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「親日派」TwitterがCEO来日&オープンハウスで語った、日本人エンジニアの重要性

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2012年4月16日、米Twitter,Inc.のCEOディック・コストロ氏(@dickc)が来日し、プレス向けに今後のビジネス展望を語る「#flywithtwitter メディアイベント」が行われた。

4月16日の来日スピーチで、Twitterが日本市場にコミットしていくことを明かすCEOディック・コストロ氏

4月16日の来日スピーチで、Twitterが日本市場にコミットしていくことを明かすCEOディック・コストロ氏

同日の古川元久国家戦略相との会談で、Twitterを活用した災害情報システムの早期立ち上げに合意するなど、注目の集まる来日となったが、コストロ氏は同時に

①日本市場へのさらなるコミット

②TwitterプラットフォームのBtoB提供

(年内開始の予定)

③それに伴う日本人採用の強化

などにも言及。

昨年から進めていた日本人エンジニアの採用以外にも、製品担当者、サポート人員なども積極的に採用していくと発表した。

その背景には、Twitterの歴史上、英語以外では初の他言語対応となった日本市場で、軒並み「最多ツイート記録/秒間」を更新してきたという実績(2012年4月現在では、金曜ロードショー『天空の城ラピュタ』放送時に起こった「バルス」ツイートが約25万と過去最高)や、先の東日本大震災で情報インフラとして有効活用されたことがある。

「Twitterが今後ライフラインとしての役割も果たせるように進化していくには、日本に学ぶことが多々ある」とコストロ氏が話すように、日本は”New Twitter”を構築していく上で重要なマーケットということだ。

その表れとして、昨夏から日本語での開発情報の発信やディベロッパー向け勉強会なども開催しているが、4月3日には同社主催の形では初の社外向け開発者イベント「Twitter Tokyo Open House」が開催されている。

本国エンジニアの言葉に見る、テックカンパニーとしてのTwitter

当日は暴風雨という悪天候だったにもかかわらず、集まった開発者は約30名程度。本国の開発者ロブ・ベンソン氏や、Twtter Japanで働く2名のエンジニア、山本裕介氏(@yusukey)と蓑輪太郎氏(@higepon)のセッションに熱心に耳を傾けていた。

日本の開発者の質問に、Benson氏は図を描きながら解説してくれていた

インフラ構造についてを、図を交えて解説するベンソン氏の言葉を、開発者たちも真剣な表情で聞き入っていた

最初に登壇したのは、4月4日開催『JavaOne Tokyo』でスピーチを行うために来日していたベンソン氏。「Twitterの今を支えるアーキテクチャ」として、1日3億4000万ものツイートを支える技術システムを公開してくれた。

続いて、山本氏からは「Twitterとオープンソース技術との関係」について、そして、数カ月前にTwitterに転職した蓑輪氏からは、「Twitterエンジニアの一日」についてを、それぞれスピーチ。

山本氏は「Twitterはオープンソースに支えられている」と前置きし、「さまざまなオープンソースプログラムを利用する一方で、社内で開発したプログラムの成果をオープンソースとして公開している」と話す。オープンソースなくして成立しないサービスであるからこそ、得られた恩恵をそのまま還元しているという。

蓑輪氏のセッションで興味深かった点は、機能開発からリリースするまでの驚異的なスピードだ。「『この機能を追加したら良いんじゃないか』と自分でコードを書き、社内のスペシャリスト2名以上にコードレビューをしてもらってOKが出れば、翌日にも一般公開される」という。また、「勤務時間の午後を丸々開発に費やせるのも、技術者冥利に尽きる」(蓑輪氏)と語ってくれた。

 

どれも、今まで多く語られなかったTwitterエンジニアの活動の様子がよく分かる、貴重なセッションとなった。

Twitterで純”和製”エンジニアが活躍できる理由

「Twitterで働く全社員800名のうち約半数がエンジニアで、本国でも日本でも、優秀なエンジニアが集まってきている」と話すのは、広報担当の齊藤香(@kaoris)さん。

「Twitterではオープンソース技術も積極的に活用しているので、情報交換をするという意味でも、社外のエンジニアとの交流は不可欠。今回のイベントを皮切りに、今後は日本でも積極的に外部のエンジニアと交流できるイベントや勉強会を開催する予定です」(斉藤さん)

また、Twitterエンジニアの特徴についてこんなことも話してくれた。

セッション後は、ビールやコーラ、レッドブルを片手に、ピザをつまみながらTwitterエンジニアたちとの交流を楽しんでいた

セッション後は、ビールやコーラ、レッドブルを片手に、ピザをつまみながらTwitterエンジニアたちとの交流を楽しんでいた

「Twitterでは、スターエンジニアが活躍するというよりも、みんなフラットな立ち位置でチームワークを重視する傾向にあります。開発の進め方も、働き方も、よくメンバー同士でディスカッションする風景を見ますね」(斉藤さん)

現在、アメリカのサンフランシスコ本社以外に支社があるのは、日本とロンドンのみ。中でも日本は、Twitterにとって多くのユーザーを抱える重要なエリアであり、マーケットとしてもほかの地域とは少し異なる特徴的なエリアでもあるという。

「海外では、”Cool”なモノが良しとされていますが、日本ではハイクオリティーなモノがよしとされる。エンジニアとしても、こうした日本と海外の感覚的な違いが分かる人が求められています」(斉藤さん)

CEOのコストロ氏も、「Twitter社で『優秀なエンジニア』とされるのは、コードに詳しいだけではなく、アルゴリズムやデータ構造、問題解決の思考などにも長けたタイプだ」と話す。とりわけ技術的なアプローチで問題解決していく能力を重視する傾向は、「履歴書では分からない部分を評価するため、エンジニアがエンジニアを採用するスタンスを大事にしている」(コストロ氏)ことにも表れている。

「本社からも『日本におけるマーケティングや広告プロダクトは任せる』と言われており、実質的に日本支社が日本のマーケットを託されています。とはいえ、日本はまだまだ少数精鋭部隊です。今後も積極的にエンジニアを採用し、日本に適したプロダクト開発を推し進めていきたいですね」(斉藤さん)

取材・文・撮影/伊藤健吾、小禄卓也(ともに編集部)

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