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「共に創る」がテーマのチームラボ『未来の遊園地』に子連れで取材に行ったら、2歳の娘に友だちができた

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チームラボ 学ぶ!未来の遊園地

以前、ウエアラブルおもちゃ『Moff』の開発者、高萩昭範氏に取材した際に、子を持つ親として非常に共感した言葉がある。

「今の子どもの遊びって、ちょっと気持ち悪いんですよ(笑)。外へ出かけても、ゲーム機やスマホの画面を見て操作しているだけ」

事実、2012年に文部科学省が発表した『幼児期運動指針』(2007~2009年に行われた調査)では、幼児期に体を動かす機会の減少傾向が見られたと発表している。また同指針で、幼児期における体を動かす遊びは「健康的な体の育成」、「意欲的な心の育成」、「社会適応力の発達」などの効果が期待できると各地方自治体らに向けて示している。

そんな子どもたちを取り巻く現状を、テクノロジーを通じた「遊び」で打破しようとしている企業がある。ウルトラテクノロジスト集団チームラボだ。

代表・猪子寿之氏のテレビ出演や海外の芸術祭への出品で、その名が一般にも浸透してきた感のある彼らだが、今回の取り組みの狙いは「共創」だ。

同社によると、共創とは「『共同で、創造していく』という意味。今回は、その回答の1つとして、子ども達向けに、最新のデジタルテクノロジーを使い、同じ空間で、自由に体を動かしながら、互いに影響を与えながら、楽しみながら共同的で創造的な体験をしていく」ことだという。

同社がイオンモール幕張新都心で4月19日(土)から5月11日(日)まで開催している『未来の遊園地』でその『共創』が体験できるということで、わが家の2歳になる娘を連れて取材に行ってきた。

遊びがコミュニケーションの訓練に

イオンモール幕張新都心で開催中の『チームラボ 学ぶ!未来の遊園地』で体験できるのは、『お絵かき水族館』と、

イオンモール幕張新都心で開催中の『チームラボ 学ぶ!未来の遊園地』で体験できるのは、『お絵かき水族館』と、

『光のボールでオーケストラ』だ

『光のボールでオーケストラ』の2つだ

最初に体験したのは『お絵かき水族館 』。入り口で魚の輪郭が描かれた紙をもらう

最初に体験したのは『お絵かき水族館 』。入り口でサメやクラゲ、クマノミなど、9種類の海の生き物の輪郭が描かれた紙をもらう

着席したらあとはクレヨンで塗るべし、塗るべし

着席したらあとはクレヨンで塗るべし、塗るべし

母親の力も借りて完成

母親の力も借りて完成。濃い色で塗るのがポイントとのこと

塗り終わったら係のお姉さんに渡してスキャン。

塗り終わったら係のお姉さんに渡してスキャン。すると……

水槽の上部から娘が塗った魚が「ぽちゃん」。それを見つけた娘は大興奮

水槽の上部から娘が塗った魚が「ぽちゃん」。それを見つけた娘は大興奮。それぞれの生き物に合わせた動きも再現されている

ちなみに、えさ袋(画像中央の黄色いもの)に触れると、えさが撒かれて魚が寄ってきたり、壁を叩くと魚が逃げるというギミックも盛り込まれている

ちなみに、えさ袋(画像中央の黄色いもの)に触れると魚が寄ってきたり、壁を叩くと魚が逃げるというギミックも盛り込まれている

続いては体験したのは『光のボールでオーケストラ』。ボールの中には加速度センサーと無線機器が内蔵されており、転がしたり、叩いたりすることで色・音量が変わる仕組み。

続いて体験したのは『光のボールでオーケストラ』。大小さまざまなボールの中には、加速度センサと発信機が内蔵されており、転がしたり、叩いたりすることでボールの色が変化する

同時に複数のボールを転がすと楽器同士の音が重なっていき、オーケストラのようににぎやかな音色に。光と音の変化で子どもたちは大はしゃぎ

転がしたり、叩いたりすればするほど、楽器同士の音が重なっていき、オーケストラのようににぎやかな音色に。光と音の盛り上がりによって、子どもたちの興奮はMAXに

しかし、大きなボールが怖いのか、母親の手を離さない娘

しかし、大きなボールが怖いのか、般若のような形相で母親の手を離さない娘

娘が怯えていると、ボールに慣れた女の子が娘に遊び方をレクチャー。こ、これが、『共創』なのか・・・

娘が怯えていると、少し年上の女の子が娘に遊び方をレクチャーしてくれた。こ、これが「共創」なのか……!?

しばらくお姉さんと遊んだおかげでボールを克服できたらしく、1人でもハイテンションで遊べるように

お姉さんと遊んだおかげでボールを克服したらしく、最後にはその日初めて会った子どもたちともハイテンションで遊べるように

未来を作るのは、チームでモノを生み出せる子どもたち

チームラボといえば、代表の猪子氏が過去の弊誌インタビュー「僕は人として欠落しちゃってたから、『チームラボ』って社名を付けたの。支えてくれている人たちがいなくなったら、2秒後に潰れますよ」と答えているくらい、チームでの成果を重視している。

「今までの日本の教育では個人の総合的な能力を伸ばすことに集中し、個人テストで評価されてきました。ただ、これからの時代は、クリエイティブでかつ、チームで共に創造できるような人間が、もっとも活躍できるのではないかと考えています。そんな子どもたちを育てるために、共同で創造していく『共創』をテーマにしています」(未来の遊園地の担当者)

その「共創」の媒介として、デジタルテクノロジーを用いているのにも理由があるとのこと。

「鑑賞者が移動したり触ったり、何か動作をしたら、映像や音によるフィードバックがある。鑑賞するだけでなく、その場にいる一人ひとりの動きを含めて空間がつくられていきます。こうした空間を作るためには、デジタルテクノロジーの技術は欠かせません。そして、海外に発信することを考えた時、言葉によらず感覚で訴えかけられることは非常に大きな役割を果たします。例えば『お絵かき水族館』は今年のミラノサローネ2014に出展したのですが、大人から子どもまで国籍問わず多くの方に楽しんでもらうことができました」(担当者)

今後、この『未来の遊園地』はプログラムを変えつつ、全国で展開される。将来、チームラボが日本中に撒いた、未来の「ウルトラテクノロジスト」の種が花開く日が楽しみでならない。

【動画で見たい方はこちら】
Sketch Aquarium / お絵かき水族館

Light Ball Orchestra / 光のボールでオーケストラ

取材・文・撮影/編集部