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LINE森川亮氏などが参画。『筑波クリエイティブ・キャンプ』が目指す、つくばのシリコンバレー化

公開

 
筑波クリエイティブ・キャンプ

『筑波クリエイティブ・キャンプ』発表記者会見登壇者(名前は下に記載)

【記者会見登壇者】
(※記事上写真、左から順に)
・LINE株式会社 代表取締役社長/『筑波みらいの会』理事 森川亮氏
・筑波大学学長 永田恭介氏
・インテル株式会社 前・代表取締役社長 吉田和正氏

2002年度から、当時の政権下で推し進められた「大学発ベンチャー1000 社計画」の影響で、2008年度末時点で1809社を数える大学発ベンチャー企業

アベノミクスのいわゆる“第三の矢”の「科学技術イノベーション総合戦略」に大学の機能強化や大学発ベンチャー企業の活性化が盛り込まれたことや、2013年度の帝国データバンクの調査で過半数が黒字経営であることが分かったことなどから、大学発ベンチャー企業はさらに増え続けていくと考えられる。

そんな中、2014年5月15日、筑波大学東京キャンパスで行われた記者会見で、産学連携の新しい取り組み『筑波クリエイティブ・キャンプ』が発表された。

『筑波クリエイティブ・キャンプ』とは、

1、実践的なアントレプレナー教育の推進
2、筑波大学在学生と卒業生との連携強化
3、新しい産学連携の取り組みの社会への発信

の3つを目的とし、筑波大学を毎年多くの起業家を輩出する“日本のシリコンバレー”とするべく、筑波大出身の経営者の会である『筑波みらいの会』とともに、モノやサービスを生み出す学生を育てようというサマーセミナーである。

2014年7月18~20日の3日間にわたって開催される第1回目は、LINE代表取締役社長の森川亮氏やサイバーダインCEOの山海嘉之氏、タリーズコーヒージャパン創設者の松田公太氏など、筑波大学出身の経営者がメンター役を務める。

3日間のプログラムで、学生はOBの企業家たちのアドバイスを受けながら、起業プランを立案する。

この記者会見の中で、森川氏は「つくばをエコシステムにする」と話した。いったいどのようにして実現するのか、また、どのようなエコシステムなのか、会見の内容を紹介する。

『筑波クリエイティブ・キャンプ』→起業→雇用→財源確保

「筑波だけで経済を循環させる仕組み作りを目指したい」と話す森川氏

「筑波だけで経済を循環させる仕組み作りを目指したい」と話す森川氏

森川氏は「つくばをエコシステムにする」という言葉の意味として、次のように話した。

「『筑波クリエイティブ・キャンプ』は筑波大学の学生の企業を支援するプログラムです。筑波に企業が増えれば当然、雇用も創出されるでしょう。仕事が増えれば当然、財源も潤沢になる。このように筑波を1つのエコシステムとして完成させたいです」

筑波大学の学長である永田氏は、同大学が地域で担う役割においてこう語る。

「筑波大学は数年前まで、大学発ベンチャー輩出のトップ大学でした。しかし、今はそうではない。研究学園都市であるように、筑波大学の“売り”は何といっても工学系や情報系の分野に強いこと。これを活かして筑波大学はベンチャー輩出数1位にならなくてはならない」

つくば市の周辺地域には大企業も多く、筑波大学という研究機関を持つ大学もあることからシリコンバレーと環境的には似ている。そんな地理的な要因からも「“日本のシリコンバレー”を目指す」という言葉が出てくるようだ。

「3年後にはシリコンバレーを超えるかもしれない」

大学は教育・研究機関だけでなくベンチャーキャピタルとしての価値も求められる

大学は教育・研究機関だけでなくベンチャーキャピタルとしての価値も求められる

大学が大学発ベンチャーの起業を支援する理由はほかにもあると、永田氏は話す。

「将来的には大学は採算的に独立しなくてはならない時代が来ます。そのためには大学自身が収入を得られるよう、投資を行わなければなりません。そのために優良な投資先を育てる役割もあります」

今回の『筑波クリエイティブ・キャンプ』でも最優秀賞の学生には、起業にあたり、大学側のサポートがつく見込みだという。また、将来的にはクラウドファンディングやインキュベーションオフィスも整える構想があるのだと森川氏は語る。

「より起業しやすい素地を整えることが大事。今は『“日本のシリコンバレー”を目指す』としているが、これらがうまくいけば、3年後にはシリコンバレーを超えるかもしれない」

取材・文・撮影/佐藤健太(編集部)