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「ブラック企業」「パワハラ上司」と遭遇した時、あなたが採るべき手段は?【連載:小松俊明⑬】

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キャリアコンサルタント・小松俊明の「最新ニュースから読み解くキャリアの未来」
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東京海洋大学特任教授/グローバル・キャリアコンサルタント
小松俊明 [@headhunterjp]

慶應義塾大学法学部を卒業後、住友商事、外資コンサル会社を経て独立。エンジニアの転職事情に詳しい。『35歳からの転職成功マニュアル』、『デキる上司は定時に帰る』ほか著書多数。海外在住12年、国内外で2回の起業を経験した異色の経歴を持つ。現在はリクルーターズ株式会社の代表取締役、オールアバウトの転職ノウハウガイド、厚生労働省指定実施機関による職業責任者講習講師を務める傍ら、東京海洋大学特任教授として理系大学生のキャリア&グローバル教育の研究と教育に取り組む。小松俊明公式HP転職活動コンサルHP

大阪の高校で、運動部顧問による体罰が原因で学生から自殺者が出ました。心が痛む事件です。

全国にはさまざまな運動部がありますが、その中には伝統校や名門校と言われる学校がたくさん含まれています。その現場では、学校の名誉を守るため、現場の教員が度を越した指導をしているケースも少なくないことでしょう。

そうした中で起きた事件が大阪のケースですが、そこから見えてくるものは、行き過ぎた指導を許している高校の校風と、当事者である一教員の資質の問題だけではありません。

問題なのは、大人の世界も含めて社会全体に蔓延している「高過ぎる目標設定」であり、「過度な期待をする人間の存在」です。

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体罰問題は、「大人の事情」が生む過度な目標設定ゆえ生まれているのでは? という考え方も

そのプレッシャーの中で、お互いに傷つけ合う行為が「いじめ問題」となり、それは皮肉なことに社会問題化するまで広がっています。少子化の中で、親が子どもに過度の期待をかけることも、結果として子供の世界のいじめを助長しているという指摘もあります。

わたしたち一人一人も、こうした風潮が繰り返されていることを深刻にとらえ切れず、繰り返し行われることを許してきました。

これは、わたしたち大人の意識とモラルの低下が原因であり、深い反省が必要です。

理不尽な相手に効く対応策は何か?

では、理不尽な相手を黙らせるにはどうしたらいいのでしょうか。相手の目先の損得勘定に働きかけるような利害調整だけでは、理不尽な相手を長期的に押さえこむことはできないでしょう。

ここはむしろ、断固とした信念、強い意志を相手に示すこと、そこがスタートになります。そしてその結果、あなたに理不尽な言動を繰り返すことは意味がないとあきらめさせることがここでの目標となります。

例えばいじめられていた子が、勇気を出して相手に反撃した途端、そのいじめが止まったという事例がよく報告されますが、わたしたちも仕事の場で、今よりもっとはっきりと自分の意思を表明できれば、状況が変わることが多いようです。

ただ、断固とした信念、強い意志を相手に示すことができないという人の場合、自分で直接当事者の相手にそれを伝えられなくても、まずは第三者に伝えるところから始めて、理解者や味方を増やすことに働きかけてみてはどうでしょうか。

相手にあきらめさせるのも、一つの職業的技能

できるかぎり理不尽な上司の言動が記録に残るよう、例えば報告書などに文書化して残すようにしてもいいかもしれません。

そうしたことを始めると、理不尽な上司は最初文句や言い逃れを言ってくるでしょうが、事実は事実として書きとめて、多くの人の目に触れるように徹底していけば、相手も根負けしてくるものです。

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最近は、大企業のリストラにおける「事実上の強制退職勧告」も散見される。どう対処すべきかは知識が必要

このように、あなたの強い信念と意思を相手に提示していくことで、そうした理不尽な上司はあなたを標的にすることが割に合わないことに気付くようになります。つまり、相手の興味をそぐようなアプローチが効果的なのです。

エンジニアという職業にある人の多くは、物事を理詰めで考える習慣があり、中には議論好きな人もいます。また、技術的な知識やスキルも高いことから、自分に自信があり、かつ正義感が強い人が多いのも職業的な特徴です。ルールを重んじ、常に高い目標を設定し、自分にも他人にも厳しい性格の人もたくさん存在しています。

だからこそ、理不尽なことを嫌う傾向がより強く出るわけですが、世の中にはルールでは解決できないことも多く、特に人間の言動に関しては、中長期的には自分の思うように相手をコントロールすることはできないものです。

「相手にあきらめさせる」ことも一つの技術と考えれば、世の中の理不尽な相手と対峙した時の対策が打てるようになるのではないでしょうか。