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[レポ] インフラ×アプリエンジニア合同合宿『infrapp2012』で、DevOps的開発を体験する

公開

 

昨年ごろから海外で注目され始めた「DevOps」という新しい開発方法論がある。簡単に言えば、開発部門と運用部門が協力し合うことを指すこの開発方法論を連想させるようなイベントが、2月10日(金)−11日(土)に東京・晴海グランドホテルで開催された。

infrapp2012』と題したこのイベントは、インフラエンジニアとアプリエンジニアが合同でチームを組み、各チームが1つの課題を1泊2日で解決する開発合宿で、まさに開発と運用が協力して開発を進めていくイベントだ。

お酒の席で親睦を深めた後に行ったチーム分け。決められた課題以外に、自分がやってみたいことに取り組むチームも登場した

お酒の席で親睦を深めた後に行ったチーム分け。決められた課題以外に、自分がやってみたいことに取り組むチームも登場した

出される課題は、エンジニアが陥りがちなシチュエーションを想定して作られた3つの課題から1つを選ぶ。

参加したエンジニアは、インフラエンジニア6名、アプリエンジニア10名の計16名。所属も普段の業務内容もバラバラである。

「多くの会社では、インフラ部門とシステム部門といったように技術領域によって部門が分かれています。しかし、仕事を進めていく上でインフラはインフラ、システム開発はシステム開発、というように切り分けて考えることはナンセンス。そんなもどかしさもあって、インフラエンジニアとアプリエンジニアが一緒になって開発合宿を行ったら面白いんじゃないかと思い、『infrapp2012』の開催を思いついたのです」
 
『infrapp2012』主催メンバーの1人である@kuwa_tw氏は、合同合宿開催の背景をそんな風に話す。例えば、インフラエンジニアが夜中に来るメールにおびえていたり、アプリエンジニアがユーザー目線を持つがゆえにインフラに全然目が行かなかったり……。こうした悩みなども、お互いの立場に立ってみないと分からないものだ。

同じく主催メンバーであるさとうようぞう氏(@yoozoosato)も、今回の合宿の狙いをこう語る。

「一つの課題に対する解決のアプローチが、アプリエンジニアとインフラエンジニアで大きく違うというのはよく聞きます。だから、実際にチームとなって一つの課題に取り組むことで、お互いのアプローチ方法を知り、学び、吸収してもらえたらうれしいですね」
 

初めて出会うエンジニアと組む開発合宿は、刺激がたくさん

この日結成されたのは、計3チーム。主催側が考えた課題に取り組むチームもいれば、独自に考えた課題に取り組むチームもあるなど、各々興味がある課題に取り組んだ。そして、課題解決に向けたアプローチの仕方も、アウトプットも、それぞれ異なるものだった。

今回の合同合宿に参加したエンジニアの声でよく聞かれたのは、「ここでしかできない貴重な体験が多い」ということだ。

最後は、各チームが全員の前で成果物をプレゼンしていた。中には、「新人研修の資料としても使えそう」と言われるほど質の高いものも成果として上げられた

最後は、各チームが全員の前で成果物をプレゼンしていた。中には、「新人研修の資料としても使えそう」と言われるほど質の高いものも成果として上げられた

通常業務の中では、新しい開発スタイルに挑戦することや、興味のある技術を開発に取り入れてみること、そしてさまざまなアプローチの仕方を検証することなどはなかなか難しい。

こうした新しい挑戦は、ハッカソンイベントや勉強会でもできないわけではないが、開発テーマが決まっていたり半日程度の勉強会だったりすると、身に付けられるものも限定されてしまう。

その点を踏まえると、今回のような合同開発合宿は、それらの課題を克服できるのではないだろうか。

異なる領域担当で、しかも初めて知り合ったエンジニアとチームを組むことは、新しい発見のオンパレードだ。自分にはないアプローチを持ち合わせていたり、自分とは違ったコードの書き方をしたり……。あるアプリエンジニアから「合宿を通じてサーバエンジニアのすごさが分かった」というような声が上がっていたのも、『infrapp2012』ならではの魅力だ。

ちなみに『infrapp2012』では、合宿でアウトプットしたものをGitHubにアップするなど、オフィシャルな場に成果を残すことをルールにしている。

自由でありながらも締めるところはしっかり締める。そんな主催側の意図が伝わってくるようなルールは非常に効果的だったのではないだろうか。

合宿の最後に開催された座談会でも、何気なくこんな会話が繰り広げられていた。

「『infrapp2012』の構想が持ち上がった当初は、『DevOps』を意識したりしていたんですか?」(スタッフ)

「まぁ、参加者募集の段階でインフラエンジニアとアプリエンジニアを分けていたから微妙かもしれないけど(笑)、最終的には『DevOps』のようにエンジニア同士が技術領域を超えて、協力しながら課題解決に取り組めるようなイベントになったら良いなぁとは思っているんだよね」(スタッフ)

運営スタッフの方の話では、第2回の開催も視野に入れているという。興味がある方は次回の開催情報をキャッチアップしてみては?(主催者ブログはこちら

取材・文・撮影/小禄卓也(編集部)