エンジニアtype - エンジニアのシゴト人生を考えるWebマガジン

社会は無名なあなたと出会いたい~「ネット有名人」より「良い仕事人」になろう【連載:えふしん③】

公開

 
モバツイえふしんのWebサービスサバイバル術

藤川真一(えふしん)

FA装置メーカー、Web制作のベンチャーを経て、2006年にpaperboy&co.へ。ショッピングモールサービスにプロデューサーとして携わるかたわら、2007年からモバイル端末向けのTwitterウェブサービス型クライアント『モバツイ』の開発・運営を個人で開始。2010年、想創社(現・マインドスコープ)を設立。2012年4月30日まで代表取締役社長を務める

今のインターネットは残酷なもので、ちょっと前ならアテンションエコノミーに紐づく話や、最近だと評価経済という言葉の元で、ネットで有名な人がより有利な立場になるような言説が目立っています。

フォロワー数がそのまま割引金額になるというキャンペーンは、Twitter黎明期に良く見られた

フォロワー数がそのまま割引金額になるというキャンペーンは、Twitter黎明期に良く見られた

実際に起きている、分かりやすい例で言うと、日本のTwitter黎明期には「フォロワーの人数でお寿司屋さんでの食事が無料になるイベント」などがありました。

最近だと、アメリカではKloutスコアと呼ばれるソーシャルメディアの影響力を計るサイトのスコアによって、商品が割引になるキャンペーンが行われているようです。

それがいわゆる広告のキャンペーンとして、口コミの入り口として影響力のある人に発言してもらいたいという、ある種の「オマケ」ならまだアリでしょう。ただ、「評価経済」で言われているように、たかだかソーシャルメディアと呼ばれている”いくつかのWebサイト”での活動だけで、人生そのものの評価が左右されてはたまったものではありません。

TwitterやFacebookのタイムラインが可視化している通り、しょせんネットは、人生の上澄みの切り取りであって、人生そのものを可視化したものではないハズです。ものすごく乱暴に言うと、そこにあるすべてがネタであり、ポジショントークであるとも言えます。

この現象の問題点は、ソーシャルメディアでの有名人が、このポジショントークで得た立場を、その人そのものの評価ですよ、と一般論化することで、「それ以外の人」=「残りの8割以上の人」が余計なストレスを感じるところにあります。特にネット業界のプレーヤーの人たちは、その空気をモロに受けており、有名にならなきゃいけないという焦りが、過剰にストレスになっている人もいるようです。

深刻なエンジニア不足の声

最近、いろんな人と話をしていて、エンジニアが不足しているという、半分あきらめの声を聞きます。

以前エンジニアtypeでも紹介したソニーの新卒エンジニア採用のように、各社が工夫を凝らしてソフトウエア技術者採用に注力している

以前エンジニアtypeでも紹介したソニーの新卒エンジニア採用のように、各社が工夫を凝らしてソフトウエア技術者採用に注力している

特に東京周辺は深刻で、ソーシャルゲームが好調なことを背景に、特にブログやイベントなどで目立っているスタープレーヤーが軒並み有名企業に持っていかれているという話を聞きます。

また、それまでならソニーやパナソニック、グーグルに就職していたような優秀な学生が、ソーシャルゲームのプラットフォーマーに流れているという状況の中で、特にソーシャルゲーム以外のネットベンチャーが採用に苦労しているという状況です。

ブログやコミュニティーで有名になったエンジニアを採用するというのは、ブランドのある会社がやりやすい「強者の戦略」です。動いているシステムは大きいし、儲かっているので高いお給料も出せるというのが大きなポイントでしょう。

それ以外の会社は、必ずしもその条件に当てはまるとは限りませんが、未来のある優秀なエンジニアを採用して、共に成長したいと思うわけです。

その方法として、一つはインターンによる学生の掘り起こしは定着していると思いますが、それ以外に、いくつかの会社がやり始めたのが地方進出です。特に特定地域に馴染みがある会社の動きは早く、代表的な場所では京都や福岡などにオフィスを構え、地方の人材を獲得しに行くという現象が起きています。

あなたは有名になりたいですか?

突然話が変わりますが、あなたは有名になりたいですか? 有名になると、会社を辞めたってブログを書く前に、次の会社に誰かが誘ってくれそうですよね。

ネットで有名になる方法としては、

①ブログの文章力や魅力で有名になる。
②有名になったWebサービス、アプリの作り手として有名になる。
③大企業、著名企業の経営者、担当者として有名になる。
④炎上して有名になる。
⑤特定のソーシャルメディアでの活動で評価される。
⑥社会的な活動で有名になる。

などが考えられます。

優秀な人であるか、個性的な人であるかのどちらかで有名になるというケースが多いと思うのですが、組織や学校という「一般社会」に属していながら、個性で目立つ人というのは、そもそも、どこか変わってるから目立つというのがあります。

わりと見聞きする中で、「スタープレーヤーが必ずしも組織の一員として優秀であるとは限らない」と言うのを聞きます。特にブログなどでキャラが立ってる人であったり、年齢関係なく職人気質の人は、やっぱりそれはそれで気難しい人が多い印象です。

そういう人であればあるほど、会社の枠にハマるのは大変で、つい転職を繰り返してしまったり、パワーのある人であれば、起業して自分で会社を始めたりします。

「起業家は、サラリーマン不適合者である」という言葉がありまして、そういう人は生き方として「起業せざるを得なかった」という人も少なくありません。

つまり、組織で良い仕事をする人であるという要素と、有名になる要素は一致しないといのがわたしの考え方でして、良い社会人は必ずしも有名にならなくて良いので、あとは適切なタイミングで、素敵な仲間と、どうやって出会うか、が一番大事なのだと思います。

待っていても出会いはない。どうやってお互いが出会うか

就職氷河期と言われますが、特にB2B系の中小企業が人材採用に苦労しているのも事実であり、就職する側も雇う側も、お互い知り合う機会がなくて諦めているというのも多々あるのではないかと思います。

お互い知り合いたいというのであれば、採用する側、される側、双方の努力は不可欠です。ネット業界であれば、企業はイベントやハッカソンを開催したり、各種コミュニティーにスポンサーも含めて参加したりと、地道にやっていくしかないと思っていますから、そういうのに参加して、声をかけてみて、まずはお友だちから始めてみると良いと思います。

もしこういうイベントに参加したり、名刺交換する機会があった時に、「自分は無名だから」と思っていて躊躇しているなら間違いで、少なくとも社長をやっている人は、さまざまな人と出会いたいと思っているハズです。

世の中、どんな会社の人でも、知り合えない人の方が大多数ですので、ぜひ、躊躇せず話し掛けてみてください 。その後、何かの縁で、一緒に仕事をする仲間になればラッキーだし、そうじゃなくても、お互い学び合える友だちになれれば、これほどラッキーなことはありませんしね。