ物を避けていけば、無理をしなくても自然と体重は減らせると思います。パフォーマンスチューニングも、まずは何もいじらずに計測を行って、一番遅くなっている”爆弾”を見つけ出す。それが改善されたら、今度は2つ目のボトルネックを探してつぶす。それを3回くらいやれば、状況は劇的に変わるんですよ。
ひが 数値を計るのは、基本中の基本だよね。
和田 はい。ダイエットでも普段の業務でも、そこは同じですよね。
「プログラマーのお供・レッドブルは『禁止薬物だ!』と(苦笑)」
―― 和田さんは先日ご結婚されましたが、幸せ太りはしていないんですか?
和田 それが逆なんです。結婚から3カ月くらいで、5~6kgやせました。
ひが 新婚って、太るって言うじゃないですか。何でやせたんだろう?
和田 多分、奥さんのおかげで生活習慣が変わったからですね。結婚前は夜型の生活で、真夜中にチューハイとか飲みながらコードを書いたりしていたんです。ところが今は、生活時間が3時間くらい前倒しになり、朝型の暮らしになりました。さらに、家でお酒を飲むことがほとんどなくなりましたね。
ひが よく聞くよね、お酒を減らしたらやせた人の話って。
和田 お酒とカロリーの高い揚げ物を減らし、スナック菓子をやめただけ。ほかには何もしてないんですよ。レコーディング・ダイエットの時は、最初はつらい思いをして食事制限したんですが、今回は全然苦労せずに体重が減りました。
ひが それはもう奥さんに感謝だね。

和田氏いわく、多くのエンジニアが愛飲する『レッドブル』は糖分が非常に高いので暴飲注意とのこと
和田 はい。最近は、プログラミングのお供として有名な『レッドブル』も、「禁止薬物だ!」と家で飲むのを禁止されました(笑)。ああいう栄養ドリンクは、意外と糖分が多いらしいんですよ。ただ、講演などの前はエネルギーを補給しておかないと持ちませんし、『レッドブル』を飲むと”戦闘モード”に切り替わるんです。なので、講演の前なんかは景気付けとして買っています(笑)。
ひが そういえば、僕も初めて女性と同棲した時に、1カ月で5kg近くやせたなぁ。
和田 へー、ひがさんもですか。
ひが 原因は真逆だったけど。女性と暮らすのは初めてだったから、気疲れしたんだね、きっと。
―― その後、太った時期はなかったんですか?
ひが 一度デスマの案件にぶつかった時はけっこう太りました。月曜日から金曜日まで大阪の会社に常駐して、職場に近いホテルで寝るっていう生活。夕食は遅いし、まったく運動もしない。和田さんが太った時と同じような状況です。そこで始めたのが、ウォーキングでした。
―― さっきひがさんは、ウォーキングがダイエットだけじゃなく仕事を好転させるためにも効果的だとおっしゃっていましたが、その理由は何ですか?

和田氏が履いている『New Balance』のウォーキングシューズ。「一日履いているとしんどい」と言う
ひが まずはダイエット面でのメリットを言うと、単純に体質改善になるから。食事を減らすと、脂肪だけじゃなく筋肉も落ちちゃうんですよ。すると、基礎代謝も下がってやせにくくなる。太らない体質に変わるためには、筋肉、それも「赤い筋肉」を付けて基礎代謝を上げるしかないんですよね。そのために最も効果的なのはウォーキングだというのが、僕の考えです。
和田 まったく同感ですね。わたしも最近よく歩くようにしています。今日履いてきたシューズも、実はウォーキング用に買ったもので、今では通勤時にも履くようにしています。
ひが 僕は1日に20分以上、できるだけ止まらずに競歩くらいのスピードで歩く習慣を続けています。昼間に、何も考えず、街の景色を見ながら歩く。会社のある北品川のあたりは、信号がなくてウォーキングにピッタリなんですよ。で、その後社内のシャワールームで汗を流して仕事に戻ります。大阪の時は、梅田の周りを20分ウォーキング。それを3カ月続けたら、体重はすっかり元通りになりました。
プログラミングの良いアイデアは、PCの前にいても出てこない
―― 昼間にウォーキングするのはなぜですか? 仕事帰りや家に帰ってからの方が時間を取りやすいと思いますが。
ひが いや、あえて仕事中に歩くのがポイントなんです。無心で歩くと、頭の中がクリアになるんですよ。僕が冒頭で「クリエイティブに仕事を続けることにも関係している」と話したのは、まさにこれが理由。
和田 (ひが氏の言葉に大きくうなずき)あー、そうですよね! 歩いている時って、思考が整理されたり、頭の中が切り替わったりしますから。例えばバグと戦っている時にひたすら歩くと、まったく別のブレイクスルーが浮かんだりします。僕の場合、良いアイデアってPCの前ではなかなか出てこなくて、散歩している時や、シャワーを浴びている時にひらめくんですよ。

エンジニアがもっとクリエイティブに仕事するためにも、ウォーキングは非常にオススメだと同調する2人
ひが プログラミングで煮詰まっている時って、思考パターンのどこかが間違っているんですよ。だから、その延長線上で考えても、結局うまくいかない。
―― なるほど。
ひが 負けパターンの思考をリセットするには、ウォーキングみたいに「無になる時間」を取るのがすごく大事。だから、僕は仕事中にウォーキングするのを日課にしているんです。
和田 仕事中、自由に外出できないエンジニアは、お客さんとの打ち合わせや会社帰りに、1駅前で電車を降りて歩くのも良いかもしれませんね。歩きながら一日の仕事を総括したりするのは、エンジニアにとって有益じゃないですか。
ひが 確かにそうかも。適当なコードでいいやっていうエンジニアって、おそらく少数派ですよね。ほとんどの人は、自分のアイデアをできるだけ洗練させて、プログラミングに反映したいと思っているはず。ウォーキングで頭を整理する時間を取るのは、そういう意味でも一石二鳥なんです。
和田 それに、わたしの経験上、体重が減るとグッと疲れにくくなる。歩くって、確かに良いことずくめですね。
ひが さっき、ダイエットには「やり続ける動機」が大事だって言いましたが、途中で心が折れるほど大きな負荷をかけずにやり続けるには、ウォーキングが最適。さらに、無心で歩くと頭の中が整理されて、良いアイデアも浮かびますから、プログラミングにも良い影響が出る。このグッドサイクルが、さらに長続きするモチベーションになる。
和田 今回も、うまく仕事につながるオチになりましたね。うーん、さすがひがさんだ。
―― 毎回タメになるお話をありがとうございます! では、次回もよろしくお願いします。
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取材・文/白谷輝英 撮影/小林 正
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