
From Andrew Currie
海外で活躍するエンジニアたちに「最も問われる英語能力は?」と話を聞くと、「リーディング力」と答える人が多い。
海外のIT関連Webサイトやブログ記事、英語で書かれた技術書などを読み、理解できるリーディング能力がなければ、「これからのエンジニアとして生き残っていけないかも……」と危機感を覚えている人も少なくないようだ。
とはいえ、「仕事に追われてなかなか勉強時間を確保できない」という人が多いはず。そこで今回は、シンガポールでエンジニアとして活躍するDさんに「仕事の中でリーディング力を身に付ける方法」について教えてもらった。
Dさんが仕事中に実践していること
■オフショア先の担当者とは英語でやりとりする
ベトナムのオフショア先は日本語でのやりとりも可能だが、あえて英語でやりとりするようにしているという。特にチャットやメールなどでは英語でやりとりすることで、相手の英文を見る機会も増えるし、自分のライティング力もアップする。
■Tech系英文サイトのチェックを欠かさない
以下のようなTech系サイトを日常的にチェックするようにしていると、仕事に使える英語力が効率的にアップできる。
[Dさんが活用しているサイト]

日本のエンジニアの間でも有名な『Stack Overflow』
・Stack Overflow
http://stackoverflow.com
プログラミングや開発ツールに関する情報が集まるコミュニティサイト。エラーの原因を探る際には必ずと言ってもいいほど覗くようにしている。
・TechCrunch
http://techcrunch.com
英語版以外にも日本語版があるが、英語版である程度の内容を把握してから日本語版を読むと、比較しながら英語を覚えていくことができて理解が深まる。
・About Technology
http://www.about.com/compute/
ガジェットからOS、プログラミングなど、分野ごとに有識者が記事を執筆。さまざまな人の見解を知ることができるので読んでいて面白い。
・TECHINASIA
http://www.techinasia.com
アジアのテック関連のトレンドやスタートアップ関連の最新情報を知ることができるので、常にチェックしている。
■分からない単語は面倒でもその都度調べる
分からない単語を読み飛ばして、何となく文章の意味をつかもうというやり方も悪いことではない。しかし、正確に読み取る能力を身に付けるには、やはり語彙力を強化することが不可欠になる。面倒くさがらずに、辞書やスマホで調べよう。そして、調べた単語をメモしておいて、何度も見直すのもオススメだ。
■リーディング力は耳からも鍛えられる
リーディング力を鍛えるためには音読が効果的。目だけでなく耳からも情報を入れた方が理解しやすく、またスピーキング力の向上にもつながるという。また、一定スピードで音読できるようになると、自然とリーディングスピードも高まる。
ただし、仕事中は難しいので、音読だけは時間がある時に自宅で取り組むようにしている。
おまけ:「オススメのサイトを教えて!」と言うには?
リーディング力を高めるのにオススメなサイトは上記したが、オフショア先の人や外国人の同僚などにオススメサイトを紹介してもらうのもアリ。その際に使える英語の表現をご紹介する。
(1) Do you have any websites that you recommend?
(2) Which website do you recommend?
(3) Please tell me your favorite website.
(4) Could you recommend any websites?
上記はすべて「オススメのWebサイトを教えてください」という意味だが、下に行くほど丁寧な表現になる。こうした表現を使って、英語勉強用のWebサイトを教えてもらい、リーディング力に役立ててみよう。
できれば、日本人と同じ立場である「英語が母国語ではない「ESL」(English as a Second Language=英語が第二外国語の人の総称)の人」にサイトを紹介してもらうと勉強になるはず。ぜひ参考にしていただきたい。
取材・文/大井 あゆみ(『シンガポール経済新聞』運営Diversolutions.Ptd.Ltd代表取締役)
編集協力/岡 徳之(Noriyuki Oka Tokyo)