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[連載:理系脳の素-よしたに] 人気マンガ家は「入門編」を愛読し、ウォーターフォール型で二足のわらじを履きこなす

公開

 
エンジニアリングの脳とユニークな視点でものづくりをする理系な人々。そのヒラメキの素となる愛読書やブックマークサイトをノゾキ見するこの連載、第2回は『ぼく、オタリーマン。』でおなじみマンガ家とSEの二足のわらじを履くよしたに氏。本とWebは2つの顔をどうつないでいる!?
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プロフィール
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マンガ家・イラストレーター・システムエンジニア
よしたに氏

1978年生まれ。大学卒業後、SEとして働きながら自身のWebサイト『ダンシング☆カンパニヰ』でエッセイマンガを連載。これが評判となり、2007年に『ぼく、オタリーマン。』として出版、SE生活を描いた内容が同業を中心に共感を呼ぶ。そのほか、『ビジネスジャンプ』で「ぼくの体はツーアウト」、『Tech総研』で「理系の人々」を連載中。公式ブログはこちら

「もともと本好きだったんですけど、最近、全然時間がなくて。部屋の掃除をするのもちょっと後ろめたいくらいなんですよ! あー、描かなきゃって」

SEの日々を綴ったエッセイマンガ『ぼく、オタリーマン。』が爆発的人気となり、先日ついに5巻が発売となった作者のよしたに氏。ご存知の通り、昼間の顔は会社勤めのSEという二足のワラジをはくマンガ家だ。

もともとマンガが大好きで、デビューのきっかけは個人で運営していたWebサイトに掲載していたエッセイマンガ。いわく、「今でもマンガは読むのも描くのも趣味」と言うよしたに氏だが、最近はもっぱら「読む」時間がないのが悩みだそう。

「時間がない中でもマンガを読むのは”勉強になる”と言い訳にして読んでます(笑)。最近好きなのは、よしながふみさんの『きのう何食べた?』。僕、結構料理するんですけど、出てくる料理がおいしそうで、夕飯のヒントにさせてもらったりもします。あと、エッセイマンガもよく読みますよ。枕元においているのは『なぁゲームをやろうじゃないか!!』。短いスパンでストーリーが完結するから、さくっと楽しめるので」

何事も、押さえるべきは「基本の書」だ

マンガを読んで一息つきながら、2足のワラジをうまく履きはきこなしているよしたに氏だが、そもそもマンガを描くのもSEの仕事のストレス発散のためだった。

「仕事でしんどいときに『これはネタにしてやる!』と思って頑張るんです。ただ、あんまりしんどいことって、読む方もしんどすぎるので、結果ネタにならないことが多いんですけど。僕にとっては、SEだけでもマンガだけでも成立しなくて、2つを行ったり来たりしているのがちょうど良い。でも夜眠りたくない時もあるんですよ。寝ちゃうと楽しいマンガの時間が終わっちゃって、起きるとSEに戻らなきゃならないから(笑)」

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愛読する”玉ねぎレシピ”本。本業とマンガ家の仕事で多忙な毎日だが、「料理は気分転換に効果てきめん」だそう

眠るのが惜しい(!?)ほどマンガを描くことを楽しんでいるとはいえ、朝から夜までは会社員として、家に帰るとマンガ家として仕事をするというのは、一日中「オン」の状態。そんな「PCの前に座り続ける生活」の気分転換として一役買っているのが、家事。特に先述の通り、料理が好きで「包丁を研いでいるのも良い気分転換」になるんだそう。

「レシピそのものはWebサイトにたくさんありますが、基本的な知識やハウツーは、知見のある人が書いた入門書が良いですよね。ジャケ買いとか衝動買いはしないタイプで、目的を持って選んで買います。この『いいことずくめの玉ねぎレシピ』は、玉ねぎには血液をサラサラにする効果があると聞いて買いました。水にさらしたり、火を通すより、生の方が効果大らしいです。あとは、神田川俊郎先生の日本料理の入門書も持ってますよ」

入門書が一番役に立つ!というのは、料理本だけでなく技術書でも同じとよしたに氏は言う。いろいろな技術書を読んできた中で、よしたに氏が今でも開くのは、『Java言語で学ぶデザインパターン入門』と『現場で使えるSQL』の2冊だ。

「どんどん移り変わっていくトレンドを追いかけていくにも、当然基礎的なことが分かっていないと意味がないですし、最先端の流行を追いかけていくより普通のことをきちんとやる方が僕の場合は大事なんですよね。多くの人が使っているシステムには事例がたくさんあるので、何かトラブルがあっても解決策がたくさんネットに載っていますし。ただ、普通のことばっかりやっていても面白くないので、スタンダードをしっかり押さえながら、できる範囲で何かチャレンジをしていくというのが僕のやり方なんです」

SEとして長年担当してきたのが業務系システム開発というだけあってか、本選びや物事に取り組む発想はウォーターフォール型。何事もまず目的ありきで、それを達成するためにプロセスを構築していくスタイルは、Webでの情報収集にも表れている。

紙媒体はOFF、デジタル媒体はONの相棒

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日々の情報収集はやはりWebがメイン。RSS登録数はゆうに200を超えるという

よしたに氏にとって「紙」媒体は基本に立ち返るメディアで、どちらかというとOFFの相棒。一方「デジタル」な情報源はONのパートナーだ。最近は、好きなメディアをRSS登録しておき、届けられる情報をまとめ読みするのがスタイルだ。 

「でも、全部見ることにはこだわってません。さすがにそれは無理ですから(笑)。見れる時に見れるものだけ。リーダーは2つ使っていて、ライブドアのリーダーはiPhoneでちょっとした移動時間とかに見るものを入れてます。興味のある技術系の人のブログとか、好きな作家さんのブログとかですね。一方で、『ITmedia』などのニュースメディアや、SEとして仕事で使いそうな情報源はgoogleリーダーに登録しています」

繁忙期で見ることができず、情報がたまってしまったら、思い切って全部消してしまうという。これも、限られた時間の中で膨大な情報と上手く付き合うコツかもしれない。

最後に、そろそろマンガ一本にしてもよいのでは?と聞いてみた。すると、「いや、夢を深追いすると、引き返すのが大変ですから」と苦笑して否定するも、今時間があったらしたいことは「マンガ描きを効率化するためのツール作り」とのこと。開発とマンガ描きの”二重生活”は、まだまだ終わらなそうだ。

取材・文/川瀬 佐千子  撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)

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【理系脳】蔵書.JPG

『なぁゲームをやろうじゃないか!!』

(桜 玉吉著/講談社/※amazon.co.jpにて中古品のみ購入可) 

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『うわの空チュートリアル』

(みずしな孝之著/竹書房/税込680円)

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『きのう何食べた?』

(よしなが ふみ著/講談社/税込590円

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『いいことずくめの玉ねぎレシピ』

(角川SSCムック編/角川・エス・エス・コミュニケーションズ/税込980円)

 

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『Java言語で学ぶデザインパターン入門』

(結城 浩著/ソフトバンククリエイティブ/※amazon.co.jpにて中古品のみ購入可)

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『現場で使えるSQL』

(小野哲・藤本亮 共著/翔泳社/税込2310円)

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エンジニアのための『仕事・職場・転職』応援サイト 『Tech総研』
http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s01100.jsp

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無線通信とにゃんこのサイト 『無線にゃん』

http://wnyan.jp/

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Keijiro Takahashiブログ 『Radium Software』

http://www.radiumsoftware.com/