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『ニコ超3』の超チューニング祭で、“創世神”戀塚昭彦氏を上回ったカップルが見せたバランス感覚

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『ニコ超3』超チューニング大会優勝チーム、ウルフギャング

(写真左から)『ニコ超3』超チューニング大会優勝チーム、ウルフギャングのイシジマミキさん、武藤大樹氏

『ニコ動』と聞いていったい何を指すか知らないネット民はほとんどいないだろう。そう、ドワンゴの運営する動画サイト『ニコニコ動画』である。

そんな『ニコニコ動画』のリアルイベント『ニコニコ超会議3』(以下、『ニコ超3』)が2014年4月26、27日の2日間にわたって、開催された。

昨年の『ニコニコ超会議2』では会場来場者10万3561人、ニコニコ生放送の視聴者数509万4944人を数え、ネット民の度肝を抜いたが、今年は会場来場者12万4966人、ニコニコ生放送の視聴者数は759万5978人と、回を追うごとに巨大イベントに成長している。

そんな『ニコ超3』の中には、企業がスポンサードするブースや主催者のドワンゴが運営するブースだけではなく、『まるなげひろば』という企画・準備・運営のすべてをユーザーに丸投げしたエリアが存在する。

そのブース内にて、ニコニコ動画のユーザーが同サイトのスマートフォンサイトをチューニングし、表示スピードとUIを改善する『超チューニング祭』が行われた。

『超チューニング祭』を企画立案したニコ動ユーザーの“くにきや”こと原田裕介氏と、優勝チーム『ウルフギャング』にインタビューしてみたので紹介したい。

エンジニアの価値向上の機会に

『超チューニング祭』の主催者、原田氏は普段、Web系のエンジニアとして活躍している。今回、同イベントを企画した理由には、エンジニアとしてのある種の危機感があったのだという。

「超チューニング祭を企画した理由には、エンジニアの価値向上があります。わたしは1回目のニコ超から参加していますが、回を重ねるごとに『超エンジニアミーティング』や『超ハッカソン』などのエンジニア向けイベントがなくなっていきました。ニコ動が発展した背景には少なからずエンジニアの存在があったと考えています。そんな功労者たちに価値向上の場を提供しようと思いまして」

「運営」という文字が見てとれるように、ドワンゴの「中の人」も4名参加している

Tシャツに「運営」という文字があるように、ドワンゴの「中の人」も参加者として4名参加している

原田氏はチューニングイベントをエンジニアの価値を上げるイベントだと考える。

「わたし自身、セキュリティ系のイベントに参加し、優勝した経験があります。驚いたのは、優勝したとたんにいろんな会社から声がかかるようになったことです。今回の『超チューニング祭』はフロントエンドの幅広い知識や技術、今あるものを改善するという、ハッカソンとは違うチューニングならではの難しさがあります。ここで入賞したエンジニアは、活躍の場が広がるんじゃないかと思うんですよね」

そんな原田氏の熱意を感じ取ってか、応募者のキャンセルもほとんど出なかったそう。

「このイベントのプレイヤー兼審査員として、ニコ動のプロトタイプをたった3日で制作し、ユーザーの間で“創世神”と呼ばれているドワンゴの戀塚昭彦氏もキャスティングしました。ユーザーと創世神が対決できる、そんな本気度も参加者に伝わったのかもしれません」

分業が生んだ“神越え”

そんな『超チューニング祭』で、戀塚氏ほか20名弱の参加者を上回り、最優秀賞を獲得したのは、チーム『ウルフギャング』の武藤大樹氏とイシジマミキさんだ。

今回の勝因を彼らは次のように分析する。

2人が施したチューニング内容はイシジマさんのブログで詳しく紹介している

2人が施したチューニング内容はイシジマさんのブログで詳しく紹介している

「imgファイルやjsファイルのキャッシュ化が大きかったんじゃないかと個人的には思っています。デフォルトではページ読み込みのたびにファイルへアクセスし、更新情報を確認するという仕組みになっていましたが、それをキャッシュ化しました」(武藤氏)

「わたしはアイコンのデザイン変更や、テキストの行間調整などのUI部分はもちろんのこと、画像の色分布の平均化なども行い、表示速度の改善も行いました」(イシジマさん)

普段は武藤氏はフリーランスのプログラマー、イシジマさんはWebデザイナーとして活躍している。今回のイベントでは、武藤氏はプログラム担当、イシジマさんはUI担当と分業して臨んだのだという。

「出ようと最初に言ったのは僕からです。以前、チューニングイベントに別の友人と3人で出たことがありました。その時に一緒に参加した友人に今回のイベントを紹介してもらったのですが、人数制限が2人までだと知った時、『UIがあるなら、彼女とエントリーしよう』とすぐに判断しました」(武藤氏)

実はこの2人、付き合っているのだという。出会いの経緯をイシジマさんが話してくれた。

「彼はもともとわたしが運営するコワーキングスペースのお客さんだったんです。そこで知り合ってお付き合いすることになりました」

公私共にお互いのことを知り尽くした2人だったからこそつかめた勝利なのかもしれない。

取材・文・撮影/佐藤健太(編集部)