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[連載:八反田智和] ソーシャルゲーム「世界進出の壁」を壊す、日本人開発リーダー育成プログラムが3月から始動

公開

 
スマホ新時代のニューリーダー、未来へのメッセージ

株式会社HatchUp CEO/株式会社6x6cm CEO
八反田 智和(はったんだ・ともかず)

ソーシャルアプリxスマートフォンアプリ業界に特化した開発体制構築支援事業、事業拠点構築支援などを手掛ける株式会社HatchUp代表。国内外でソーシャル×スマホ業界イベント『STR』を展開。また、株式会社6x6cmではアンドロイドアプリのリリース・運用も行っている

こんにちは、八反田です。

『グローバルソーシャルゲーム リーダーシップ プログラム 2012』ホームページはコチラ

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今回はわたしの連載の番外編として、普段のインタビュー記事形式ではなく、本日(1月24日)日本経済新聞に記事が掲載された、日本マイクロソフトとデジタルハリウッド大学院(以下、デジハリ)による『グローバルソーシャルゲーム リーダーシップ プログラム 2012』(以下、GSGL2012)の取り組みについて紹介させてください。

このプログラムは、「世界に通用するソーシャルゲーム人材の育成」、つまり次世代の開発リーダーを育てるプログラムを標榜しており、わたしの会社HatchUpは本プログラムのプロジェクトマネジャーとして参画させてもらっています。

そこで、このプロジェクトの持つ意味合いや特徴を、わたしの専門領域の一つである「人材」面での業界動向と絡めながら、説明していきたいと思います。

海外展開の加速化でグローバル対応可能な開発人材が逼迫

2008年ごろからブレイクし始め、現在まで活況を呈している日本のソーシャルゲーム市場は、今、積極的に海外展開を進めています。一方、2009年ごろから、ソーシャルゲーム市場における人材不足、特に開発人材の不足は深刻さを増しています。

そんな中でさらに海外進出にまで手を伸ばし始めてしまったため、ソーシャルゲーム開発会社の現場は相当逼迫しており、各社のオフィスは極論「不夜城化」している状況です。

こう書くと、「海外拠点を作るのだから、現地採用をすればより安い単価で人材獲得ができるのでは?」という声も聞こえてきそうですが、各社の実態を聞いていると、海外拠点の構築には段階があるようです。

今のところ、あくまで開発体制をコントロールするのは、日本市場で経験を積んできた日本人エンジニアやマネジャーありき。ビジネス的に見ても、ARPPU(課金ユーザ1人当たり月額課金額)が数円レベルという現地市場の人材に、日本のようなARPPUが数百円の市場での競争力や収益化を前提とした開発や運用を任せるのは無理があるでしょう。

グローバル化の初期~中期段階では、現地で開発チームを構築・けん引するマネジャー人材が必要不可欠

グローバル化の初期~中期段階では、現地で開発チームを構築・けん引するマネジャー人材が必要不可欠

そう考えれば、グローバル対応が可能な日本人エンジニアを国内で育成していく動きが必要になってくるのは、ある意味当然とも言えます。

ちなみに、現在最も多い現地展開パターンは、

【1】 現地開発企業の買収
【2】 日本人マネジャーの現地派遣
【3】 現地日本人メンバーの拡充
【4】 現地国メンバーの品質管理

といった流れ。やはり、海外展開する上でも、日本人メンバーの育成が先決なのです。

そのため、最近は日本国内での人材獲得競争も、「海外市場を視野に入れた開発力」を前提としている企業が増えています。具体的には、上の【2】や【3】の旗振り役となるような人、現地に入って開発体制を構築していけるような日本人マネジャーが求められているのです。

われわれHatchUpのような企業が、ソーシャルゲーム企業各社に人材紹介をしている現場においても、多くの企業共通の悩みの種は、「国内アサインか、海外拠点アサインか」といった判断だったりします。

業界各社が一丸となって、世界へ出るためのサポートを展開

そこで、日本マイクロソフトとデジハリによる『GSGL2012』の発足です。これは、冒頭でも触れたように、日本のSAP(ソーシャルアプリプロバイダー)市場共通の課題である「海外市場に通用する人材育成」をテーマにしたプログラムになっています。

プログラム・メンターとして、業界経験の豊富な人材がついてくれるとのこと

プログラム・メンターとして、業界経験の豊富な人材がついてくれるとのこと

具体的には、学生社会人30~60名による海外向けアプリリリースをサポートする「実践型ぶっこみ教育」に加え、プログラム期間中にオープンセミナースタイルで実施される20数回の「ケーススタディ/ノウハウ講座」に、延べ3000人の動員を見込んでいます。

デジハリによる24時間オープンの開発拠点の提供、日本マイクロソフトによる技術者チームのアサインやクラウドサービス『Windows Azure』の提供、そして、メンターチームによるフルサポート体制で、「世界の壁をこじ開ける」経験を持ってもらい、日本のSAP企業にジョインしての活躍や、スタートアップとして世界を目指すきっかけを演出することを目標に置いています。

具体的な開発サポートには、ゲーム開発およびソーシャルゲーム開発実績の豊富な株式会社A4(上記プログラム・メンター)がサポートするほか、美大系デザイナーズ集団のUPSTAIRS、そして、マイクロソフトMVPプログラム()の上級技術者たちがサポートにあたってくれます。

※マイクロソフトMVPプログラムとは?… MVP(Most Valuable Professional)アワードプログラムは、マイクロソフトの製品やテクノロジーに関する豊富な知識と経験を持ち、オンラインまたはオフラインのコミュニティやメディアなどを通して、その優れた能力を幅広いユーザーと共有している個人を表彰するもの。全世界規模のプログラムとして、現在世界90カ国以上、4000名を超える方々がMVPであり、日本では204名が認定されています(2012年1月時点)。

このように、『GSGL2012』は、現役の開発プロフェッショナルたちと次世代の【スマホ×ソーシャルゲーム】を担う人たちが交わる、これまでになかったような機会になっていくのではないかと自負しています。

すでに事前申し込みを受け付けており、業界大手の第一線で活躍するエンジニアから若いチャレンジャーまで、幅広い層の応募が来ている状況です。プログラムは、応募締め切りが2012年2月15日。面接をパスした方から順次事前トレーニングを受けていただき、企画ブラッシュアップに入る形で進んでいきます。

本格的なプログラム開始は3月下旬を予定しており、それから半年間は、デジハリや日本マイクロソフトの各拠点が「不夜城」となり、海外で通用するタイトルを世に送り出すことになっていくはずです。

参加希望者は、下記サイトからのお申し込みをお待ちしています。そして、SAP企業の協賛も引続き募集中です。「海外市場展開をにらんだ人材育成スキームの確立」は、業界内でも新しい取り組み。ぜひ一役買っていただければと思っています。

≪『GSGL2012』プログラム詳細と参加お申し込みはコチラ≫

http://school.dhw.co.jp/p/gsgl/

撮影/柴田ひろあき(八反田氏カットのみ)