エンジニアtype - エンジニアのシゴト人生を考えるWebマガジン

[コラム] 『ナノ・ラボ』は大人を童心に戻してしまう、危険なタイムマシーン空間だ

公開

 
画像 056.jpgのサムネール画像

利用料は500円/2時間。ただ、3月末にリニューアルオープンしたので、しばらくは350円/2時間だという。安い!

世の中には”エンジニアフレンドリー”なオープンスペースが存在する。秋葉原の裏通りにある『創造空間 ナノ・ラボ』も、そんな場所の一つだ。

このお店のウリはズバリ、「工作に必要な工具・機材がひと通り揃っている」こと。

「スターリングエンジン作りたいんだけど、道具からそろえるのはちょっとなー」なんて考えている人のニーズを、ばっちり満たしてくれる(もしそんな人がいればの話だが)。

2011年2月末のオープンで、まだまだ取り上げているメディアも少ないこともあり、『エンジニアtype』がそのさきがけになれればと、行ってみることに。

とはいえ、「オープンな工作スペース」をうたう『ナノ・ラボ』なので、実際に工作をしなければ意味がない。いろいろと工作ネタを探してみたところ、ここで地震計の作り方を発見! その設計コンセプトは

■特別な知識が必要な材料・工具は一切使用しない
■簡単に制作できる
■地震計の原理が理解できる

だということで、これなら小学校の夏休み以来工作をしていないわたしでも安心。しかも今の時期性にもばっちり合致している。あちこちから材料をかき集め、いざ秋葉原へと向かった。

店に入ると、懐かしい図工室の匂いがした

画像 005.jpgのサムネール画像

ちなみに向かいは『牛丼専門店 サンボ』。その道では有名な老舗だ

『ナノ・ラボ』があるのは、秋葉原の中でも特にマニアックな部品屋が軒を連ねる、外神田三丁目。

午後6時過ぎともなれば、少年のように瞳を輝かせながら電子部品を見つめる、スーツ姿の隠れ工作愛好家たちが出没するエリアの一画だ。

店舗はPCパーツ屋(下階)と、メイドが体のお手入れとお話しをしてくれるお店(上階)に挟まれた3階にある。そのシュールな立地は、過去から現在まで、「アキバ」が大きく変遷したきたことを、何よりも雄弁に物語っている。

階段を上がり店内に足を入れてみると、なんだか懐かしい匂いがした。そうだ、図工室の匂いだ。

画像 011.jpg

店内の様子。各種工具無料貸し出しに加え、無線LANやPC、タブレットも無料で利用できる

「あ、どうぞどうぞ」

中には店長らしき方が一人。料金について説明してもらう。

「お一人につき、2時間あたり350円でドリンクバーは飲み放題なので、何か飲みたい場合は、セルフサービスでお願いしますね」

さっそくコーヒーを入れて着席し、楽しい工作タイムの始まりだ。

意外と難しかった地震計。果たして完成なるか

今回、準備したのものは以下の通り。

画像 009.jpg

材料のすべて。これにカッターナイフ、はさみ、千枚通しの3道具があれば、地震計を作ることができる

■たこ糸(1m程度)
■単1乾電池(1個)
 →なかったので単三電池×4個
■お弁当用ミニカップ(1個)
■あぶら粘土→なかったので紙粘土(少量)
■クリップ(1個)
■ペットボトル(2L四角いもの、1本)
■記録用紙(長方形の厚紙、1枚)
■シャープペンシルの芯(1本)
■セロハンテープ

いくつか足りないものもあったが、あまり気にせず、さっそく説明書通り黙々と作り始める。

画像 024.jpg


最初は振り子。敏感に揺れを記録する地震計の心臓部だ。振り子のない地震計なんて潔癖症の人と同じ。何も「ふれない」。

画像 027.jpg


振り子ができたら次は、それを格納するペットボトルの細工に取り掛かる。振り子を入れるための穴と、記録用紙を通すための差し口を開ければOKだ。

画像 033.jpg


簡単すぎる気はするが、後は振り子をペットボトルに入れ、フタに振り子の糸を取り付けるだけ。揺れを感じれば、おもりの下に付けたシャーペンの芯が、記録用紙にその波形を記録する。

画像 041.jpg


…のはずが、うまくいかない。シャーペンの芯が固定されないのだ。くにゃっと、さながら中村俊輔のフリーキックのように曲がってしまう。しまった、やはり説明書通りあぶら粘土を使うべきだったか!?  と思ったが、もう後の祭り。

画像 052.jpg


仕方がないので、緊急時に頼れるエンジニアよろしく、急きょシャーペンの芯をサインペンに変えて振り子を作り直した。

「お家で工作」につきまとう悩みは、すべてここで解消される

画像.jpg

その結果が上の写真だ。正直に言おう。失敗した。

もし、本当に日本に地震が起こり、こんな波形が記録されていたとしたら…おそらく来年のG8サミットは「G7」になっていただろう。悔しいので、ぜひとも何か別の工作でリベンジを果たしたい。

さて、今回の『ナノ・ラボ』訪問。工作があまりにお手軽だったため、置いてある工具類をがんがん利用することはなかった。が、それでも『ナノ・ラボ』の魅力は十分感じることができた。

つまりここは、街の「工作室」なのだ。作りたいものさえあれば、誰でも工作を楽しむことができる。

工作をしたいものの道具を持っていない、家に十分なスペースがないなどの理由で、なかなか実行できずにいる工作ファンは多いはず。そんな人はいっそのこと、作業場を『ナノ・ラボ』にアウトソースしてしまってはどうだろう。

毎回店内に足を踏み入れるたび、小学生のころ楽しみにしていた図工の時間、ウキウキした気分で教室に入ったあの感覚を味わえるに違いない。

取材・文/桜井 祐(編集部)

■創造空間 ナノ・ラボHP

スクリーンショット(2011-04-13 23.20.08).png

最寄り駅の東京メトロ銀座線末広町駅より徒歩3分

営業時間は13時~19時30分、月曜日が定休日