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だから私は常駐SEからフリーランスエンジニアになった~現代的ジョブマッチングの光と影

タグ : SE, スマキャリ, テンダ, フリーランス, マッチング, 藤井無限 公開

 

エンジニアとしてキャリアをスタートし、いくつかのプロジェクトを通して知識やスキルが高まってくると、選択肢として出てくるのが独立や起業だ。

景気がやや上向いてきたことで、独立・起業がしやすい環境が整いつつある昨今、より良い働き方を求めてフリーランスへの転身や起業家を目指して具体的な行動を起こすエンジニアも多い。

しかし、いきなりの独立や開業はハードルが高く、なかなか踏み切れないでいる人も多いだろう。独立・開業に至った先人たちは何がきっかけでフリーランスへと転身したのか。

今回、2014年6月にフリーランスエンジニアへの転身を実現した藤井無限氏に話を聞き、独立を志した理由や不安を拭い去る方法などについて語ってもらった。

独立のきっかけは働き方への疑問

常駐SEとしての勤務からフリーランスに転身した藤井無限氏。はたしてその理由とは

常駐SEとしての勤務からフリーランスエンジニアに転身した藤井無限氏。はたしてその理由とは

大学院修了後、新卒で大手SIerに入社した藤井氏。1年を経ずに大手に対する疑問とベンチャービジネスへの憧れから、創業間もないベンチャー企業への転職を果たす。不動産関連のASP開発などを手掛けた後、ふたたび中堅SIerへ移ったことが自らのキャリアを伸ばす機会になったと話す。

「そこから楽天へ常駐して大規模データベースの運用や管理を行うことになったんですが、結果的にはここで働いたことが今までのキャリアの中で年数も長く、専門的な知識やスキルをしっかり磨き、常駐してもやっていけるという自信を付ける良い機会になりました」(藤井氏)

楽天への常駐で、ある程度充実した日々を送っていたという藤井氏。しかし、勤務しているうちに自身の働き方についてある疑問が湧いてきたのだという。

「結局、組織に属するエンジニアのままでいると、自分の働き方も“案件次第”になってしまいます。楽天での案件はエンジニアとして自信が付くもので、仕事にもやりがいを感じていました。ただ、もっと自分に合った働き方ができないか、このまま与えられた仕事をこなす日々を続けて行っていいのかという疑問が頭をよぎるようになったんです」(藤井氏)

頭に浮かんだ疑問の答えを導くため、藤井氏は “自分に合った働き方”の条件を整理した。それが以下の3つだ。

【1】 実家のある福岡で働きたい
【2】 より時間に自由な働き方をしたい
【3】 会社設立し事業を起こすスキルを身につけたい

「理想はすべてを満たすことですが、そんな会社はないのは分かっていました。どれか1つでもかなえたいと2~3年は努力して試行錯誤しましたが、現実はなかなか厳しかったです」(藤井氏)

まず福岡で暮らすことについては、そもそも藤井氏の知識やスキルを活かせる案件そのものが福岡には少ないという。そこで、まずは【2】の時間に自由な働き方を実現しつつ、いずれは【3】の起業や創業を目指す準備のためにもフリーランスのエンジニアになることを決断した。

「ただ周到に準備して退職したわけではなく、将来への不安と金銭的に厳しい中で少しでも早く案件を決めなくてはいけない状況でした」(藤井氏)

藤井氏がフリーランスとしての活動を始めたのが今年6月中旬。現在の案件にアサインされたのは7月中旬。わずか1か月のブランクを経てフリーランスへの転身を果たしたわけだが、1日も早く実現したいという“焦り”をかなり感じていたと振り返る。

それは、会社勤めとフリーランスとでは、収入が“前払い”か“後払い”かという大きな違いからだ。

「案件の紹介やマッチングサービスを提供しているフリーランス支援サービスには片っ端から登録しました。というのも、予定していなかった時期に退職してしまったので、長引くと生活にも影響が出かねない状況だったからです」(藤井氏)

エンジニア人生を阻害する、案件との機械的マッチング

フリーランスへの転身活動で、常駐SEの時には見えなかったIT業界を取り巻く「影」の部分を体験した藤井氏

フリーランスへの転身活動で、常駐SEの時には見えなかったIT業界を取り巻く「影」の部分を体験した藤井氏

フリーランスへの転身活動を通して、藤井氏はあらためてエンジニアが理想を実現することの難しさを実感したという。

「最近流行っているクラウドソーシングも検討しましたが、発注側に業界やエンジニアに対する知識や理解がなく、ただ対価だけを払って業務を請け負ってもらうという印象が強かったです。それからいくつかのフリーランス支援サービスも、『本当にエンジニアの立場になっているのか?』と思わざるを得ないところがありました」(藤井氏)

