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「これからのエンジニアはサービスを生み出せなきゃダメ」はウソ! タイプ別・働きやすさ向上のススメ【連載:えふしん①】

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モバツイえふしんのWebサービスサバイバル術

マインドスコープ株式会社 代表取締役社長
藤川真一(えふしん)

FA装置メーカー、Web制作のベンチャーを経て、2006年にpaperboy&co.へ。ショッピングモールサービスにプロデューサーとして携わるかたわら、2007年からモバイル端末向けのTwitterウェブサービス型クライアント『モバツイ』の開発・運営を個人で開始。2010年、想創社(現・マインドスコープ)を設立。代表取締役社長に就任

みなさん、はじめまして。モバツイというTwitterクライアントを提供しているマインドスコープのえふしんと言います。普段は東京の西麻布にオフィスを構え、モバツイを開発、運用する仕事をしております。

本連載では、主にネットベンチャーでWebサービスやWeb制作に携わるエンジニアの人が、今後生き残っていくための心構えや、元気に前に進めるような文章を提供できたらと思っています。

第一回目、何を書いたら喜んで読んでいただけるかということを考えながら、たくさんの文章を書き連ねてウンウンうなっています。今回は、自分が力を発揮できる立ち位置について考えるきっかけをご提供できたらと思っています。

選手はチームのことを考える必要はない!?

by West Point Public Affairs

by West Point Public Affairs

Webエンジニアとプロ野球選手。若い方が活躍しやすく、競争が激しいという点で両者は似ている

先日、経営者向けのセミナーで、前・中日監督の落合さんの講演を聞いてきました。組織論についての講演だったのですが、そこで監督やコーチと、選手の違いについて触れられていました。

落合前監督いわく、「選手はチームのことを考える必要はない」という表現をされていました。選手は、成績次第で来年ポストが続くか分からないので、今自分が求められている役割をしっかり実現することに専念すべきという話でした。

これは組織論の話なので、監督やコーチはそれではダメで、コーチはチームの勝利を優先せねばならない、という文脈での表現だったかもしれませんが、一理あるとは思います。

最近のネット業界は、プロ野球選手に近い世界だと思っています。Webエンジニアの世界では、常に優秀な若い人がエースです。Webは技術的に、あまり難しい技術ではなく、誰かが使いやすいプロダクトを作り出し、たくさんの人がそれを利用していき、ベストプラクティスを共有していくという”エンジニアリング”の世界なので、柔軟性があり意欲的な人が強い世界です。

プロ野球選手のように一人への依存度が高く、毎年誰かが辞めなくてはいけない厳しい世界ではないものの、Webを使った市場そのものが大きくなっていかなければ、同様の淘汰が起きて行くことになるかもしれません。常に新しい技術やコミュニティに関心を持ち、自己研鑽をしていかなくてはならない世界です。

しかし、さまざまなエンジニアの記事やブログでスタープレーヤーの一挙手一投足を見て行くと、自分とは違うタイプだなと、ため息をついている人も少なくないのではないでしょうか!?

あなたは将来どういうエンジニアになりたいですか?

あなたは、今後どういうエンジニアになっていきたいと思いますか?

【1】 プログラムを書く仕事をしているけど、心の中ではやりたいサービスやアプリがあって、企画やプロデュースの方が本当は得意だ。誰かコードを書いてくれるなら任せて、自分は考える方に徹したい。

【2】 特にアイデアは思いつかないし、そういうことに興味も無い。それよりは、技術で、会社やチームを支える方が得意だ。またお客さんの役に立っているのが楽しい。

【3】 自分でアプリを作ってみたいし、できればあまりたくさんの人とかかわらず、一人でやっていきたい。

【4】 その他

これはけっこう、大事な選択だと思っておりまして、もしどれかに割り切ることができるなら、割り切った方が楽になるという選択肢です。

エンジニアの人から、自分でもサービスを作りたいけど、なかなか時間やアイデアがなくてできない、という話をよく聞きます。でも、思い付かないなら、別に無理して作る必要はないのではないでしょうか。

モバツイはじめ、エンジニアが一人で創り上げたサービスは多い。しかし、同じエンジニアでも「向き不向き」はある

モバツイはじめ、エンジニアが一人で創り上げたサービスは多い。しかし、同じエンジニアでも「向き不向き」はある

Web2.0ブーム以降、エンジニアで開発力があるなら、サービスを作って、起業して、あわよくば上場まで持っていけたら――というのが、一つの成功パターンとして認知されていますが、エンジニアの選択は、決してそれだけではありません。

上記に書いた1、2、3はおそらくエンジニアとしてタイプが違っていて、どの選択肢も貴重な役割でしょう。そして、それぞれに向いてない人が選択すると、結構苦労するのではないかと思います。

自分の力を活かしたいなら、働きやすい環境に身を置くのが一番

<<あなたが【1】なら>>
もしコードを書くよりも考える方が楽しいというのであれば、一日も早く、自分がコードを書かなくても仕事が動くチームをつくることに専念すべきです。この場合、最悪なケースは、あなたが一番できるエンジニアだからと、現場を離れられない状況にしてしまうことです。

<<あなたが【2】なら>>

縁の下の力持ちタイプの人が、無理に人の前やサービスを考える仕事をする必要はありません。着実に周囲の信頼を得ていくことで、あなたは自然に浮き上がっていきます。この場合大事なのは、自分が最高だと思えるチームに参加することです。独立するとしても、ビジョナリーに支えるCTOのような存在になっていくのが良いでしょう。

<<あなたが【3】なら>>
また、一人で仕事をしていくことが楽しいのであれば、今はiPhoneアプリや、プラットフォームを活かすWebサービスで収入を得ることは可能です。ただ、個性的なアプリやサービスを作り、少ない人数で生き残って行くために、市場の抜け穴を見つけていくセンスは必要。会社の研究職的役割で、コツコツやれる仕事を得られたら天職かもしれません。

さまざまな手段や立ち位置で、自分が一番力を発揮できる方法を考えて、その環境に身を置いた方が楽です。自分が楽であれば、その結果、前に進むための自己研鑽もやりやすくなり、より時間を有効活用でき、正のスパイラルを描くことが可能になります。

Webサービスは一人で良いものを作るのは難しく、さまざまな役割の人がコラボレーションすることで作品ができ上がります。その中で、自分が一番力を発揮できる役割を探し出して、その役割でのプロフェッショナルになっていくために一度考えてみてはいかがでしょうか!?