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Slackの普及に見る、「シャドウIT」との付き合い方

タグ : ReadWrite, SE, Slack, シャドーIT 公開

 

本記事は、ワールドトップ20ブログの一つにも選ばれている米のテクノロジーブログメディア『ReadWrite』の公式日本版、ReadWrite Japan(リードライト ジャパン)から転載したものです。同サイトと弊誌の相互コンテンツ掲載契約の一環となります。

■ 記事提供:『ReadWrite Japan

ReadWriteゲスト執筆者のロバート・J・ムーアはオンライン企業にビジネスインテリジェンスを提供しているRJMetricsのCEOである。

SaaS企業の成長の多くは”land and expand”戦略を原動力としている。まずツールを個人に使ってもらい、次に小さなチーム、そして会社のヒエラルキーのより高みへ、といった具合だ。

結果、企業は他社との比較や提案の要求等をすることなしに、大規模な契約にサインすることになる。SlackやDropboxといった企業はこの流れに沿うように価格モデルを決定している。Slackが私の会社、RJMetricsから仕事を取るためにユーザーアカウントを人数制限なしに無料で利用できるようにしたのは、やり方をよく分かっていたと言って良い。

ある日一部のエンジニアが使い始めたものが、エンジニア全員が使うようになり、やがては社内の全員が使うようになった頃にはそれなしでは成り立たなくなり、彼らにお金を払うことがほとんど唯一の選択肢になっていた。

「シャドウIT」の登場

この現象は「シャドウIT」と呼ばれている。

従来のITグループからの意見抜きで、あるいは彼らが全く関わらずに技術部門の決定が行われることだ。私と話をする多くのITリーダーたちは、IT部門のスタッフは燻ぶっており、その存在感を取り戻そうと必死になっていると考えているようだ。大抵の場合、それらはセキュリティやコンプライアンスにかこつけて行われる。

ユーザーの見方はその逆だ。彼らはイノベーションを起こせなかったIT部門の管理下からようやく解放されたと感じている。

このトレンドがいいことか悪いことかはともかく、実際に起こっているのは確かだ。テクノロジーは職場だけにあるものではなく、企業のソフトウエアも今や完全にITヒエラルキーのもとでコントロールされているわけではない。

開かれたパンドラの匣はもう元に戻ることがないわけで、現状が望ましいかどうかをどうこう言うのはあまり意味のあることではない。

お金を払うのは構わない。Slackなどはそれだけの価値があると思う。だが興味深いのはSlackが我々と我々のデータとの関係をどのようなものにしてしまうかだ。

ある日突然、社長である私よりも自分の会社のコミュニケーションがどのように回っているかを知っている会社が現れるということだ。これらのデータは有用なものだろう。私自身、これを自分のビジネスの改善に役立てる事が出来るのではないかと思う。

ともあれ、データを持っているのはSlackであり我々ではないということだ。

データのジレンマ

この問題を他のSaaSツールにおける場合でも考えてみよう。CRM、ヘルプデスク、生産管理、ストレージなどだ。彼らはあなたの従業員、顧客、製品その他、あなたのビジネスのことをわかっている。だがあなたはそのデータにアクセスできない。なぜこんな事になるのだろうか?

従来、ソフトウェアはオンプレミスであり、アプリが扱う全てのデータはそれをメンテナンスするIT部門が直接アクセス出来た。SQLを書く程度、つまり非常に簡単に出来たことだ。

しかしクラウドで開発されたアプリケーションの場合、扱うデータにはアクセスできない。クラウドアプリ内のデータにアクセスする唯一の方法といえば、公開されているAPI経由によるものになる。そしてデータアクセスの汎用言語であるSQLと違い、APIはアプリケーションごとに異なる。つまり企業が10の異なるSaaS製品を使っている場合、これら全ての異なるAPIを組み合わせてデータを引っ張ってくる必要があるということだ。楽なことではない。

これらデータを単一の、パフォーマンスに優れたSQLベースの分析データベースに入れるには何が必要なのだろうか。幸いなことに、その為の優れたツールは多くある。HP Vertica, Amazon Redshift, Snowflakeその他のツールはこの分野で挑戦的なイノベーションを続けている。事実、RedshiftはAWSの中で、これまでで最も早い成長を続けている。

かつての事業主は、自分のデータウェアハウスがクラウド上にある事など恐ろしいことだと考えていたが、今日ではあまりうるさく言われなくなっている。クラウド導入の利点 – 管理されたサービスと初期投資の安さ – はデータウェアハウス用途でも受け入れられている。そしてクラウドサービスへ向かおうとする大きな流れがある事から、新しい企業のデータは最初からクラウド上に配置されている。

しかし1つの疑問が残されている。解析データベースに置かれているデータの移行はどうするのか? これは今日でも解決されていない問題であり、取り組みが活発になされている。

今日あるソリューションは次の幾つかに分類される。

【1】レガシーなETLツール
機能豊富だが手軽というには程遠く、高価で使い勝手も悪い。

【2】自社で用意したソリューション
信頼性やスケーラビリティーに欠け、メンテナンスのコストもかかる

【3】オープンソースライブラリー
有望ではあるが完成度は低く、更に幾らかの投資も必要だ

【4】SaaS製品
まだ開発初期段階

これは企業が直面したばかりの問題だ。クラウドへのデータ移行はリアルタイムで起こっており、企業はそのデータの分析について何も分かっていない事にようやく気がつこうとしている。

5年前、極めて僅かな企業がこの問題についての答えを追い求めていた。

LinkedInやFacebook、Spotifyといった企業は、独自のデータ処理エンジンを構築し、企業の競争力を多大に高めるまでに成熟された。今日、より多くのオンライン企業が同じ道を辿ろうとしているが、そのソリューションは開発や構築のために数多くのエンジニアをフルタイムで稼働させないようなものでなければならない。

SaaSへの転換は大きなパラダイムシフトであり、企業はそれに適合しようとしているところだ。これら企業が他のSaaS製品とインフラを結合するため、また別のSaaS製品に依存するような状況がやってくることがあり得るような気もしている。

そしてそのような繰り返しは延々と続くのだろうか。

トップ画像:Hamed Saber

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