エンジニアtype - エンジニアのシゴト人生を考えるWebマガジン

連載を始める前に~プロローグ from AR三兄弟・川田十夢

公開

 
AR三兄弟の微分積分、いい気分。

AR三兄弟・長男 川田十夢(@cmrr_xxx

公私ともに長男。日経BP社より、『AR三兄弟の企画書』絶賛発売中。TVBros.で「魚にチクビはあるのだろうか?」を隔号で、ワラパッパで「シンガーソング・タグクラウド」を、好評連載中。WIREDとかBRUTUSでも隔号で何かしら書いています。ザリガニワークスと作った透視眼鏡が発売中です。オフィシャルブログはこちら

はじめまして、川田十夢(@cmrr_xxx)です。公私ともに長男ということで、やらせてもらっています。よく天才だと称されます。自分でも天才だと思っているので、本当にそうなのだと思います。

以前、『Google Glass』について独自の論を展開してくれたAR三兄弟。その長男・川田十夢氏(写真左)の新連載が、今月より始まる

名前のせいでしょうか、ちょっと偏った価値観を持ってます。その価値観から、わりと特別な経験を積んでいます。だから、就職活動の苦しみだとか、孤独だとか、転職の悩みだとか、そういうものが欠落しています。

皆さんが当然感じてきた痛みを、感じてない恐れがあります。そんな人間が、仕事について書いたところで、何が伝わるのだろうか。エンジニアtypeさんからの連載オファーをもらった時、断ることを考えました。でも、思い留まりました。

それは次のFacebookへの投稿が契機でした。

“僕は就職活動したことないです。就職活動に勤しむ同級生に対して「俺は才能があるから、会社の方から面接にやってくるんだ。お前らは才能がないから、誰かが用意したレールに乗らないと生きてゆけない。それを自覚して、がんばれ」って、偉そうな口を叩いた挙げ句、うっかり単位計算ミスで卒業できず。就職していった連中は大爆笑でした。で、留年中に、本当に会社の方から才能を見込んでやってきてくれて。メーカーの取締役が僕を口説きにやってきてくれて、在学中から就職という異例のケースとなりました。4人までなら雇っていいし、300万以内なら設備揃えるし、最初からプロジェクトリーダー。露骨な特別扱い。

だから、菊池良みたいなやり方には、あんまり違和感ないです。確かに、こういうやり方して入社したあとの会社内の反発は、免れないです。僕も、多くの先輩から、嫉妬されました。最初は「特別な仕事をしているんだから、特別な扱いをされるのは当たり前ですよ。あなたたちもがんばってください」みたいな、本当にいやな奴でした。でも、メーカーの中でキャリアを重ねるうちに、寡黙な技術者の中にも輝くものは沢山あって、でもその多くは寡黙さのせいで世の中に出ないままになってしまって、そういうものこそしっかりデザインし直して世の中に出してゆきたいと気持ちがシフトしてからは、以前の高飛車な態度は消え失せました。

僕は今36才で、これから社会に出る人と比べると、うっかり経験もある。若い人が何かやらかす度に、思うこともある。でも、彼らがこれから時間を掛けて経験してゆくこと学んでゆくことの粋を、ベストアルバムみたいに簡単に伝えてはいけないという自覚もある。”

2月5日にFacebookへ投稿したPOSTからの引用なのですが、今まで投稿してきたどんなおもしろPOSTよりも、うっかり反響がありました。意外でした。

いびつな価値観を持った人間の話でも、自分が用いてきた物差しや考え方をしっかり著せば、各々にとっての必要を読み取ってくれる。皆が悩みそうなことで悩んだふりなんて、しなくていい。

僕は僕で、日々切実な問題と向き合っている。欠落したものを何かで埋めようと、葛藤している。解決させている。それを一言一句、嘘をつくことなく著すことができれば、何かしら伝わることがあるかもしれない。

というわけで、新連載が始まります。タイトルは、「AR三兄弟の微分積分、いい気分。」、よろしーく。