みなさんは「大人の習い事」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。
英会話、料理教室、社交ダンス、など、挙げればキリがないが、今回注目するのはさまざまなメディアで取り上げられるなど、にわかに脚光を浴びている「大人のレゴ教室」である。
2013年3月から定期的に開催されているこの教室は、各回定員25名。これまで開催してきた全6回が、チケットの販売開始後わずか1時間ほどで完売するほどの人気ぶりだそうだ(広報担当者談)。金曜日の19:30開始と、仕事終わりの社会人が立ち寄れるような時間設定も魅力の1つなのだろう。
大人をも魅了するレゴブロック、その魅力は果たしてどこにあるのか、2013年11月22日にお台場にあるデックス東京ビーチ内のレゴランド・ディスカバリー・センター東京で開催された「デスク周り編」を弊誌編集者が体験してきた。
大人がみんな無口になるレゴ教室
大人のレゴ教室が行われているのは、普段はファミリー向けアトラクション施設となっている場所。その中の「マスター・ビルダー・ワークショップ」で開催されていた。

普段「マスター・ビルダー・ワークショップ」では来場するファミリー向けにレゴ教室を開催している

会場内の様子。前面に大きなモニターが設置され、教えてくれる人の手元が見えるようになっている

教えてくれるのはマスター・ビルダーの大澤よしひろ氏。レゴから認定されている「マスター・ビルダー」は世界に10人しかいない

各自に配布されるキット。この一式でスマホ+スマホスタンドの基礎が制作できる

各自のテーブルに備え付けてあるボウルにレゴのパーツを開封

まずはスマホ作りから。右のパーツ、初めて見た

このようにまずは小さいパーツを組み立てていく

「パチッ」と音を立ててパーツがはまるのが、けっこう快感

このようなパーツをいくつも組み立てていき……

土台になるパーツに組み上げていくと……

所要時間5分ほどでレゴのスマホが完成!次は、これを立てられるスタンドを作る

マスター・ビルダー大澤氏の教えに沿ってスマホスタンドの土台を作成。ここからは各自のデザイン力が発揮される

教室の後ろに用意された大量のレゴからパーツを選び、スマホを支える部分を自由に作る

用意されているのは、メジャーな赤・青・黄のシリーズから、かわいらしいパステルカラー、渋いモノトーンまでさまざま

各自が制作に取り掛かり、信じられないくらい静まり返る教室。カチャカチャという音だけが鳴り響く

弊誌編集者が作った作品。「エンジニアtype」の『t』を表現している

バックショット。20年ぶりにレゴに触れたが、10分ほどの所要時間で完成した

レゴで作ったスマホを乗せた図。この後、私物のスマホでも試したが、相当重い機種でなければ倒れなさそうだ
「レゴ世代」がレゴ人気を支えている

レゴランド内でもレゴで作られた東京の町並みなど大人向けの展示が見られる
教室内の参加者を見渡してみると、男女比は半々、年齢は20~30歳代が多そうである。なぜ知育玩具として馴染み深いレゴが今、大人に人気なのか。
それは幼少期にレゴに多く触れてきた世代と、レゴの価格に関係があるようだ。
マスター・ビルダーの大澤氏も、幼少期にレゴに触れていた世代の1人だ。
「レゴは幼稚園のころから触れていました。芸術系の大学に通っていたのですが、制作テーマもレゴでの造形でした。大学を卒業し、一時は某牛丼チェーン店でアルバイトをしていたんですが、レゴの楽しさが忘れられず、今の職に就きました」
以前は知育玩具の印象が強かったレゴであるが、最近は映画『スターウォーズ』シリーズや世界の建造物を作る『アーキテクチャ』シリーズなど、大人向けの商品も多く発売されている。しかも、価格帯は数千円~数万円と子どもがお小遣いで購入するには躊躇する値段に設定されている。
子どものころ、レゴで遊んでいた世代が成長し、当時買うことができなかったレゴを購入できるようになったことで、普段味わうことのできない制作意欲とノスタルジーを手軽に楽しめているのかもしれない。
次回、「大人のレゴ教室」<デスク周り編>は12/13(金)に開催される。童心に戻って思いっきりレゴで遊びたいという方は、会社帰りに立ち寄ってみては?
取材・文・撮影/佐藤健太 (編集部)