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欲求とリスクを知って壁を越えろ~やまもといちろう×楠正憲「ネット業界“ソーシャルの次”を本気で考える」(後編)

タグ : SNS, やまもといちろう, ソーシャル, 楠正憲, 業界有名人 公開

 

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コントロールが難しい事象ほど、技術的な応用が必要に

 わたしもそう思います。加えて、抱える人材の厚みという意味で、知財や倫理問題なんかにもちゃんと向かい合える人がチームにいることは大事かと。そういう会社は、成熟期に入ったソーシャルWebの世界でいっそう存在感を増すと思います。

やまもと こういう問題って、ソーシャルWebだけに限らずあらゆる分野で起こっていると思います。例えば今、アメリカあたりでは「シェールガス革命」とか言って騒いでますけど、あれだって採掘する時は地殻にヒビを入れて科学物質を含んだ水を注入してガスを取り出すわけで、環境に負荷をかけないわけがない。

 わたしは専門外なので詳しく分かりませんが、一部では地震を引き起こす懸念もされているようですね。

やまもと そうなんです。でも、多くの人がこうした懸念を持つ一方で、わたしはどうやってこの問題を克服するか、という点に非常に興味がある。コントロールが難しいものを何とか解決しようとした時こそ、技術は強く必要とされますから。

―― 問題が生じている時こそイノベーションの必要性が高まる、と。

やまもと そういう意味では、家入(一真)氏の『studygift』の一件なんて、まさにソーシャルWebの可能性と、現時点で抱える問題点を象徴するような騒動だったわけで。彼は彼なりにネットを使って、目の前の問題を解決しようとしていたわけじゃないですか。サービスづくりをやってる人たちは、騒動の是非だけ見て叩いて終わりじゃなくって、「じゃあ今ある技術や仕組みを使って何ができるか?」って考える方が建設的じゃないかとわたしは思っています。

ネットでパワーを持つサービスは「知りたい」か「伝える」を解決している

 Googleが生まれた時なんかもそうでしたよね。巨大なナレッジポータルを作っていく過程で、知財問題などにぶつかり、都度解決しながらサービスを提供してきましたから。

やまもと まだ未解決なものもたくさんありますけど(笑)。ともあれ、Googleさんなんかが示すように、ネット上で最もパワーを持つサービスって、極論すればユーザーの「知りたい欲求」か「伝えたい欲求」を解決できるものに集約できるんです。

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From Robert Scoble
Googleが世界屈指のネット企業になった理由は、人がネットに望む「根本欲求」の片方を解消したから

 あ、それは分かるなぁ。

やまもと 論文でも友だちの言動でもエロ動画だろうと、要はどこに何があるかをきちんと示してユーザーの欲しい情報に導いてあげたり、伝えたいという欲求は、Web自体がコミュニケーションを前提にした仕組みである以上は普遍で。

 その「知りたい欲求」か「伝えたい欲求」を押さえた上で、誰の役に立ち、どこに関門を作ってお金をいただくか、を設計するのがサービスづくりの根本なんでしょうね。

やまもと ええ。だから、ソーシャルWebの世界でも本質的には「誰にとって利便性が高いサービスなのか」を逆算してサービスを作っていくしかない。なのに、今のベンチャー起業家に会って話を聞くと、「ユーザーはなんでわざわざスマホやネットでアンタのサービスを使うのさ?」っていう根源的な問いにすら答えられない人がけっこう多いんです。もちろん、答えられたからといって成功するわけではありませんが、ただその辺がぼんやりしているとまったくビジネスにならないわけですね。

 人間の創造力は、今置かれた環境にものすごく制約されるからじゃないですか? 人間って、目の前にある何かをネットで再発明したがる傾向があるから。

やまもと ホントそうですね。

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「現実の再発明」では、マーケットを変えるほどのインパクトを残すサービスは作れないと話す楠氏

 実はわたし自身が過去に失敗した経験があるんですよ。1999年ごろ、ある会社でネット上の名刺交換サービスを作ったんですが、このサービスにはメッセージのやり取り機能も付いていて、今でいうSNSと違うのはタイムラインがなかったことくらい。

やまもと ほう。

 でも、なぜFacebookのように流行らなかったかを改めて考えると、しょせん名刺交換をデジタルに置き換えただけだったからです。「知りたい欲求」も「伝えたい欲求」も中途半端にしか満たさないものだった。

やまもと 自分たちもユーザーだというのを前提とした時、“欲求ドリブン”で作られたものじゃなかった?

 ええ。結果的にそういうことだったんだな、と。

「目の前にある何かをデジタルに置き換え」から飛躍する方法

―― 「欲求ドリブン」、サービス開発における良いキーワードですね。

やまもと でもね、楠さんがおっしゃるような「現実の再発明」ではない、ものすごくイノベーティブなサービスって、実質的にアメリカからしか出てきていないのが現実じゃないですか?

 そうかもしれません。

やまもと 実際、アメリカ以外の国で本当にイノベーティブなビジネスがぼこぼこ立ち上がるというのは見たことがない。ロシアでもイスラエルでもスウェーデンでも。だから単純に「日本はダメ」だとか悲観する必要はなくて。
(次ページへ続く)




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