WiMAX
固定式WiMAX
  • 家庭やオフィスに設置された固定端末向け
モバイルWiMAX
  • 固定用に比べ、ハンドオーバーをサポートする分だけ局設備は複雑になる
  • 移動端末を主に対象としており、ハンドオーバー(=接続する基地局を切り替えること)をサポートする
既存の無線LANとの違いは、伝送距離が1〜3kmと広いこと、基地局間でハンドオーバーできることだ。この特長により移動しながらのブロードバンドが実現する。移動高速通信技術としては、データ通信のみならず、SkypeのようなVoIPによる音声通話も可能になるため、既存の携帯電話と競合することも考えられる。それだけに今後、主導権を持つ企業・団体によってWiMAXにより世の中にもたらされるサービスは大きく変化するといえよう

時速120km下で、通信速度最大20Mbpsを実現する無線ブロードバンド、WiMAX。2005年から固定型WiMAXのサービスを提供するYOZANでWiMAX技術部長を務める丹保清孝氏はこの技術のビジネスでの展望をこう語る。

「総務省が、無線ブロードバンド技術に対して、2.5GHzの電波帯域を割り当てることになっているのですが、その技術としてWiMAX技術が採用される可能性が高いのです」

2.5Ghz帯を使った移動無線ブロードバンドについては、総務省が示す条件をクリアする事業者から最大2社が免許を受け、サービスを提供することになっている。その条件とは、認定から3年以内にサービスを開始すること、5年以内に人口カバー率50%とすること、無線設備を開放することなどである。対象となる通信技術は、IEEE 802.16e(モバイルWiMAX)、IEEE 802.20(MBTDD 625k-MC mode)、IEEE 802.20(MBTDD Wideband)、次世代PHSがある。その中でもWiMAXは、通信会社、携帯キャリアなど多くの企業が実証実験を行ってきており、WiMAXを用いた通信事業者が免許を取得するのはほぼ確実と見られている。つまりWiMAXは次世代の無線ブロードバンドの大本命なのである。

また、現在携帯キャリアが提供するデータ通信や、音声通話と競合する可能性もあるため、携帯キャリアも参入に意欲的だ。気になるのは総務省が提示した申請条件に、既存の3Gキャリアの単独申請を認めず、出資比率3分の1以下の会社経由を盛り込んでいる点。この条件下で、携帯キャリア各社がどのような動きを見せるかが今後の動向を決定するといえる。

2.5GHz帯の認定申請の受付は、すでに9月10日にはじまり、10月10日に締め切られる。事の成り行きによっては、今後の通信業界の勢力図が大きく変わることも充分にありえる。多くの企業が関連する技術だけに、業界の動向は要チェックだ。
ZigBee
ZigBeeの基礎部分の仕様はIEEE802.15.4として規格化されている。ZigBee Allianceでは、普及活動や製品の認証などを行っており、日本ではZigBee SIGジャパンが、普及活動や調査研究を行っている

「ZigBeeは、最大通信速度250kbps、伝送距離10〜70mの近距離無線通信方式です。Zigzag(ジグザグ)とBee(ハチ)を合わせた造語で、まさにハチのように、コミュニケーションをとりながら、有機的なネットワークを作れる画期的な規格です」

そう説明するのは、日本でZigBeeの普及を行うZigBee SIGジャパン理事長の坂梨孝一氏だ。

「ZigBeeの最大の特徴は、自立分散型のネットワークをつくり、情報をマルチホップで伝達できる点にあります。また、個々のデバイスにアプリケーションを搭載することで、さまざまなセンサーや制御用途に応用が可能です。たとえばホームオートメーションでは、センサーがバイオメトリックスで帰宅者を感知し照明を点すといった応用ができるようになります。工場やビルでも、これまでバラバラに働いていた管理系統やセンサーをまとめてZigBeeで自動管理し、劇的な効率化を図ることも可能になります。実際に、FedEX社が荷物管理にZigBeeを採用したり、南カリフォルニア電力会社がZigBeeを用いた自動検針装置を導入しています」

近距離無線通信ではBluetoothが先行するが、どこが違うのだろうか。

「大きな点はネットワーク構成と接続端末数です。Bluetoothが1対1の接続を想定するのに対し、ZigBeeは自立分散型ネットワークを構築できます。近距離無線通信でそれが可能な技術はこれまでありませんでした。それだけでなく、単3乾電池2本で数カ月〜数年の動作が見込める超・低消費電力も大きなウリです」

使用する2.4Ghz帯は認可が不要で、搭載するアプリケーションはC言語など既存のコンピュータ技術で開発できる。また規格は世界共通であり、アイディアとスキルを持つベンチャー企業にとっては特に、大きなビジネスチャンスといえそうだ。
TD-CDMA
CDMAはTDD方式とFDD方式に大別され、FDD方式は上りと下りで帯域をわけることで通信を実現する。対して、TD-CDMAが属するTDD方式は、1つの帯域をフレーム化し、上りと下りを時間で区切ることで通信を実現。この設定を変更することにより、柔軟に上り/下りの通信状況を設定可能だ

無線環境下においてADSL並みの高速データ通信を可能とすることで注目されている技術がTD-CDMAだ。この技術を日本で唯一、展開してモバイルブロードバンド化を牽引するアイピーモバイル取締役の竹内一斉氏に、その特長と事業の展望を聞く。

「第三世代携帯電話IMT-2000準拠のTD-CDMAは、TDD方式の特性から上下回線のリソースを柔軟に割り当てることができ、“本当の意味での定額制モバイルブロードバンド”を可能にします。基地局1つにつき数万回線を超える端末接続や、基地局を介さない端末間での大容量データ通信を実現できるというポテンシャルがあるのも大きな特長です」

もともと大容量のシステムであるが、端末間通信ができるようになれば、基地局にかかる負荷は小さくなる。一定の金額で安定したデータ通信を使い放題という「定額制」による無線通信のメリットを最大限に享受できる技術といえるだろう。

「現在はまだ開発途中にある製品・サービスも多いのですが、世界各国でUMTS TDD Allianceを中心として導入が進められています。近い将来にはTD-CDMAが世界標準として機能することになるでしょう。弊社でも現在、“持ち運べる無線LAN/Bluetoothホットスポット”ともいうべきMBG(Mobile Broadband Gateway)を開発中です」

MBGを個人が持ち歩くことが浸透すれば、ノートPCのインターネット接続だけでなくゲーム機でのWiFi通信などをいつでもどこでも利用できることになる。

「TD-CDMAという通信インフラが整備されれば、その通信技術をどう使うか、どんな製品に応用するかを各社が独自に考えて事業展開できることになります。本当に社会がモバイルブロードバンドのメリットを享受できる仕組みを創ることが当社の使命と感じています」
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