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[連載:後藤和弥③] お待たせしました!SIer採用、ついに本格始動!

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転職支援のプロ・後藤和弥の求人マーケット予測
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株式会社キャリアデザインセンター  人材紹介事業部  シニアキャリアアドバイザー
後藤和弥

エンジニアを中心とした幅広い業種・職種の転職希望者のサポートを行っている、『typeの人材紹介』の看板キャリアアドバイザー。求人情報誌営業、人事、大手人材派遣会社の各地支店長を経て現職へ。ITコンサルティング、SI、ベンダー、インターネット・モバイル業界の求人動向に詳しい。趣味はサッカー戦術論、ジャズDJ、クルマ、映画等、多趣味である

これまでの連載では、ソーシャルアプリやWebサービスといったBtoCの開発エンジニアへの求人意欲が高まり、IT業界の求人、特に業績好調なWeb系企業の求人数が順調に増加しているとお伝えしてきました。

現在もさらにスマートフォンの本格ブレイクを前に、さらに採用ニーズが幅広く、且つ大きく加速していることには変わらないのですが、最近、IT業界の求人トレンドにさらに追加にて良い変化が顕著に見られるようになりました。

もともとITエンジニアにとっての花形である大規模基幹システム・業務システム開発といったBtoBの業務系案件が、いよいよ本格的に復活してきているのです。

なぜ今、業務系エンジニアのニーズが高まってきたのか。その背景には、企業のIT投資の再燃が関係しているようです。

ITコンサル、アウトソーシングコンサルの需要が急増

第一回目の記事で、BtoB向けサービスの変化によるSIerの案件減について言及しました。つい2カ月ほど前のことです。

しかしここに来て、これまで控えめであった業務システムや基幹システムへの投資に企業が明確な再投資を始めました。そのため、国内大手ベンダーの受注数が増加。中堅・大手SIerへの依頼もはっきりとした増加が感じられ、業務システムに関する幅広い知識や経験、インフラを含めた技術を持つエンジニアのニーズ加速につながっています。

また、IT系コンサルティングファームも、現時点ではITコンサルタントやアウトソーシングコンサルタントを、各インダストリー(アプリからインフラ周りまで)ほぼフルラインアップで求人を展開されています。経験豊富な人材を求める企業が多いのですが、今であれば若手の方にもチャンスがあります。

これはわたしの肌感覚ですが、業務系エンジニアの採用意欲は、2008年以降で最も高いでしょう。

SIerでのステップアップを考えるなら、早めに動くべき

今回お伝えしている求人トレンドの特色は、多くのエンジニアにSIerでのステップアップ転職の可能性が開かれている点。その背景には、大手Sierが請け負う開発領域の幅広さが大きく関連しています。

小規模SIerの場合、専門性を持つことで他社との差別化をしている分、おのずと業務領域も狭まってしまいます。そのため、受注したプロジェクトに合わせたエンジニア募集を行うことが多いのです。

一方、中堅・大手SIerの場合は複合的にプロジェクトの依頼が寄せられるため、幅広い業務知識、技術、マネジメント力を持ったエンジニアが求められます。募集したエンジニアの経験・知識によって適材適所の配置ができるため、一度に大量のエンジニア募集が実現できるのです。

ただ、転職を考えるエンジニアの間では将来性を考え、業務システムの開発会社からBtoC向けWebサービスの開発会社へ転職を考えるエンジニアも少なくありません。

そのため、今SIerへの転職を考えている方は、意外とニーズの幅広い中堅以上のSIerだけ受かってしまう、という可能性も考えられます。それほど、中堅・大手SIerのエンジニアニーズは急速に高まっているのです。

「技術屋」としての探求実感は、むしろBtoBエンジニアの方がある

ここ最近は目立った動きの少なかったBtoB/業務系アプリ・インフラエンジニアの世界。しかし、エンジニアリングの難易度は、むしろこちら側にある、という見方ができるのではないかとわたしは考えます。

その理由のひとつに、現在人気の高いソーシャルゲームやソーシャルサービスなどの開発に必要な能力が挙げられます。

多くのソーシャル系アプリ開発において重要なことは、企画力や短納期開発力が求められ、最新のスクリプト系技術を積極採用し、スマートフォン対応にもチャレンジしながら世に出していく事です。いわゆる「ヒットメーカー」的な動きです。

しかし、よくエンジニアの方にお聞きするのですが、特にソーシャルゲームの多くの画面遷移において、ヒットしたいくつかのものと同じような仕組み/画面遷移で作られていることが多く、複雑なビジネスロジックと格闘してきたエンジニアの方からすると、やや物足りないと言う方もいらっしゃいます。

今でこそ注目を集めるソーシャルサービスですが、スマートフォン移行の主導権争いの先に、何のコンテンツ・サービスが生み出され、ヒットするのか。あまりその部分に興味を覚えず、企業や社会インフラの業務効率改善の方が面白みを感じるというエンジニアの方は、本当に久々のチャンスだと思います。

ここ数カ月間、ものすごい勢いでIT業界の求人ニーズは回復してきました。

ただし、今回のようなBtoB/業務系エンジニアのニーズ急増の例を見ても分かるように、今後のIT業界の求人動向も短期間でさまざまな変化が見られるかもしれません。わたしのところへ転職の相談にいらっしゃるエンジニアの方々も、多くの方が「今はソーシャル系ですかね」とWeb系エンジニアへの転職を希望するなど、業界トレンドに流されているように感じます。

一方で、「業界のトレンドを知って、BtoC系エンジニアへの転身を検討しているが、想像していたような面白さを感じられない。ほかの皆さんはどうなんですか?」あるいは「リーマン・ショック以降、安定とPM業務を求めて社内SE(自社サービス)に転職したのですが、やはり立場が『スタッフ』なんですよね。エンジニアが花形扱いされるSIerの求人って、そろそろ復活しそうですか?」といって転職相談にいらっしゃるエンジニアの方も増えてきました。

「もう少しだけ、周りのエンジニアの動きを様子見してから動こう」と考えている方も、ライバルが動き始めたばかりの今こそ、SIerの求人に応募してみてはいかがでしょうか。

是非、本当の旬になる前に、SIerへのステップアップを。