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[連載:Web業界「先駆者」の履歴書 面白法人カヤック・堤修一 1/2] 仕事選びのアンテナは、”面白さ”一本でした

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トレンドが目まぐるしく変わるWeb業界において、時流に乗りながらも自らの理想のキャリアを築いているエンジニアにフォーカスし、ステップアップまでの道筋を辿るこの連載。転職のプロであるキャリアアドバイザーとの対談を通じて、なぜ彼らがヒットプロダクトを生み出すようになったのか、「先駆者」ならではの生き方、考え方を読み解く!

連載第一回目に登場するのは、自分の理想のキャリアを実現するエンジニアとして、入社を熱望した面白法人カヤックで活躍を見せる堤修一氏。

IT業界の求人動向に精通し、現在は『typeの人材紹介』の看板キャリアアドバイザーを務める後藤和弥氏との対談を通してあらわになった堤氏の「履歴書」から、時流に乗ったキャリアの築き方のヒントを解明してみよう。

周りに流されながらも、面白いと思える環境を選んだ新卒時代

後藤 まずお聞きしたいのが学生時代。さらにさかのぼって子どものころのことなんです。もしかしたら何か「もの」を作るのがずっと好きだったりしませんでしたか?

  堤  言われてみればそうかもしれません。小学生のころはマンガを描いたり、自分でカードダスのゲームを作ったりしていましたから。それに、大学では電気電子工学科だったんですが、あまり細かく調べもせず「電子工作的なことができるんだろう」と思い込んで専攻していました(笑)。

後藤 だとしたら、大学では戸惑ったんじゃないですか?

   戸惑うまではいきませんでしたが、思い描いていたものとは少し違うな、と感じました。手を動かすことよりも圧倒的に理論的で、アカデミックな学習が主体でしたから。

後藤 それでも大学院に進学していますよね。理由は何ですか?

   京都大学ではおそらく8割ぐらいの学生が大学院に進学します。就職をしよう、という気持ちは起きませんでしたし、深く考えもせず、「皆が進学するなら僕も」という感じでした。

後藤 大学院修了が迫ってきて、初めて「働く」ということを考えたんですね?

大学時代の友人

大学院生時代は、子どものころの想いをそのままに、ゲームディレクターになりたかったという堤氏

   その通りです。当時のわたしは本当に世間知らずで、商社というのは何か商店街の仕事をするのかと思っていたり、広告代理店というのはチラシを作る会社だと思っていたり…。そんな僕でも唯一興味を持てたのが、エニックス(現スクウェア・エニックス)のディレクター募集でした。ゲーム開発に必要な技術は持っていませんでしたが、「ディレクター」というのは、「面白いゲームを考える人に違いない」と思って応募したんです。

後藤
 子どものころの気持ちそのままに、面白い「もの」を作りたかったんですね?

   そうです。でも、結局は最終選考で落ちてしまいました。それで大学で推薦されている会社を確認したところ、そこで初めてNTTデータという会社の存在を知ったんです。「システムの会社」と聞いてもピンときませんでしたが、いわゆるメーカー、製造業よりもソフトウエア関連のほうが向いている気がしましたし、働いている人も充実していそうだったので、「だったら楽しいかも」なんて気持ちで受けることにしました。

後藤  「いろいろなものに流されてるなあ」と感じる人が多いでしょう。しかし、堤さんは「良い流され方をした」と思います。誰しも学生時代は周囲の動きや情報に流されがちですが、堤さんには一貫して「自分にとって面白いもの、面白い環境」を自分なりに探そうとする姿勢がありました。この自然体な姿勢が、ゆくゆくはカヤックさんへの転職につながる。世の中のことに詳しいかどうかより、「自分のアンテナを立てようとするかどうか」がカギになるんです。

「もう転職せずにはいられない」と思い、キヤノンへ転職

後藤 NTTデータでは音声認識の技術開発をしていたそうですね? 楽しめましたか?

   小学生時代の文集に、「将来は博士になりたいです」と書いていたのですが、研究という仕事がまさにそのイメージ通りで、非常に楽しんで働いていました。

後藤 転職を意識するきっかけは? たしかマイクロソフトを2度受けて、その後、キヤノンさんに転職していますよね。

   きっかけは年齢です。20代後半になって、周りの同年代が中堅社員としてバリバリやっているのを見て、不安になってきたんです。「このままでいいのかな」と思っている矢先、マイクロソフトで募集があることを聞き、受けることにしました。2度受けて、2度とも落ちましたけど。

後藤  研究職的な仕事から一転、ソフトウエアベンダーへの転職を志したわけですが、何か興味を惹く分野があったんですか?

   最初の募集で提示されていたのがWindowsの日本語IMEの言語処理。これ、学生時代に実はやりたかった分野なんです。それに、Windowsの日本語IMEといったら日本中の人が使うものじゃないですか。技術者として非常にやりがいのある舞台だなと思ったんです。

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