エンジニアtype - エンジニアのシゴト人生を考えるWebマガジン

英語上達の近道は「会話の型」を覚えること〜gumiのブリッジエンジニア石田光一氏が実践した学習法

公開

 

エンジニアが仕事で使える英語のtipsをご紹介する本連載。今回はモバイルオンラインゲーム会社gumiでブリッジエンジニアとして働く石田光一氏に話を聞いた。

石田氏が実践した「効く」学習法とは。そして外国人エンジニアとコミュニケーションを図る上で、英語に加えて「もう一つ」大切なこととは――。

プロフィール

株式会社gumi

石田光一氏

2007年に名古屋工業大学を卒業後、SIerに入社。NTTドコモが運営するiモードをフランスで展開する案件などに従事。その後、アメリカ・ノースキャロライナにあるデューク大学大学院に留学。帰国後、グリーを経て、gumiに入社。東京とパリを結ぶブリッジエンジニアとして活躍中

≪日本にいた時の英語力レベル≫
大学時代はTOEIC 450点。SIer勤務時代は600点台中盤。留学することが決まり本格的に英語の学習を開始し、渡米直前には800点強。

≪現在の英語レベル≫
パリにいるフランス人エンジニアとのコミュニケーションはすべて英語。日常的に行うチャットと週に一度のSkype会議、出張時の対面を英語でこなす。

≪勉強法≫
TOEFLとPodcastを使って英語のコンテンツを聞きながら自分でも復唱するシャドーイング。オススメしたいコンテンツは、スタンフォード大学が公開しているスタートアップに関する講義e-cornerや、iPhoneアプリの開発に関する講義。

会話の型を覚えれば、あとは単語だけ

—— 今の仕事の内容について教えて下さい。

ゲームタイトル『ブレイブ フロンティア』をヨーロッパ向けにローカライズする仕事にブリッジエンジニアとして携わっています。東京にいるアメリカ人、中国人のエンジニアとは日本語でやりとりしていますが、パリにいるフランス人のエンジニアとは英語でやりとりしています。

—— 仕事で求められる英語のレベルはどれほどでしょうか。

要は相手の言っていることが分かって、伝えたいことを伝えられればいいわけですから、たとえ文法が滅茶苦茶だとしても、図を書いて見せたりしてコミュニケーションが図れるのであれば、それでまったく問題ありません。

しかし、実際の目安は、チャットやSkype、対面でスムーズにやりとりできるぐらいが望ましいです。できることなら対面で話した時に、相手に一緒に仕事したいと思われる楽しげな雰囲気を伝えられるとよいです。

石田光一氏と一緒に働く同僚たち

—— 英語を学んだきっかけは。

JICAでボランティアをしていた母親の影響で海外に興味を持ち、大学3年生のころ、フィリピンのインターンシップに参加したのが、私にとっての初めての海外経験です。

現地の企業でフィリピン人の方と、半導体の部品を研磨する作業や会社のホームページを制作する仕事に携わりました。

食堂で他の方と隣り合うわけですが、会話は生まれても自分の言いたいことが伝えられなくて大変苦労しました。これが英語を話せるようになりたいと思ったきっかけです。

—— 「これは効いた」と思う勉強法は何だったでしょうか。

語学留学に行く前に取り組んだTOEFLです。

TOEFLはリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4教科で構成されるのですが、特徴はスピーキングが学べること。それを練習するために、Podcastで英語のコンテンツを聞き、その内容を自分の口で発する「シャドーイング」を8カ月間続けました。

これによって、「まず話の概要を話し、続いてなぜそう思うのかという理由を述べ、最後に結論で締める」といった会話の型と、それに対応するフレーズを覚えることができ、リスニングも鍛えられました。

スピーキングを鍛えるために、オンライン英会話の『レアジョブ英会話』も利用していました。お手頃な価格なので懐にも優しいですし、先生との会話の中で当時苦手だったライティングに関する質問ができたのもよかったです。

—— リーディング・ライティングはどのように学べばよいでしょうか?

リーディングについては数をこなすしかありません。英語の本を読んだり、テストの過去問を解くなどしました。

ただ、ベースとしてある程度の単語を知っておかなければなりません。単語の量を増やすために、英和・和英辞典「英辞郎」のWeb版をPCで立ち上げ、片方のウィンドウに英語の文章を、もう片方のウィンドウには英辞郎を表示させて、英語と日本語を対応させることで覚えました。

使用頻度が高い単語については、単語帳に記して暗記しました。

ライティングについては、単語と、先ほど話したような文章の型を覚えることが大切です。型を覚えさえすれば、あとはその中身を替えるだけなので、それが道しるべとなって自分に足りないものが明確になります。

また、TOEFL講座の先生に自分が書いた英語の文章を添削してもらったりもしました。

英語と「もう一つ」大切なこと

パリに拠点があるgumiヨーロッパの面々と

—— 学習に対するモチベーションはどのようにコントロールしていましたか。

目標を立てて、それを達成するために必要なことと、どうすれば学習する時間を作れるかを考えるようにしました。それでもモチベーションが下がってしまった時には、英語を喋れなくて悔しい思いをしたころのことや、なぜ英語を上達させたかったのかを思い出すようにしました。

「忙しくて勉強する時間がない」という人の気持ちは分かります。私の場合は、電車の移動時間などを使って毎日少しずつでもやるようにしていました。

—— 外国人と英語で話すことへのためらいはどう克服すべきでしょうか。

私は人見知りな性格なので、今でも英語を話さなくて済むならそうしたい方です。しかし仕事においては、目的達成に向かって物事を前に進める必要がありますので話すしかありません。

日常にはおいては目的意識を持つのは難しいのですが、「やった方が得だ」、「しゃべらないよりしゃべった方が面白い」と思い込むようにしています。これは、英語だけの問題ではないと思います。

—— 自分の中でブレイクスルーを感じた瞬間はありましたか。

ブレイクスルーというものはなく、気付いたら話せるようになっていたという感じです。ただ、留学時代にネイティブスピーカーの人と海外旅行をして帰ってきて、心から楽しかった時は、ちょっとしたブレイクスルーでしたね。あと、アメリカのドラマ『HERO』を字幕なしで観て楽しいと感じた時にも、達成感を感じました(笑)。

アメリカでの留学時代

—— 英語を学びたいエンジニアに最後に一言を。

英語ともう一つ、「伝え方」を考えることも大切です。

例えば、相手が会議で話したことを忘れやすい人なら、その前に書類を作って事前に内容を共有し、その上でディスカッションするなど。

相手にとって一番理解しやすい最適な伝え方というものがあるはずです。ちなみに、弊社では英語が話せるエンジニアを積極採用中ですので、興味がある方はぜひ。

―― 本日は貴重な体験をお聞かせいただきありがとうございました。

取材・文/岡 徳之(Noriyuki Oka Tokyo