Vol.382

「3日連続で同じ店に行け」「ご機嫌伺いしたら負けだと思え」酒席のカリスマに学ぶコミュニケーション術

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営業という仕事をする上で顧客とのコミュニケーションは欠かせない。では、もともと口下手な人は営業マンに向いていないのだろうか。

営業typeとtypeメンバーズパークが主催する体験型イベント『うるトーク』は、2月13日に都内で第2回を開催。株式会社おくりバント代表取締役社長の高山洋平氏、株式会社東京ピストル代表取締役/編集者の草彅洋平氏をゲストに招き、「酒席はあなたのビジネスチャンス!まだまだ使える相手を落とす飲みニケーション術」をテーマに話を聞いた。

株式会社おくりバント代表取締役社長の高山洋平氏、株式会社東京ピストル代表取締役/編集者の草彅洋平氏
株式会社おくりバント代表取締役社長の高山洋平氏(写真右)、株式会社東京ピストル代表取締役/編集者の草彅洋平氏(写真左)

自他ともに認める酒席のカリスマ2人が語るコミュニケーションの本質、そして口下手営業マンでもすぐに実践できるコミュニケーション術とは?

接待とは「嫌なやつかどうかを見極める場」

接待は営業という仕事に付き物だが、この言葉に良いイメージを持っている人は多くない。一般的には、ビジネスの成功につなげるために、時には嘘をついてでも取引相手の機嫌をとる場だと考えられている。だが、それがそもそもの間違いだと2人はいう。

草彅 コミュニケーションをする上で一番大事なのは、嘘をつかないことだと思います。ただ、気は使いますよ。「気を使う」と聞くと、自分の意見を殺してでも相手に合わせることだと思われるかもしれませんが、それとは全くの別物です。僕がやっていたのは本音でしゃべりつつ、相手の足りないところを補ってあげるみたいな意味での「気を使う」。実際に「良い」と思っていないものを嘘をついて「良い」と言ったところで、相手には伝わらないですし。本音でしゃべることが大事だと思います。

高山 僕も(嘘をつくのは)無理なんですよ。嫌いな人と仕事ができるとは思えない。接待って相手を気持ちよくさせるものだというイメージがありますよね。でも僕はその逆で、接待って嫌なやつかどうかをお互い見極める場だと思うんです。例えば合コンって、そこで出会った人と今後進展するかどうかを見極める場であるのと同じで。つまり接待は、ヨイショしてハイハイって相槌打つような“ケツ舐め外交”ではなく、お互いが人として合うか合わないかじゃないですか。

コミュニケーションとは「知っていること」だ

接待とは相手の機嫌を取ることではなく、仕事以前の人と人とのコミュニケーションであると語る両者。では、そうしたコミュニケーションの能力を磨くためにはどうすればいいのか。

高山 まず、こう見えて僕は努力してますから。なんの努力かって? 「継続は力なり」で毎晩飲み歩いてます。365日のうち、360日は絶対に飲み歩いてますね。週一回の接待のため、大体週6回は自主トレしてます。

草彅 高山くんはメシ屋に詳しいんですよ。それも昭和の歌謡系スナックと定食屋と町の中華食堂には一家言持ってますね。

高山 草彅社長も詳しいですよね。

草薙氏

草彅 僕も食全般に詳しいのは、努力しているからですね。マガジンハウス社の『ポパイ』編集部が発案した編集者の基礎トレーニングなんですが、同じ店にはなるべく行かないように決めて、新しいお店に行くように日々実践しています。ファーストフードやチェーン店は確かに安くて便利かもしれませんが、街を知ることにはなりません。自分の知らなかったお店に行けば、「これはデートで使える」とか「接待にいい」や、聞こえてくるノイズから客層や今のブームが分かったりもするので、とにかく勉強になるんですよ。僕はもう20年以上それをやっています。

高山 20年やってきて、コミュニケーションで大事なことって分かりました?

草彅 僕は、コミュニケーションの最たるものは「知っている」だと思うんですよ。例えば「どこに住んでるの?」という会話だって、それがお互いに同じ地名だったら、シンパシーが半端ないじゃないですか。「知っている」ことの魔力ってすごいんですよ。「知っている」ことがきっかけで人は人とつながれるんです。

高山 その話で言えば、僕もコミュニケーションにおいては6つ、知っておかなければならないジャンルがあると思っていて。まずは(1)映画。映画を知っているってのはすごく重要。あと(2)テレビドラマとテレビアニメ。で、(3)漫画と本。そして(4)音楽。(5)飲み屋とメシ屋。そして(6)新旧のAV女優。この6つを知っていれば大体の人との話は成り立ちます。もちろん真面目なニュースなんかでもいいんですけど、本当に仲良くなりたいと思ったら、昨日見たAVについて話すほうが良い場合もあったりします。

