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カプコン×DeNAのコラボが実現!プロデューサー対談で見えた「ゲーム開発の未来予想図」

公開

 

会場となった千葉県・幕張メッセに集まったのは、過去最多の約22万3753人――。

今年9月20~23日に開催された『東京ゲームショウ2012』は、今までにない活況を呈した。その理由の一つには、「ゲームファンの拡大」が挙げられる。

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人気タイトルが続々発表されたこともあり、過去最多の来場者数を記録した東京ゲームショウ2012

ソーシャルゲームの勢いはいまだ衰えず、データ通信を利用した携帯ゲーム機向けタイトルも続々と登場しているため、ゲームを楽しむユーザーはこれまで以上に幅広いものとなった。

スマートフォンユーザーをターゲットにしたゲーム開発や海外展開なども注目を集める中で、これから業界全体はどう動いていくのか?

その疑問に応えてもらうため、カプコンとディー・エヌ・エー(以下、DeNA)のプロデューサーに、「ゲーム開発の未来」について放談してもらった。豪華コラボ対談を通じて見えた、エンターテインメントの行く先とは?

プロフィール
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株式会社カプコン 大阪開発部 ディレクティング室 副室長
中西晃史氏 

1972年生まれ。大学中退後、ゲーム制作会社アクワイアへ入社。ヒットタイトルとなった『立体忍者活劇 天誅』シリーズに参加。その後はディレクターとして『侍』、『忍道 戒』、『勇者のくせになまいきだ。』などを手掛け、注目を集めるように。カプコン転職を機に関西に移住。『バイオハザード5』、『バイオハザード リベレーションズ』でディレクションを担当した

プロフィール
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株式会社ディー・エヌ・エー ソーシャルゲーム事業本部 第一統括部 マネージングプロデューサー
馬場保仁氏 

1969年生まれ。慶應義塾大学大学院を修了。1997年よりセガ(現・セガサミーグループ)で『プロ野球チームをつくろう!』シリーズのプロデューサー、ディレクターや、『龍が如く』、『スーパーモンキーボール』シリーズのプロデュースに従事し、数多くのヒットタイトルを生む。2012年1月よりディー・エヌ・エーに転職し、ソーシャルゲームの企画やプロデュースに従事

「遊ぶ時間の多様化」で、ゲームデザインは必然的に変わっていく

―― まずはありていな質問で恐縮ですが、最近よく語られる「コンシューマーvsソーシャルゲーム」の構図について、それぞれがどんな方向に進化していくとお考えかを教えてください。

中西 そういった類のご質問はよく受けるのですが、僕ら“中の人”は世間で言われるような対立構造では考えていないんですよ。

馬場 そうですよね。僕はセガからDeNAに転職して、コンシューマーゲームとソーシャルゲームの両方に携わってきましたが、本質的な部分ではそんなに違いはないと思います。まぁ、ソーシャルゲームはリリースまでの開発だけでなく、運用フェーズにも力点が置かれていて、一方のコンシューマーゲームは作ってリリースするまでのところにすごく力点が置かれている、といったような違いはありますが。

中西 そもそもカプコンでは、コンシューマーもソーシャルも両方やっていますし、どちらもエンターテインメントとしてユーザーにどんな楽しさを提供するのかを日々追求していますからね。

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From CAPCOM 多数のヒット作を持つカプコンも、今はコンシューマー/ソーシャルの両方に対応

馬場 そうそう。開発でも、新しい技術はどちらにおいても貪欲に取り入れますし。

中西 むしろゲームファンの側に立ってみれば、最近はプレイするのがゲーム機かケータイ・スマホかという違いを、そこまで意識せずに遊ぶようになっているんじゃないかと感じています。

馬場 同意です。ただ、現時点のソーシャルゲームにはまだコンシューマー並みのグラフィックや動きが求められていない代わりに、ソーシャルはソーシャルで別のニーズがあります。だから個人的には、対立構造で見るのもおかしいけれど、「ゲーム業界」と一括りにして考えるのもやや微妙かなと思っています。

―― では質問を変えて、今馬場さんがおっしゃったような「違い」は、これからのゲームづくりにどんな変化をもたらすでしょうか。

馬場 まず見逃せないのは、「遊ぶ時間の多様化」ですよね。

中西 ええ、確かに。

馬場 当たり前の話ですが、ケータイやスマホで長時間ソーシャルゲームを楽しむユーザーさんは、コンシューマーゲームと比較すれば少ないと思います。じゃあ、短く細切れのプレイタイムの中でどう楽しんでもらうか? を考え抜くことが大切になる。

中西 コンシューマー向けも、携帯デバイス+サーバ通信でゲームを楽しめるようになってきて、変わったのはゲームデザインのあり方なんじゃないかと。

馬場 ホントそうですね。両方とも、そこが企画・開発の肝になっている。それと、意思決定の速さが今まで以上に問われるようになったと感じています。意思決定のスピードが速くできれば、その分やれること、手を打てることが増えますから。

開発のスピード&トレンドが変わるスピードがどんどん上がっている

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ゲームデザインそのものにイノベーションが求められていると考える2人が語る、変化の兆しとは?

中西 コンシューマーの場合、開発期間が2年とか3年くらいかかってしまうので、その間に世の中のトレンドがどんどん変わっていくんですよね。この変化にどうアジャストしていくかは、今後の命題だと思っています。

馬場 ソーシャルゲームにおいても、そろそろ次の切り口を考えなければならないフェーズだと思っています。今まではカードゲームが主流だったけれど、スマホのようにデバイス側が進化していくことで、今までにない楽しみ方を提供できるようになると思うんです。

中西 お互い、ユーザーに支持される普遍的なテーマはきちんと押さえつつ、作り込みの間にどんな意思決定を下していくかがすごく大事になっていますよね。
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