エンジニアtype - エンジニアのシゴト人生を考えるWebマガジン

[トークLive開催レポ① 2/2] 「面倒くさがり」でないエンジニアに新しいサービスは生み出せない

公開

 

――ちょうど良い展開になってきたので、トークテーマを次に移らせていただこうと思います。「新しいトレンドはこれだ」っていうのは、多分もう皆さんも…

田村 分かんないですね。ぶっちゃけ。

――とはいえ、新しいもの・サービスを作り続けていかなくてはならないですよね。では、どういうワークスタイルの人が、時流が変わっていってもアジャストしていけるのでしょう?

田村 なるほど。ワークスタイルというより考え方ですが、僕はけっこう欲深い人が良いなと思ってます。現状に満足しちゃうと、何も生まれないので、すごい貪欲というか、非常に欲深い人がいいのかなって。あとは、結構これは言われるんですけど、面倒くさがり屋の人(笑)。

福田 分かります(笑)。

田村 別にプログラミングが面倒くさいのではなくて、何かをすることが面倒くさいので自動化しちゃうとか。何かやることが面倒くさいので、自分の周りでできるような何か新しいものを作っちゃうみたいな。手を動かすのは速いんだけれども、基本的に面倒くさがりで欲深い人の方が、何か新しいものをどんどん生み出すんじゃないかなと僕は思ってますね。

福田
 わたしも同意というか……わたし自身もすごい面倒くさがり屋で、とりあえず、寝てたら解決してくれるものを作りたいなっていうのが一番理想です(笑)。何でもやってくれる小人をいかに作れるかという感じですね。

田村 そうなんですよ。

福田 あと、「いかに自分の時間を持てるか」というのも一つあるかなと。わたし自身、会社の活動とは別に個人でサービスを作っていたりしますが、そうした時間というのは、実際に自分のインプットにもなりますしアウトプットにもなります。変な話、息抜きにもなって。そういった所で自分自身の時間が持てないとどうしても、会社の仕事しかやれなくなってしまいますし、そこから範囲を超えたものは作れなくなってしまうのかなとは思いますね。

田村 本当のエンジニアさんって、業務でなかなかプログラムできないと、息抜きでプログラムしますよね(笑)。

福田 しますねー。

時流に則したインプットを得たいなら、まずアウトプットから始めるべき

――その、とりあえず試してみるというのも、けっこう大事なエッセンスだったりはするんじゃないですか? それこそ先ほどの新しいSNSが生まれて、そこで何を展開していくかであったり、新しいサービスができて、そこはどういう仕組みになっているのかみたいな所はやっぱりやってみないと分からないところが……。

田村
 やってみないと分からないですよね。それがきっかけで新しい提案につながったりしますから。あと、お客さまと仕事していると、新しい情報ってそんなにお客さまから来るわけではないので、自分からどんどん求めていかないといけない。

福田 あともう一つ、面倒くさがり屋に関連する話で、「エンジニアは悪人になれ」というのも言えるかと……。

――そのココロは?

福田
 表から普通に考えていたらできない事も、いかに裏技的にやれるかを考えることで解決につながる、ということですね。なぜAPIが出たらやりたくなってしまうかというと、今まで表から取れなかった情報が、そのAPIによって何かしら新しく取れる方法ができるかもしれないからなわけです。

「短期間で良いものをアウトプットしたいなら、

「短期間で良いものをアウトプットしたいなら、”楽”をしてAPIを使ってしまう柔軟性が必要ですよね」(田村氏)

田村 けっこうそこって難しいですよね。頭をこう柔らかくして、ガチで真正面からプログラムを書いていくのか、楽をして、例えばAPIを使って情報を取ってきちゃうのか、みたいな。そういう部分って結構悩まされるところじゃないですか。

でも結局、短期間で良いものをアウトプットするという事を目標に置いたとすると、やっぱりそういった柔軟性が必要なんですよね。最近だと、もう大体調べると、大体ツールがあったりAPIがあったりしますし。まあ始めから全部ゼロから作っていくということは、そんなにないんじゃないかなと思います。

――なるほど。ちょっと戻らせていただいて、インプットをどういう風にやっていくと、新しいものを作っていくという感度を高めていけると思われますか?

