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[連載:R30進化図鑑②]-サーバエンジニア編-

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年齢30歳。どんな経験・スキルが加われば、今の自分から”進化”することができるのか? 毎回特定の職種を取り上げ、そこから進化できる職種を難易度順に、「レア種」、「珍種」、「よくある種」に分けて紹介する連載コーナー。自分も知らなかった将来の可能性を見つけよう

サーバエンジニアとは?

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【生態】
「ネットには興味あるけどプログラミングはちょっと面倒……」。そんな彼らが出会った仕事。それが、年中無休で稼働しているWebサービスを、止めないために活躍するサーバエンジニアだ。

Webサーバ、メールサーバ、データベースサーバ…。サーバと一口に言っても、役割に応じて扱うサーバはさまざま。しかし、構築に取り掛かればどれも同じだ。「こんなサーバにしたい」、「スケールアップするためにSMPのプロセッサ自体を高性能にしちゃおう」と、夢中でシステムの改善に取り組んでいる自分がいる。

一度やりだすと止まらない性格も手伝って、プロジェクトがクライマックスを迎えるころには、業務系アプリエンジニアと同様深夜まで仕事がおよぶ。良いシステムを構築するためにも、残業は避けて通れない。

好きなものは何か?と問われれば、「サーバだ!」と鼻息荒く答えてしまうほど、サーバを愛してやまない。手塩にかければかけるほど応えてくれるサーバがカワユスなあまり、自分仕様のサーバ(ノラサーバ、野良鯖)を作っちゃったりすることも。

これまではITの急発展を陰ながら支えてきた重要ポジションだったが、最近は「クラウド化」という言葉に敏感に反応してしまいがち。とにかく今は、自分の手掛けたサーバがダウンしないことだけを祈りながら、目の前のネットワークをつなげるためにもPingコマンドを打ち込むことに専念しよう。

【習性】

■縁の下の力持ちタイプ

■没頭し出したら止まらない職人気質

■ゼロかイチかのギリギリの攻防にシビれる勝負師

■几帳面

【不安・悩み】

■ネットワークのクラウド化

■不透明なキャリアパス

【好きなモノ・コト】

■自分仕様のサーバを作ること

■障害が起きない平和な日々

■複雑なサーバをシンプルにすること

【嫌いなモノ・コト】

■突然のサーバ不具合

■残業続きの毎日

■クラウドコンピューティング

なれる人はほんの一握り-「レア種」ベンチャーCTO

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進化難易度★★★★★
採用ニーズ度★★

[サーバエンジニア]+[リスク管理・コスト管理力]=[ベンチャーCTO]
【トラフィックが集中しても落ちないサーバ】を目指し、日夜ネットワークシステムの改善に取り組む最高技術責任者。一企業の技術責任者として、経営の観点から技術を判断しているベンチャーCTOである。

どのWeb企業も喉から手が出るほど必要とするも、なかなか優秀な技術者に出会えない。まさしく、「レア種」となっている。

そんな役割と仰々しい名前によって、異常にハードルが高く感じてしまうかもしれない。しかし、CTOとして持っておくべきスキルは、突き詰めると「リスク管理・コスト管理力」という経営的視点になる。

どれほどのアクセスが集中すればサーバがダウンしてしまうかなど、あらゆる可能性を考えてネットワークシステムを設計するリスク管理力。そして、そのネットワークシステムをいかに安く運用できるのかを考えるコスト管理力が兼ね備わってこそ、CTOとして輝けるのだ。

自分の技術を活かして企業に大きなインパクトを与えたいと考える人にとっては、かなり狙い目である。

実は狙い目。なるなら早く!-「珍種」社内SE

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進化難易度★★★
採用ニーズ度★★★

[サーバエンジニア]+[ネットワーク全体への好奇心]=[社内SE]

この仕事は「レア種」のCTOと同様に、自社サービスに必要なスケーラビリティを考え、ネットワーク製品を選定していくところから始まる。

CTOと大きく違う点は、経営視点を持たないことと、サーバの選定から設計・構築・運用までを、すべて自分でやってしまうところにある。技術知識もさることながら、すべての工程を一人でやってのけるその姿は、まさに一匹狼=「珍種」。

「上司の指示に従うだけの働き方に嫌気が差して、もっと自分のやりたいように働きたい」、「設計や構築だけじゃなくて、サーバの選定から運用まで全体を通してやってみたい」といった性格が多く、新しい技術を学ぶ意欲も半端ではない。今ごろ、クラウドコンピューティングなどの新しい知識も、取り入れたくてウズウズしているはずだ。

自分でノラサーバを作ってしまうような人には、ぜひお勧めしたい。

今やキャリアチェンジの鉄板-「よくある種」ネットワークエンジニア

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進化難易度★★
採用ニーズ度★★★★★

[サーバエンジニア]+[提案力・顧客折衝力]=[ネットワークエンジニア]

多くの企業で最もニーズが高いのが、ネットワークエンジニア。この分野は一つ一つのプロジェクトが巨大な上、急速にインターネットが普及したことにより、長年にわたって人材不足が叫ばれてきたのだ。

仕事内容は、クライアントに向けて最適なネットワークシステムの提案を行うこと。いわゆる上流工程と呼ばれるポジションのため、提案力や顧客折衝といったコミュニケーション力が問われる。サーバの課題を深く理解した上で課題解決のためのベストな仕組み、すなわち”利益を生み出すためのインフラ・ネットワーク”の構築運用を経営陣に対して提案していく役割が、クラウド化が進むにつれて今後さらに求められるはずだ。

ネットワークエンジニアを目指す人は、まずはLANやOS、ネットワークプロトコルといった、ネットワークに関する基礎スキルを固めることが大切。

ネットワークのクラウド化が進み、サーバエンジニアとしてのキャリアが先細りするのではないかと不安に思う人は少なくない。しかし、今回紹介したように、クラウド化が進むからこそ必要とされるポジションも少しずつ見られるようになってきた。

近年見られるソフトウエア業界の変革の後を追うように、インフラ周りも確実に転換期を迎える今。この波に乗り遅れないためにも、シスコ資格(CCNA、CCNP、CCIE)やネットワーク技術者関連の資格を取得するなどして、ライバルに差をつけられる何かを身につけておきたいものだ。

取材・文/小禄卓也