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[連載:後藤和弥②] 震災後求人速報! メーカーはいったん様子見、Web系企業は順調に回復

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転職支援のプロ・後藤和弥の求人マーケット予測
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株式会社キャリアデザインセンター  人材紹介事業部  シニアキャリアアドバイザー
後藤和弥

エンジニアを中心とした幅広い業種・職種の転職希望者のサポートを行っている、『typeの人材紹介』の看板キャリアアドバイザー。求人情報誌営業、人事、大手人材派遣会社の各地支店長を経て現職へ。ITコンサルティング、SI、ベンダー、インターネット・モバイル業界の求人動向に詳しい。趣味はサッカー戦術論、ジャズDJ、クルマ、映画等、多趣味である

この度、東北地方太平洋沖地震により被害にあわれた皆さまに、深くお見舞い申し上げます。また、犠牲になられた方々とご遺族の方々に対して、心よりご冥福をお祈りします。

東北地方を襲った大地震を受けて、求人マーケットにもさまざまな影響がありました。

最近よく耳にするのは、「震災の影響で、企業の中途採用はどうなるのか。このまま転職活動を続けても良いのか」という転職者の声。わたしが担当する企業の人事担当の方からも、「求人はいったん様子を見たい」という話を聞くことがあります。

しかし、みなさんもご存知の通り「求人マーケット」と一口に言っても、モノづくり系エンジニアとITエンジニアでは大きな違いがあります。

そこで今回は、メーカーとIT企業の2業種別に、震災による影響を分析しました。震災後の中途採用ニーズの変化と、今後の転職活動で気を付けるべきポイントに、特に注意しながら先読みしていきましょう。

【メーカー(自動車・ハイテク)】中途採用は、早くてGW以降に回復

連日メディアで報道されているように、東北地方の製造工場は、震災・津波の影響で損壊し、臨時休業や操業停止を余儀なくされています。中でも被害が大きかったのが、自動車部品メーカーと電子部品メーカーが運営する工場です。

被災地にある工場の停止によって、連鎖的に非被災地の生産ラインも操業を一時的に停止していましたが、現在早期回復が進んでいます。

メーカー各社は3月期決算を終え、例年通り早くてGW明けには採用計画の見直しを図ると見られます。なぜなら、生産量が減少してしまった部品の生産調整が策定されて初めて、今後の採用計画が固まるためです。

これらを踏まえると、応募希望者の方々が転職活動を再開できるのは、早くても新たに採用計画が立てられる5月以降になります。

メーカーの場合、情報発信の方法として、新聞や広告よりも早くHP上で一斉にリリースされることが多いため、いかに早く情報を収集するかが重要です。各社HPをこまめにチェックすることも情報収集手段の一つですが、各業界の求人情報を企業から直接入手できる転職エージェントに相談してみると良いでしょう。

そうすると、ほかの転職希望者よりも先手を取れるかもしれません。

【IT系企業】震災前同様、中途採用ニーズは継続して加速

前回お伝えした通り、エンジニアの求人が復調にあったIT系企業。震災による企業・求人への直接的な被害は限定的で、特に首都圏でWebサービスを自社で展開している企業は震災前の水準にまで回復し、求人数も引き続き増加している状況です。

また、『Twitter』や『ゆれくるコール』といったWebサービスが災害時の通信手段・サービスとして活用できるということが、普段はITとのかかわりの薄かった方々にも認知されました。このことも、今後のIT系企業の中途採用ニーズを促進する後押しとなるでしょう。

そのため、転職を考えるエンジニアの方が最も気になる転職事情も、引き続き転職活動を行って全く問題はありません。なぜなら、中には一時的に中途採用をストップさせる企業もありましたが、1〜2週間後にはほとんどの企業が中途採用を再開させているから。むしろ、周囲の動きを気にして様子を見ているエンジニアが多い今こそ、活発に動くべきです。

これは余談ですが、今回の災害によって、分野・業界を超えた技術のコラボレーションが見られました。例えば、Googleが本田技研工業からのデータ提供を受けて始めた『自動車・通行実績情報マップ』などです。

異分野間の技術コラボレーションは、これからも加速していくでしょう。その時には、また新たな中途採用ニーズが生まれるかもしれませんね。

このように、今後の求人動向が具体的にどうなっていくのかは、正直企業の人事担当者にも読み切れないでいるのが現状です。いずれにせよ、転職者自らが一次情報を積極的に取得するなど、これまで以上に主体的に行動する姿勢が重要性を増していくでしょう。

最後に、非被災地で働くわたしたちが今やらなくてはいけないのは、経済活動を大いに活性化させ、被災地の後押しをすることです。考え、作り、買い、数多くの機会創出をしていくよう、自分の業務をより一層頑張っていきましょう!それが一番の復興支援だと、わたしは信じています。