やりたいといえば何でもできる!
販売職からゲームディレクターへ
ゲーム開発者になったからには多くの人に楽しんでもらえる作品を作りたいですね」
そう語るのはバンダイネットワークスで、携帯電話向けゲームの開発を担当する桑原顕氏だ。同社はガンダムなど様々なキャラクターを使った携帯電話向けコンテンツの提供やeコマース事業などを展開している。
もともと「ゲーム好き」な桑原氏にとっては天職といえるが、この仕事に至るには紆余曲折があった。新卒で入社したのは準大手の量販店。PCやオーディオ商品の販売や仕入れを担当した。ちょうどADSLが登場し、ブロードバンドの面白さに開眼した。
「PCの販売に当たって知識が足りないと、シスアド等の情報処理系の資格にトライしたことを機に、ネットワークを介したビジネスに興味を持つようになりました」
この知識を活かせないかと、いても立ってもいられなくなり退職した。だが、資格があっても実務経験がない。なかなか応募先が見つからず、半年間知り合いの会社のネットワーク構築などを手伝いながらじっくりと転職先を探し続けた。
「たまたま販売の知識とネットの知識をバランスよく合わせた職種で求人していたのが、バンダイネットワークスだったのです。会社が求めることと自分ができることが、マッチしている会社を探したのが結果としてよかったですね」
02年、同社のeコマース担当として転職。ガンダムのパソコンやフィギュアなどを売る通販サイトの運営が仕事だった。
「実店舗とウェブ店舗ではまったくの対極。ウェブでは派手な見た目より、サイトの使い勝手が重要なんです」
その後、PS2などのゲームソフトの仕入れにも従事。もともとゲームが好きだったため、ことあるごとに社内でゲームの開発に携わってみたいと話していると、昨年本当にゲーム開発部門に異動することになった。
「経験がなくても、やりたいことができるのはこの会社ならではですね。ゲームチームに来て、冒険モノだ!と、ONE PIECEのミニゲームなど3つのゲームをリリースしました。自分が携わったゲームが形になって多くの人が遊んでいる。そう考えただけで嬉しいですよ」
携帯電話向けゲームだけにモバイル関連の最新技術を追うことも必須だ。
「この業界はいま、どんな新技術や面白いコンテンツがあるのかと、貪欲になることが生き残りの鍵です。とくに携帯技術の進歩はまさに日進月歩で、もう第4世代の時代も間近。ボ?ッとしていると、あっという間に置いていかれてしまいますね」 |