キャリアコース分析営業職  

30歳からはじめる5つのキャリアコース

あなたがたどるべきはどのようなキャリアなのだろうか?4つの脳力から分析した志向や特性が浮かび上がってきたはず。ここでは、30歳からはじめる編集部のおすすめキャリアコースの「傾向と対策」に迫る。 《2006年5月号より抜粋》

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転職したい職種として営業職出身者に最も人気が高いのが、企画・マーケティング職である。しかし、マーケティングの定義や仕事の範囲は、各社によって異なるのが現状だ。そもそも、マーケティング周りの「ストラテジー」や「セールスプロモーション」という言葉には、それぞれ「戦略」や「販売促進」などという日本語が当てはめられている。しかし、「マーケティング」という言葉には、明確な日本語が当てはめられていない。そのためか、一言で「マーケティング」といっても、各社それぞれに解釈の違いが見受けられるようだ。

一般的にマーケティングとは、売れる仕組みづくりとその実行に関する一連の企業活動を指す。そのプロセスは、「3Cに始まり、4Pに終わる」といわれている。

3Cとは、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)を指す。つまり、顧客と競合の分析を行って市場環境を把握し、自社の強みや弱み、チャンスや落とし穴を知るということだ。この3C分析を行っている会社には市場調査会社や広告代理店などがあり、そこで調査や分析にあたる人をマーケットリサーチャーと呼ぶ。最近では、インターネットや携帯電話を媒介にした専門のリサーチ会社も増えており、求人意欲も旺盛だ。

一方の4Pとは、製品(Product)、価格(Price)、販売経路(Place)、販売促進(Promotion)の4つ。これらの要素をうまく組み合わせ、売れる仕組みを作っていくことが、マーケティングの最終目的となる。4Pそれぞれを商品企画、価格戦略、エリアマーケティング、販売促進として独立させている企業も多く、マーケティング未経験者でも、今まで経験してきた業界と同一業界出身者であれば、採用にいたるケースも見受けられる。

営業とマーケティングは考え方の枠組みが異なる

とはいえ、営業とマーケティングは、根本的な考え方が違う。例えば同じ「販売促進」といっても、目の前の商品を誰にどうすれば売れるのかを考えるのが営業における販促だといえる。一方、顧客ニーズを探り、どんな商品をどうアピールすれば売れる仕組みが作れるのかを考えるのが、マーケティングにおける販促だ。つまり、今の顧客をなんとかするのが営業であるのに対し、マーケティングは、明日の顧客を視野に入れて活動していく。そのため、ある人材コンサルタントは、「営業からマーケティングへの転職は、実はかなり難しい」と語る。

しかし、まったく接点がないわけではない。コンビニエンスストアやスーパーの商品戦略部門には、現場を知り尽くした店長経験者が登用されるケースが多い。また、販売に関して独自の直販チャネルがある業界、例えば自動車メーカーなどの場合、その営業部門というのは、商品戦略やエリアマーケティングの要素が強い。そのため、転職してマーケッターを目指すのに有利な条件を持っているといえるだろう。いずれも、営業の最前線にいたからこそ知りえた顧客や市場の知識が評価されてこそ、商品企画職やマーケッターへの転身が可能になるといえよう。

では、マーケティング職を目指すために必要なのは、どのような姿勢なのだろうか?

前述のとおり、営業出身者がマーケッターとして評価されるポイントのひとつが、顧客や市場に関する広範な知識である。もし自分が完成品を扱っているのなら部品の方向へ、部品を扱っているのなら素材の方向へと、興味の範囲を広げていくことが大切だ。

また、優良顧客のセグメンテーションを行うRFM分析や、自社の位置づけを4つの軸から評価していくSWOT分析などといった、マーケティング戦略に使われる分析のフレームワークも理解しておく必要がある。実際には、営業の現場で当たり前のように使っている手法に、難解なマーケティング用語が冠せられているだけかもしれない。ただし、経験者採用が多いマーケティング職を狙うためには、ある程度の学問的な知識も身につけておく必要があるだろう。

もう一つ、営業脳力で重視されているのが、提案能力・説得力だ。トップに予算を通す、今後の広報活動をプレゼンテーションする、商品企画を提案するなど、マーケティングと提案力は、決して切り離せない。だからこそ、顧客の前で鍛えられてきた営業職の提案能力は、マーケティングにおいても、十分に魅力的だ。日常の営業の場でも、目の前の顧客に対する販売促進はもちろん、将来の顧客をどうとらえ、どうプレゼンするかという大きな視点も忘れずに鍛えておきたい。

「営業→マーケッター」は二つの方法論で可能になる

最後に、もし自分が20代半ば未満の若手で、営業からマーケティングを目指すにあたり、時間的な余裕があるという人には、おすすめできる2つのルートがある。1つ目は、最初のステップとして社内異動を経るという方法。営業職からマーケティング職への転職は意外に少ないというのは事実だが、営業職からマーケティング職への社内異動は、あらゆる企業で行われている。営業経験がある人の意見は貴重であるため、両部署間での情報交換の場を設けている企業も多い。そんなチャンスを活かし、まずは社内異動をステップにして、プロのマーケッターを目指してみよう。

もしそれが不可能だというのなら、2つ目の方法として、国内外の社会人大学院でマーケティングを専門としたMBAを取得し、転職するというルートもある。時間はかかってしまうもののが、直接大手企業や外資系企業のマーケティング職を狙える可能性も広がる。自分の現状にあった方法を選択し、キャリアパスを広げて欲しい。

INDEX
01. マーケティング型
02. プロジェクトマネージメント型
03. コーチング型
04. プロフェッショナル型
05. 経営型

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