藤井氏がこう指摘するのは、複数のフリーランス支援サービスではエンジニアの業務経験やスキルのみを重視して、レジュメに名前などの個人情報すら記載を求められないことがあったから。また、“質より量”とばかりに無数の案件や企業への応募を勧めてくるところもあったという。

「確かに1日も早く仕事をしたかったわけですけれども、次々に面接へ行ってミスマッチだったりするとこちらも徒労を感じるわけです。体力という意味でもそうですが、お金という意味でも」(藤井氏)

最終的に藤井氏が選択したのは『スマキャリ(Smart-Career)』というサービスだった。『スマキャリ』は今年3月にサービスを開始したIT/Webエンジニアのマッチングサイト。Webコンテンツの企画・制作、モバイル向けの受託開発などを手掛けているテンダが、昨年12月下旬よりエンジニアの事前登録を開始していた新規事業だ。

数あるサービスの中で、藤井氏が『スマキャリ』を通して納得できる案件に出会えたのは、対応が迅速かつ丁寧で、自身が望む条件についても最大限の考慮をしてくれたからだと話す。

「私の経験やスキルはもちろん、どんな案件や条件を望んでいるのかを何度かやりとりしながら聞いてくれました。その上でむやみに紹介してくるのではなくて、きちんと自分に合った案件を選んで勧めてくれたので信頼して応募することができました。あまり多く提案されても、今度は最後に断るとき、信用を失うのではと不安になってきます。フリーランスは信用商売ですから」(藤井氏)

こうしたエンジニアの側に立ったサービスの提供姿勢について、広報/Web担当の恩地氏に聞いてみた。

「当社はIT業界で過去20年の歴史があります。エンジニアが何を感じていて、何を目指しているのか、というのを知り尽くした上で、より良い案件を提供したいという姿勢を持っていることは間違いないです。また、当社の取引先や協力会社に協力してもらってエンジニアを対象にしたアンケートを実施して、その結果を活かすなどの取り組みもしています」(恩地氏)

『スマキャリ』に登録すると、「コンシェルジュ」という担当者が専任について転職・転身を実現するまでを徹底サポートする。

『スマキャリ』のサイトは「コンシェルジュ」の顔が見えるつくりになっている

『スマキャリ』のサイトは「コンシェルジュ」の顔が見えるつくりになっている

「登録された情報にしたがってただ機械的に案件を紹介する他のサービスとは違い、登録から案件が決まるまで、私の場合は必ず週に一回、『スマキャリ』のコンシェルジュの方とミーティングを行っていました。お互いが蜜にコミュニケーションを取ることで、私が望む条件の案件を厳選して紹介できるのだと思います」(藤井氏)

藤井氏によると、同様のサービスの中には、Webからエントリーした後、メールに「期日までに連絡がない場合、この案件は紹介しない」という旨を記載し、その後連絡がないものもあったという。

さまざまな分野・業種に加えて、エンジニア個々の知識やスキルもさまざま。幅広い内容の業務を紹介できる案件数の多さも大きな強みであるが、案件を紹介した後のフォローアップしていく体制も、ユーザー側からは求められている。

フリーランス支援サービスは血が通っていればこそ

藤井氏は今、ある不動産会社の基幹システムをリプレースする大型プロジェクトに携わっている。かつて経験した業界であり、自身の経験やスキルを活かして取り組めると高い満足度を感じてもいる。

退職して以降、藤井氏はフリーランス支援サービスへの登録を通して、エンジニアを取り巻く環境の厳しさを改めて感じているという。

難易度とスキルの兼ね合いやスケジュールが合致するかが重視され、適性や相性を考慮しないフリーランス支援サービスが存在することを、身をもって体験したからだ。

一定の知識やスキルが身についたと実感できれば、次の一歩へ向けてさらなるキャリアアップを目指したいと考えるのはエンジニアに限らず、すべてのビジネスパーソンに共通する意欲であり、熱意だ。そんな“次を目指す”人材に寄りそったフリーランス支援サービスの存在は、藤井氏のように考えるエンジニアのキャリア形成に一役買うことだろう。

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取材・文/浦野孝嗣 撮影/赤松洋太