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ネット動画ネイティブ世代の「○○作ってみた」が、モノづくりを変える【fabcross Meetingレポ】

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2013年のYahoo!検索ワードランキングでは「YouTube」が1位、「ニコニコ動画」が6位に入るなど、動画投稿サイトはもはや生活の中に根付いているといっても過言ではない。

2014年3月23日に東京都赤坂で「ブームで終わらせない『次世代ものづくり』のあり方」をテーマに、トークイベント『fabcross Meeting』が開催された。

その第二部「次世代ものづくりのクリエイティビティ」に登壇したスケルトニクスの白久レイエス樹氏と、V-Sidoの吉崎航氏のトークセッションの中で、彼ら若い世代のモノづくりにも動画投稿サイトが大きな影響を与えていることが分かった。

製品発表の場としての動画投稿サイト

『fabcross Meeting』第2部に登壇した(左から)スケルトニクスの白久レイエス樹氏、V-Sido吉崎航氏

『fabcross Meeting』第2部に登壇した(左から)スケルトニクスの白久レイエス樹氏、V-Sido吉崎航氏

白久氏、吉崎氏はともに20代。同じ時代を過ごしてきたということで共通点も多い。

その共通点の一つに「○○作ってみた」系の動画を自主制作し、動画投稿サイトに投稿した経験がある。動画投稿サイトは“製品発表の場”であるのだと吉崎氏は言う。

クラタスのような重さが数トンもあるような製品では、実物を見てもらう機会も限られてきます。しかし、動画ならどこにいても製品を見てもらえるという利点があります。動画で製品を見てもらうことで興味を持ってもらい、出展するイベントなどに足を運んでもらうというきっかけを作ることができます。実物が動いているところを見てみたい、というワクワクする気持ちを引き出してくれます」(吉崎氏)

また、プロダクトの改善にも動画投稿サイトは一役買っていると白久氏は話す。

「私は沖縄出身なので、プロダクトを作ってもみんなに見せる場が少なかったんです。ニコニコ動画の『技術部』というカテゴリにプロダクトの動画をアップし、そこでもらった意見を製品に反映しています」(白久氏)

動画投稿サイトが広げる可能性

動画投稿サイトからさらなるビジネスにつながる例も2人共通の経験である。

白久氏は2012年の『ニコニコ超会議』に出展しているが、そのきっかけになったのも動画の投稿だったという。

「ニコニコ動画にアップした動画を見た関係者の方から声をかけていただいたのがきっかけでした。その時に言われたのも“来場者に実物を見せたい”ということでした」(白久氏)

吉崎氏が『クラタス』の開発に携わることになったきっかけも、実は動画投稿サイトが縁になっているのだという。

「ある日突然、倉田さん(鉄の造形作家、倉田光吾郎氏。クラタスのハード部分を担当)からメールが届いて、『次のイベントで話したい』と。どうやらわたしがニコニコ動画にアップしていたズゴックの動画を見ていただいたらしく、それで『クラタス』を作ることになりました」(吉崎氏)

※吉崎氏が『クラタス』制作に参加するきっかけになった動画
「【V-Sido】赤い彗星のMSを市販機ベースでつくってみた」

最近急増してきたバイラルメディアにも見られるように、自作の動画が拡散される機会も多くなっている。

これから日本のモノづくりを支えていくであろう現在10代以下の世代は、いわゆる「デジタルネイティブ」と呼ばれる生まれながらにしてITやインターネットに触れてきた世代である。

これからの時代のモノづくりを支えていくのは、年々身近になっていく、動画投稿サイトの存在なのかもしれない。

取材・文・撮影/佐藤健太(編集部)