Vol.42

29歳『ミスターミニット』社長の仕事マインド「年長者とも互角に戦えるフィールドを自ら作る」

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29歳『ミスターミニット』社長の仕事マインド「年長者とも互角に戦えるフィールドを自ら作る」

営業マンといえば、ガツガツしてて、泥臭くて、お金に貪欲で、遊び上手……そんなバブルの頃のイメージはすっかり合わなくなっている現代。“草食男子”や“さとり世代”と呼ばれ、上昇志向や根性論の枠にははまらないイマドキの20代にとって、営業職で活躍するには、何が武器となるのか。各界の著名人たちの目に映る「イマドキ20代営業マンの強み」とは何か、本人たちも自覚していない、周りの大人たちも分かっていない、彼らの武器を探る。

今回は、ベルギー生まれの世界的靴修理チェーン『ミスターミニット』を運営するミニット・アジア・パシフィック株式会社の社長に昨年29歳という若さで就任した迫俊亮氏に、経営者かつ同世代としての目線から、イマドキ20代がビジネスの世界で生かせる強みを聞いた。

29歳『ミスターミニット』社長の仕事マインド「年長者とも互角に戦えるフィールドを自ら作る」
ミニット・アジア・パシフィック株式会社
代表取締役社長 CEO
迫 俊亮氏
1985年3月25日福岡県生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)卒業後、三菱商事に入社。その後、マザーハウスの創業期に参画した後2013年1月、ミニット・アジア・パシフィックに入社し、わずか1年3カ月で代表取締役社長兼営業本部長に就任。世界経済フォーラム(ダボス会議)によるGlobal Shapersにおいて「日本の若手を代表するリーダー」として選出されている

20代の若者は、未来を見据える「視点の高さ」を持っている

「元気がない」とひとくくりに語られがちな20代だが、同世代のトップランナーである迫俊亮氏の目にはどのように映っているのだろうか。

「あまり考えたことないですね。むしろ自分の周りにいる人間はみんな前向きで、他人はどう見ているか気にしない人間が多いような気がします」

起業家や学者にアーティスト、そして現場のメンバーたち。さまざまな同世代との接点を持つ迫氏から見た彼らの共通項は「視点の高さ」だという。

「みんな自分に対する期待値が高いですね。例えば一般的に20年かけて到達できるようなポジションに1年で就いてやろうという人がいたり。あるいは私のような経営者だったら、IPOだけを考えているんじゃなくて、最初から海外展開を見据えてシリコンバレーにオフィスを構えたり。見ている視点がすごく高いのが特徴だと思います」

成功体験がない分、固定観念にとらわれない。今の20代は、それが最大の強み

メディアでも頻繁に取り上げられていたこともあって、ひと世代上の起業家といえば、高級外車を乗り回し、タワーマンションで豪勢に暮らすヒルズ族、という印象を持っている人も少なくないだろう。だが、近年はそれとは異なる視点から社会を見渡し、課題解決や自らの信念の実現のために汗を流す起業家が増えている印象があるという。その理由を迫氏は「私たちの世代は、これが成功者だという固定観念がないから」と説く。

29歳『ミスターミニット』社長の仕事マインド「年長者とも互角に戦えるフィールドを自ら作る」

「そもそも私たちは、これだっていう成功体験がない世代。金融バブルもITバブルも経験していないからこそ、金融をやらなきゃ、ITをやらなきゃって考えもないし、それさえやっていれば安泰だとも思わない。つまり新しいものに取り組みやすい世代だと言えます。非常にフラットな思考で物事にあたれるし、分かりやすい成功パターンに走らず、自分なりの成功像をつくることができる。それが今の20代の大きな強みだと思います」

決して起業家や経営者など特別な地位や役職にある者だけが、その類というわけではない。「20代特有のフラットな考えは日々の営業現場でも十分に活かせる」と迫氏は期待を寄せる。

「例えばスマートフォンひとつにしても、ここ数年で急速に普及してきたが、まだどの企業もその特性を上手に活用しきれていない。こうした新しいインダストリーに対して、他がやっていないような提案ができるのは20代ならではだと思います」

大切なことは、差別化だ。人脈や知識、経験では年長者にかなわない。ならば、同じスタートラインから戦えるフィールドを見つけることが、強みを発揮するカギとなる。

「モバイル産業などの新しいインダストリーや、アジアや発展途上国などの新しい場所。今、こうした分野や場所でのビジネスは急速に伸びていて、今後の経済の中心となろうとしている。歴史が浅く、経験が意味をなさないフィールドであれば、年配の営業マンとも互角、あるいはそれ以上のパフォーマンスが発揮できると思います」

独自の情報網を構築し、自分だけの価値を見つける

上の世代と勝負できるフィールドを見つけるためには、常に時流に敏感でなければならない。情報のアンテナを広げ、時代のトレンドや産業の流れを理解した上で自分の仕事にどう落とし込んでいくか、考え続けることが重要だ。迫氏もとにかく多くの本を読み、定期的に勉強会を開催しては知識を深めてきた。

「年長者に勝つためには自分にしかない価値をつくるべき。例えば、顧客とのリレーション作りにおいて、お酒を交えたコミュニケーションでは上の世代におそらくかなわないでしょう。しかし、自分独自で身に付けた知識や能力を評価され、飲みに誘ってもらえるなど、上の世代とは違うリレーション作りができます。この例に限らず、常にこのような視点を持っていれば、社内でも一目置かれる存在になれるでしょう」

イマドキの20代は、勉強熱心な者も多い。こうした特性を活かして、自分だけの得意ゾーンを探求し、深掘りしていくことが、結果的に自分の武器につながる。

29歳『ミスターミニット』社長の仕事マインド「年長者とも互角に戦えるフィールドを自ら作る」

「新しい産業をつくり出すのもいいし、既存の産業に新しい風を吹き込んでみてもいい。とにかく他の人と違うことをやることが大切です」

迫氏自身、その言葉を体現するかのように、靴修理という昔ながらの産業を変える新しい試みを始めている。

「『ミスターミニット』では3月からパンプスのサイズ調整という新サービスを開始しました。また、組織改革においても、店舗出身の人間を本部の部長職に登用したり、入社数年の若手を花形店舗に配属するといったこれまでにはない抜擢人事を進めています。どれもIT分野のような活気のある成長企業なら当たり前のことかもしれませんが、靴修理のような古い業界では異例のこと。こんなふうに既存の文脈に新しい視点を持ちこむだけで、一気に活性化することもあります。今までと同じことをやっているだけでは年配の営業マンには勝てない。自分だけの新しい何かを見つけて、どんどんチャレンジしてもらえたら」

最近の20代はガッツがないなんて、メディアの情報によって植えつけられたイメージに過ぎない。淡々としたように見える表情の下には、固定観念にとらわれないフラットな発想力と遥か先を見据えた高い視点が隠されている。その真価があらわれた時、世の中はもっと面白く変わっていくことだろう。

取材・文/横川良明 撮影/柴田ひろあき

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