今すぐ実践できる!常連店を作りたいなら「3日連続で同じ店に行け」

コミュニケーションの最たるものは「知っている」ことであるという両者。ただ、そうした知識は付け焼き刃のものではダメだろうし、身に付けるのにはそれなりの時間がかかるはずだ。誰でも今すぐ実践できるいい方法はないのだろうか。

草彅 基本的に、そういうものはないんですよ。本音で「実は俺、これが好きなんだよね」と言ったときに、相手が「それ知ってる!実は俺もそうなんだよね」となって初めて、シンパシーが生まれるんですよ。でもそれって嘘をついてもバレちゃうんで、自分が本当に良いと思うものでないとダメなんです。

高山 確かに(本質的には)相手依存なんですけど、誰でもすぐにできる技ってのを最近開発したんですよ。まず1つは、飲み屋を知る。飲み屋を知るっていうと、よくやりがちなのが、『食べログ』で3.5だったから行くというやり方ですよね。でも自分では行ったことのない店に行く、これは僕からしたらありえないんです。接待は自分がよく知った店じゃないと。つまり戦場を知らないと戦い方が分からないんですよ。だからさっきの知るってことと繋がるんですけど、まずは常連の店を作ることなんです。

草彅 その指摘は鋭い。そこで店員さんとか常連の人を通じて自分をアピールできるっていう……。

高山 そう。自分で自分のことをいいやつって言っちゃダメだけど、他人が言ってくれる分には信憑性があるじゃないですか。だから常連の店を作らないといけない。でも常連の店がないという人もいますよね。そういう人のために、すぐに常連の店を作れるやり方があるんですよ。それは「3日連続で行く」ことです。

草彅 それは分かるなあ。古本屋でも一緒のことが言えますから。1回で10万円以上買う。すると「この人はただものではない」と勝手に思ってもらえ、上得意扱いになり、名前を覚えてくれたりする。高山くんの「豪快力」の話にもつながりますね(豪快力については別記事を参照)。

高山 そう。接待する場合、常連の店だとお店の人が100%味方になってくれるんですよ。例えばマスターがいます、店員がいます、常連の仲のいいお客さんがいますとなったら、自分を含めて4対1の状況が作れるんですよ。こういう人たちが味方してくれているってのは、信頼に足る人だという何よりの証拠じゃないですか。だから技の1つは常連店を作るというもの。そして常連店を作る方法としては、3日連続で行くこと。店に対し嫌な態度を取っていなければ必ずうまくいきますから。

草彅 それなら、普通の人でも実践できるよね。というか高山くんが個性的だから覚えられやすいという(笑)。キャラのPR力は大事ですね。

高山氏

高山 そう。あと、僕のオススメ技はもう1個あります。その名も、「Shazam理論」。お客さんがカラオケを歌っている間に『Shazam(※音楽認識アプリ)』を使って曲名を調べる。そうしたらその人が歌い終わる前に、その曲をiTunesで買ってください。

カラオケに行った時に普通の人がするのって、タンバリンを叩く、コーラスをするくらいですよね。そこでiTunesで買って「良すぎて買っちゃいました!」なんていう人は他にいないですから。また知らない曲に出会えて知識も増えるし良い事しかないんです。僕にいわせれば、iTunesのライブラリの半分以上を自分の意志以外で購入した曲が占めていないと、一流の営業マンとは言えないですね。

草彅 それも分かりますね。僕も、自分が知らないことがあるのが許せないタイプなんですよ。相手が「これいいんだよね」と言った本や漫画をその瞬間にワンクリックで買っていきます。僕の場合は営業テクニックというより純粋に面白いものを知りたいからですが、でもやっぱり知らないものを知っておくことに損はないですね。

「人と会う」「飲み屋を知る」ことは、本を1冊読むことと同じくらい価値がある

接待≒営業とは人と人とのコミュニケーション。そしてコミュニケーションとは嘘をついて相手の機嫌を取るようなことではなく、「知っていること」に裏付けられた本音と本音のぶつかり合いである。酒席のカリスマ2人の話は突拍子もないことのようでいて、実は非常に本質的で、それでいてすぐに実践できるテクニックを含むものでもあった。

高山氏が「知っているべき6つのこと」を挙げたのを受けて、草彅氏は次のように話していた。

「高山くんが6つの中に飲み屋を入れているのが素晴らしくて。飲み屋を1軒知っているのは本を1冊読んでいるのと一緒だと思うんですよ。そして人と会っているのも1冊読んでいるのと一緒。世の中の人はよく本を読めと言うんですけど、人と会ってその人のことを知るというのも、知識としては同じだけの価値があると思うんですよ」

その意味では、人と人とのコミュニケーションたる営業という仕事は、それ自体が「知っていること」を増やすような側面を持っていると言える。一見すると別世界の住人のような2人だが、語られた内容は“普通の”営業マンでもすぐに実践できそうなものではないだろうか。

文/鈴木陸夫 撮影/大室倫子(編集部)

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