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Synclogueが考えるWindowsアプリケーションの課題と解決策(前編)

公開

 
グローバルスタートアップに学ぶ、世界に通用する仕事術
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Synclogue International, Inc. 広報担当(@Synclogue

Windowsアプリの同期ソフトウエア『Synclogue(シンクローグ)』をはじめ、新しいSyncの仕組みを提供するテクノロジー企業、Synclogue International Inc.の広報担当です。『Synclogue』を世界中で利用されるサービスに育てることがミッション。月に1度は米国と日本を行き来しています。世界トップレベルの技術力を持つエンジニアに囲まれながら奮闘する文系男子

こんにちは。Synclogue International, Inc(シンクローグインターナショナル)の広報担当です。

これまで、「グローバルスタートアップに学ぶ、世界に通用する仕事術」ということで、「最初から『世界標準』を開発する3つの鉄則」、「ゴールの見えないタスクとの向き合い方」、「特許戦略」について書いてきました。

今回は、「Windows アプリケーションの課題と解決策」というテーマに沿って、今後Windows アプリケーションの開発者が直面する課題と、その解決策についてお話ししていきたいと思います。

Windows PCをお使いの方で、アプリケーションが1つのIDで管理できずに困ったことはありませんか? わたしの周りでも、PCが壊れたり、新しく買い換えた際、1つずつインストーラーをダウンロードしたり、引き出しからDVDを引っ張り出して必要なアプリケーションをインストールしないといけなく困っている方をよく目にします。

ここでは前・後編にわたって、われわれが考えるWindowsのアプリケーションの課題とその解決策について書いていきます。まったく関心のない方でも、現代のアプリケーションのトレンドがつかめるようにまとめましたので、是非参考にしてみてください。

アプリはもう「マルチデバイス利用」が常識に

アプリのマルチデバイス化が進むターニングポイントになったのが、App Storeの誕生

一昔前、PCが少しずつ普及してきたころは、マインスイーパー、ソリティアなどがプリインストールされていて、それ以外のアプリケーションは、購入したディスクからインストールして使っていました。

インターネットが普及してくると、ブラウザやテキストエディタ、お絵かきソフトのようなフリーソフトを探して、インストールすることができるようになりました。Webでの決済システムができてからは、Photoshopのような有料のアプリケーションをインターネット経由で購入・ダウンロードしてインストールすることができるようになっています。

しかし、ディスクいらずでアプリケーションをインストールできるようになったとはいえ、ひとたびパソコン本体が故障してしまうと、今まで使っていたアプリケーションをインストールし直すために1つずつディスクを探して来たり、Webページをたどらなければならず、PCを買い替えるのはとても大変なことだったのではないでしょうか。

時代は進み、近年ではGoogleがGmailなどのGoogle Appsを開発し、どのPCからでもメールやドキュメントの管理ができるようになりました。このような、一般に「Web App」と呼ばれるブラウザで使うアプリケーションは、ネットワークに接続されていることが必須になります。

また、AppleはiPhone 3Gの発売と同時に、さまざまなアプリケーションをダウンロードすることができるApp Storeもリリースしました。

App StoreではダウンロードしたアプリケーションがIDに紐づいているため、iPhoneを新しくした際でも、Storeには自分の購入履歴が残ります。そのため、必要なアプリケーションをいちいち探す必要はなくなり、購入履歴からもう一度ダウンロードすることが可能になりました。

つまりバックアップを取っておかなくても、アプリケーションそのものを使用することができるようになったのです。

そしてこのApp Storeの仕組みは、ユーザーだけでなく開発者も巻き込み、誰でもアプリケーションを開発・販売することができるという特徴から、アプリケーションの数も増えていき、1つの場所で管理されているためアプリケーションはApp Storeだけで完結するようになりました。

この仕組みはAndroidのアプリストアであるGoogle Playでも採用され、MacでもMac App Storeが利用できるようになりました。これによって、スマートフォンやPCを買い替えても1つのアカウントで同じアプリケーションが管理できるようになりました。

このように、今のアプリケーションは1つのIDでライセンスを管理できるようになってきています。ユーザーがPCを買い換えても、アプリケーションのライセンスは自分のIDに紐付いているため、何を購入して、何をダウンロードしたのかがすぐに分かり、アプリストアから再インストールをするだけで、同じ環境を再構築することができるのです。

また、開発者にとっても、アプリストアですべてのアプリケーションを管理することができるため、配布先を意識することなくアプリケーションをユーザーに提供・販売することが可能になったのです。

Windowsアプリがマルチデバイス化できない特殊な事情

WIndows 8の登場を前後して、WIndowsも「Windows Store」を公開したが……

しかし、Windowsでは、いまだ開発者はアプリケーションを作成してもストアのように販売できる場所がないため、開発者個々人が自由にライセンスを決定していて、さまざまなサイトにアプリケーションが散らばっている状態です。

iPhoneやMacのアプリケーション開発者がアプリケーションをストアで販売して、ユーザー数を伸ばし、収益を上げているのに、Windowsではそれが実現できていないのです。

こういった事情から、優秀なWindowsの開発者は日本国内にもたくさんいるにもかかわらず、効率的に販売することができず、またアプリケーションを見つけられないためにユーザーが増えないのが現状です。

収益化するのが困難となると、趣味程度で開発するしかなくなってしまいます。また、ライセンスがアプリケーションごと異なるため、ユーザーは逐一ライセンス契約を確認しなければならないという不便さがあります。

Windows 8にはWindows Storeがありますが、Windows Storeが扱う「Windows Storeアプリ」は、今まで多くの方になじみのあるデスクトップから起動するアプリケーションではなく、スタート画面のタイル状の画面から起動するアプリケーションです。

また、Windows Storeアプリは現時点ではWindows 8 でしか利用できず、デザインもタイル風のデザインが求められるなどの制約があります。今まで開発者の方々が開発してきた、Windowsネイティブのアプリケーションはどうなるのでしょうか?

今まで多くの人が利用してきた、便利なアプリケーションはネイティブアプリが多く、結局ユーザーは検索してアプリケーション開発者のサイトを探し出してインストールしているのではないでしょうか? そして、PCを買い換えた際、そのリンクをもう一度探すハメになってしまったりするのではないでしょうか?

圧倒的なOSシェア率だからこそ難しい互換性の維持

それでは、なぜMacやiPhone、Androidでできていることが、Windowsではできないのでしょうか? それは、OSごとの互換性が1つの大きな原因です。

Macの場合、OSの進化に合わせて互換性を捨てているため、古いアプリケーションは新しいOSで動かないということがあります。そのため、Mac App Storeというアプリストア経由での購入やアップデートができるように仕組みを整えているのです。

Androidの場合は、最初からアプリストアが提供されており、開発者がアプリケーションを販売できる環境とライセンスの仕組みを整えています。

一方でWindowsの場合は、法人利用者も多く、個人利用者を含めて圧倒的なOSシェア率を保持しているため、今まで使っていたアプリケーションは動きません。「今後はWindows Storeからアプリケーションを買って下さいね」という方針を取ることが難しく、互換性を担保した代償として各アプリケーションの開発者が各々にアプリを販売したり、ライセンス管理をするという状況が生じているのです。

Synclogueは、このような問題を解決しようと考えています。どのように解決しようとしているのかは後編にて書きたいと思います。

>> 後編に続く