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作りたいのは新たな「ポータル」~堀江貴文氏が明かすWebと宇宙、開発のすべて

タグ : Facebook, LINE, Web開発, チームワーク, メイカームーブメント, 堀江貴文, 宇宙開発 公開

 

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僕は宇宙を「誰でも気軽に行ける場所」にしたいだけ。そうすると、世の中は大きく変わるはずだから。

―― つまり、ポータルサイトの次は宇宙空間への「ポータル(入り口)」を作りたいと?

そう。ロケット開発は、ネットビジネスが発展するのに通信インフラを整える必要があったのと同じなんですよ。

1995年ぐらいの日本では、皆がダイヤルアップでインターネットに接続してましたよね。当時は回線が重過ぎて、面白いネットサービスを作ってもユーザーが集まらずビジネスとしては成り立たなかった。

でも、もしあの時期に膨大な予算があって、光ファイバーをひきまくってたら、状況は違ったはずなんです。だから、孫(正義)さんが『Yahoo! BB』を作ったわけでしょ。

僕も、「東京めたりっく通信」(ADSL事業の草分け的存在だった企業。2001年、ソフトバンクに買収された)がADSL普及のカギを握ると分かってたので、買収に動いてたんですけど、孫さんが僕の10倍くらいの値段で持って行ってしまった(笑)。

―― 気軽に宇宙へ行ける“インフラ”を作ったら、どんなビジネスが展開できると考えていますか?

そりゃあいろいろですよ。例えば地球周回軌道を有人飛行して宇宙ホテルに泊まるっていうビジネスは、近い将来に実現可能でしょう。また、小型のリモートセンシング衛星(地球の観測に使う人工衛星)をたくさん打ち上げ、天気予報の精度をメチャメチャ高めるのもいい。

これは少し遠い未来の話ですが、小惑星帯を探査してウラン鉱石を含む小惑星を発見し、そこで原子力エンジン内蔵のロケットを組み立てて太陽系外に飛び出すことも考えられます。そうすれば、隣の恒星系に行くことも実現できるかもしれない。

あるいは、小惑星をスペースコロニーに改造し、木星と地球の間を回る軌道に投入してクルーズ船にするなんてことも。まあ、アイデアは尽きないですよ。

MAKERS革命は、安くて性能の悪いロケットを作るのも可能にした

―― アメリカでは、スペースX(宇宙船開発を手掛けるベンチャー企業。PayPal創設者のイーロン・マスクが設立)なども宇宙事業に乗り出していますが、こうしたモノづくりベンチャーは今後増えていくと思われますか?

思うかどうかってより、すでに増えてますよね。

―― 昨年、米『WIRED』元編集長のクリス・アンダーソンが『MAKERS』を出版しましたが、堀江さんも製造業に革命的な変化が起こっていると感じますか?

もちろん。「MAKERS革命」はすごく実感しています。

2000年前後にADSLが登場してネットの世界が変わり、僕らの生活も大きく変わりましたよね。同じことを宇宙空間で起こすには、今まで何十億円もかかっていたロケットの打ち上げ費用を、1000万円とか2000万円くらいに抑えることが必要です。

だから今、(堀江氏が創業したロケット開発会社の)SNS株式会社がやっているのは「安全だけど安くて性能の悪いロケット」を作ることで。

宇宙工学、金属工学ってロシアがものすごく進んでるんですけど、ロシアの部品屋さんにしか作れないような高価な「一点モノ」の素材は採用できないんです、コストを下げるために。

で、ちょうど今、僕らは(ロケットの)再生冷却エンジンの部品分割設計をやってるんですけど、開発チームとは「NC旋盤とかで大量生産できるような部品を使おう」って話をしています。

スペースシャトルの『コロンビア号』が空中分解事故を起こしたように、複雑な機械は故障の危険性が高いんです。それに、一点モノの部品は、加工する技術者のスキルとか、下手したら体調によっても出来が変わっちゃう。そんな状態で製造コストを下げられるはずがない。

その点、今は3Dプリンターでロケットの部品だって作れるわけですよ。現時点で3Dプリンターが加工できる素材は限られるし、比較的小さな部品しか作れないというのが難点ですけど、こうした問題も、やがてクリアされるでしょう。

例えば、ハイブリッド車に積まれているモーターのケースには、すでに3Dプリンターで作られた鋳型で作られているものもあるらしいですよ。

最高の開発チームを作る方法は、自分より優れた人を雇うこと

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堀江氏は、小飼弾氏(写真左)や牧野一憲氏(右)のように業界内で「凄腕」と目されるエンジニアたちと働いてきた

―― 今、開発チームのお話をされましたが、ベンチャーは良い開発チームを作ることも成功の一つのカギになります。堀江さんは……。

僕、チームづくりはけっこう失敗してますよ(笑)。……いや、開発ではそうでもないか。振り返ってみると、そんなに失敗はしてない。

―― 旧ライブドア時代はCTOの小飼弾さんをはじめ優秀なエンジニアチームと一緒でしたし、宇宙事業でも(SNS株式会社のチーフエンジニアを務める)牧野一憲さんのような素晴らしい技術者が働いていらっしゃいます。良いエンジニアを集める際のポイントのようなものはありますか?

僕自身がプログラマーなんでね。自分を基準に、僕より腕の良いプログラマーを採用する。ただそれだけです。

僕はサービスとかビジネスを作るのは得意だけど、すごいコードを書くことはできないので、そういうことができる人をいつも捜してましたね。腕の良いエンジニアは、さらに腕利きのエンジニアを呼び込みますし。

―― 宇宙事業など、モノづくりの分野ではいかがですか?

自分のやりたいことを、絶えずオープンにすることが大事なんじゃないですか。すると、周りにいる誰かが、ふさわしい人を紹介してくれますよ。

話に出た牧野さんとの出会いも、そういう流れでしたね。SME(ソニー・ミュージックエンタテインメント)にいる20年来の友人が、「たった一人でロケットエンジンを作り始めた人がいるよ」と教えてくれたのがきっかけ。彼、ロケットエンジンの開発前は音楽産業でレコチョクをやってたという変わった経歴で。

最近だと、Twitterを使って採用することも増えましたね。

―― 何日か前、Twitterで堀江さんに「ロケット事業でアルバイト募集をしていますか?」とリプライを飛ばしてきた方もいました。

ええ、今はソーシャルプラットフォームで採用活動ができるので、メチャメチャ楽ですよ。

―― でも、売り込んでくる人たちの中から腕の良いエンジニアを見極めるのは難しくないですか? 何か堀江さんなりの選定基準はあるのでしょうか?

その人のやってきた「成果」、これがすべてです。どんな能力があって、どんなものを作れるのか。ウジウジ言ってるだけの人は好きじゃないんで。経歴なんかよりモノを見せてほしい。

そうすれば、その人のエンジニアとしての実力はすぐに分かるじゃないですか。もし、やりたいことがあるなら、とりあえず作ってみる。1人じゃ作れないなら、やりたいって外に発信する。

今ってそうやってビジネスが生まれるんだから、どんどん作ったらいいんですよ。

―― なるほど。今日はお話ありがとうございました。

取材/伊藤健吾(編集部) 文/白谷輝英 撮影/竹井俊晴




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