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[トークLive開催レポ 1/2] ベテランが語る「錆びない技術屋がやっている10のこと」鉄は何に比べて硬いのかを考える

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次の『エンジニア適職フェア』が開催されるのは4/22。場所は同じ東京国際フォーラムだ

2月12日(日)、東京国際フォーラムで行われた『エンジニア適職フェア』の会場で、トークLive「赤井誠×川村聖一×竹迫良範が経験談を披露! 『錆びない技術屋がやっている10のこと』」が行われた。

パネラーは、MKTインターナショナル代表取締役社長の赤井誠氏、NECビッグローブの川村聖一氏、サイボウズ・ラボの竹迫良範氏の3人。モデレーターは、エンジニアtypeの連載でもおなじみの法林浩之氏が務めた。

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激動の時代を切り開いてきたパネラーたちは、自らを錆び付かせないために、どのような努力を重ねてきたのか? 熱いトークの様子をレポートしよう。

固定観念に縛られてはいないか?

法林 本日のトークLiveでは、第一線で活躍し続けている3人のエンジニアをお呼びしました。自分を錆び付かせないためには何が必要なのか。

今回はパネラーの皆さんに、「変化適応の心得」を3つずつ聞いています。では、さっそく赤井さんから発表してもらいましょう。

法林 まず1つ目の「鉄は何に比べて硬いのかを考える」ですが、一体どういう意味なんでしょう?

左から

パネラーの三人。左から順に竹迫氏、川村氏、赤井氏

赤井 高校時代、理科の先生から「鉄はどうして硬いと言われるんですか?」と聞かれたんです。で、同級生が「木より硬いからですよね」って答えました。これ、確かにそうなんです。

もし、ステンレスに囲まれた世界があったとしたら、鉄は柔らかいものとして認識されるでしょう。つまり、視点が変われば世界の見え方も変わってくるわけなんです。

エンジニアにとっても、視点を変えてみることは非常に大事だと感じます。例えば、前職でお客さんからLinuxのシステムを要望された時、現場のエンジニアから反対意見がたくさん出たんですよ。

彼らが普段使っていた商用UNIXに比べて、あれが足りない、これも足りないって。それは一昔前の「完璧なUNIX」っていう固定観念に縛られているんです。でも、新しい方向から眺めてみれば、いろいろな可能性が見えてくるはずなんですよね。

法林 なるほど、そういう意味だったんですか。今あるものがベストかどうか、常に疑う姿勢が大事だということですね。

川村 良いお話ですね。「足りない」ってことは、エンジニアにとってチャンスでもありますよね。

赤井
 おっしゃる通りです。当時、僕はエンジニアに「足りない部分を埋めれば、その分、儲かるよ」と言ってました。新しい価値を提供すればコンサルティング料金という形で利益を伸ばせるし、自分自身のスキルも磨くことができます。

川村 誰でもできるような仕事をしても、あまりサプライズはありませんよね。でも、足りないものをゼロから生み出したら「おおっ!」となる。

給料は安いしやりがいもないなら、働く意味もない

法林 従来の枠組みからはみ出して考えてみるのも、時には必要だということですね。さて、2つ目の「得する職場で働こう」とはどういう意味でしょう?

キャプ

「給料でもやりがいでも経験でもいい。今の職場の何が自分にプラスになっているのかを意識すべき」(赤井氏)

赤井 これはいろんな意味が含まれています。例えば、「一皮むける経験をさせてくれる」というのも、「得」の1つでしょう。

僕の場合、日本HPで初のオフショア開発を担当した時がそれに当たります。当時はブリッジエンジニアという概念もないころ。文化の違うインド人とコミュニケーションして、プロジェクトをやり終えたときは一皮むけた実感がありましたね。

給料でもやりがいでも経験でも、何でもいいんです。何かしら、自分にとってプラスのある職場で働くべきです。逆に、給料は安いしやりがいもない、いくら働いても経験にならないという職場なら、すぐに転職を考えた方が良い

法林 そして3つ目は「パーソナルブランディングなんて気にするな」、ですか。

赤井 最近はソーシャルの話が盛り上がっていて、パーソナルブランディングに関する本もたくさん出てますよね。

竹迫 僕は意識したことがまったくないですね。

川村 同じです。

法林 僕はプロレスファンというキャラクターづくりには熱心でしたけどね。仕事とはまったく関係ないですが(笑)。

赤井 Twitterなどで熱心にパーソナルブランディングしても、あまり意味はないですよ。それより、会社のリソースを使い倒しながら、目の前の仕事に集中することが大事。そうすれば、ブランディングは後から勝手についてくるんですよ。

例えば、僕は会社を辞めた今も、「HPの赤井さん」とか「Linuxの赤井さん」と呼ばれることがあります。これは別に意図したことではなく、社会人として成果を出そうと努力した結果に過ぎないんですね。

とにかく会社を使い倒す。怒られるぐらい使い倒す

法林 次は川村さんにも3項目挙げていただきました。

まずは、「周りに反対されること、怒られることをやる」ですね。普通に考えると、怒られることをするのは良くない気がしちゃいますが?

川村
 実は最近、新人に「川村さんってどんなことを考えながら仕事をしているんですか?」って聞かれたんですよ。そのとき、「オレってよく怒られてるな」と気付いたんです。

ある程度経験を積み、仕事をうまくこなすテクニックや、会社の仕組みが分かってくると、自分の中に「限界」を作ってしまうと思うんですよ。「きっとこのくらいはできるだろう」というシミュレーションが、何となくできるようになる。

法林 逆に、「これ以上はできないな」という壁も見えますよね。

川村 そうなんですよ。で、その壁をそのまま放置しておくと、「スゴイ成果」っていうのは生み出せなくなるんじゃないかな。だから、その限界を突破するために、怒られることにもあえて挑戦しているんです。最近では、インターネットの技術標準であるRFCを書いたんですが、社内でRFCの経験者がほとんどいなかったんです。

法林 会社どころか、日本全体でもそんなにいないでしょう(笑)。

川村 研究者の方はちらほらいるんですが、現場の運用者には少ないですね。それで最初は、「どれだけコストや時間がかかると思ってるんだ」とか、「初めてのことなんだから、うまくいくわけがないだろう」と言われたんです。でも、これは絶対にやらなきゃいけない技術課題だと思い、怒られることを恐れずに押し通したんです

法林 それで結局、川村さんが書いたものが、RFCになったんですよね。

川村 1年半くらいかけ、会社にも3回くらい出張させてもらいました。さっき赤井さんがおっしゃっていたように、会社を使い倒しましたね。

その結果、会社にもリターンをもたらすことができました。法律は絶対に破っちゃダメですが(笑)、周囲にゲンコツをコツンとやられる程度のことなら、反対を押し切ってやっちゃう方が良い結果が出る気がします
(2/2に続く)

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