福田 インプットは、それこそソーシャルメディアを使うのが一番ですね。実は昨年の8月まで、弊社はわたし一人しかエンジニアがいなくて、社内に技術の相談をできる人が誰もいない状態でした。ではどこに聞くかというと、やっぱりソーシャルメディアになります。新しい情報を仕入れていて、取りあえず自分でそれをアウトプットしておくと、それに対するフィードバックが後から勝手に送られて来るという点も、ソーシャルメディアの利点ですね。

ブログとかって、結構そういう所が良くて、取り敢えず「APIでこれだけ取れるよ」みたいなのを載せておくと、「これも取れるようになりました」みたいに、フィードバックをもらえたりとか。そういった所で、アウトプットとインプットを上手く回すという風なこともできているのかなとは思います。

田村 そうですね。弊社の場合はエンジニアさんも結構な人数――90名ぐらいいるので、メールのやり取りを追うだけでも、新しいキーワードだったり新しい技術だったり情報だったりというのは、もう引っ切りなしに出てきます。それだけでも、会社の中でけっこう尖った人間たちによってフィルタリングされた状態の新しい情報を、かなり得られるんじゃないかと思います。ここまでくれば、ソーシャルメディアとあまり変わらないですね。

――福田さんのお話ですごくピンと来たんですが、自分で「こういうのができるよ」とかアウトプットしていないと新しい情報って入って来ないという、ある種のサイクルがそこにあるわけですね。

福田 業界的にも、いわゆる何かしらのアウトプットをする領域の人達が注目してくれるからでしょうね。その人達はやはり独自にいろんな人をチェックしているので、そういったコミュニティに入っていけるという話なのかもしれないですけど。

田村 発信、重要ですよね。発信するならやっぱり適当なことは書けないのでだいぶ調べますし、意外とその発信するというプロセスの中で、その情報をクオリティー高いものにしているんだなと思いますね。

福田
 Twitterとかでとりあえず「これ分かんないんだけど……」とつぶやいておいて、数分後に自分で解決したら、「自己解決しました。こういう風にやりました」みたいなのをつぶやくと、それが結果として他の方に対するノウハウになったりしますよね。すると、「こういうやり方もありますよ」みたいな反響をもらえたりする。Twitterのように、誰が拾ってくれるかも分からないけどつぶやける環境ができたというのも、自分がアウトプットしやすくなった要因の一つかなと思います。

田村 あとは、これは弊社代表の猪子も言っていることなんですが、良いアウトプットを出していくための話として、自分が生活している中で――プログラムとかWebには関係なくても、見た映画とか、別にアートでも何でもいいんですけど、感動したり面白いものに出合った時、その感情に再現性をもたせるという……。

つまり、「この作品良かったね」で終わるのではなく、その作品になぜ自分が感動したのか、面白いと思ったのかという部分を、サイエンスに落とし込むんです。そうやって再現性を汎用化することで、自分のこれから作っていくものに対してそれを取り入れたりするということは結構重要なんじゃないかなと思います。

「観察力×すぐやる行動力」でWebエンジニアの寿命は伸びる

――最後にお二方に、Webエンジニアに向けて、働き方のアドバイスをいただいて終わろうと思います。

「面白いなと感じたサービスがあれば、まずは自分だったらどう作るのか考える。あとそれをどうアレンジするかは、その人次第です」(福田氏)

「面白いなと感じたサービスがあれば、まずは自分だったらどう作るのか考える。あとでそれをどうアレンジするかは、その人次第です」(福田氏)

福田 まとめという感じにはならないかもしれないですが、面白いなとかすごいなと感じたサービスや、システムに対し、それはどういう風にできているのかとか、自分だったらどう作るのかという、何か自分にそれに置き換えることがいいかなと。極端な話をすれば、どうやったらパクれるかなという話にはなってしまうんですけど。パクるんじゃなくて技術的にどういうものを使っているかといった、分析する方向に落とし込むことが大事だと思います。

実際にできるということは、すでに前者が証明してくれているので、そこはある意味ショートカットができている。それをどうアレンジするのかは、その人次第だと思います。

――ありがとうございます。では、田村さんもお願いします。

田村 世の中、いろんな技術がかなりの量あるので、Webでやりたいサービスに求められている技術で、すごく新しくてゼロから作り出さなきゃいけないものってほぼないじゃないですか。そういう意味では、新しい技術をウォッチしていって自分で試していれば、新しい提案や、サービスに対するソリューションも、自分の中でどんどんどんどん湧き出るでしょうし、やり方も、どれくらい時間が掛かるかというのも大体イメージがつくと思うんです。

なので、そういう新しい技術のウォッチや、自分で作って試してみるといった取り組みを、日常的にやっている人は、これから新しいサービスを作ろうとした時に、非常に強い力を発揮するんじゃないかなと思います。ウォッチする力と自分ですぐやってみるという力。この2つが、不透明な未来を切り拓いていく上で、最も重要だと思います。

――今回は3人の予定が急遽2人になってしまったにもかかわらず、大変意義深いお話をいただき、ありがとうございました。

制作協力/書き起こし.com 撮影/赤松洋太

 1  |  2 

<<[トークLive開催レポ① 1/2] エンタメ×ITの未来開発会議~ソーシャルグラフをリアルにつなげたサービスが生き残る