「若いうちは自分への投資を惜しむな」って聞くけれど? “自分磨き”の支出を見直す術【独身営業マネーお悩み相談室】
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ 代表取締役社長 工藤 将太郎氏1983年、大分県生まれ。日本生命保険相互会社に入社後、法人営業に従事。2012年に株式会社クレア・ライフ・パートナーズを創業。生命保険に偏重せず、効率の良い資産形成をテーマとしてファイナンシャルプランニング、ライフプランニングを行っている。著書に『30歳からはじめる一生お金に困らない蓄財術』(幻冬舎)『入社1年目から差がついていた! お金が貯まる人は何が違うのか?』(すばる舎)など、若手向けの分かりやすいアドバイスが人気
Q:月に5万円程、ビジネス書購入や営業ノウハウを学ぶセミナーに使っています。若いうちは自分磨きにお金を投資すべきと聞いたことがありますが、自己投資し過ぎてお金がないのは本末転倒な気もしています。どうやって“投資”と判断すればいいのでしょうか?(法人営業/24歳/年収380万)
多くの支出を自己投資へ向ければそれだけ人として成長するとは思いますが、もちろん高ければいいわけでもありません。
ただ一つ言えることは、質問者のように「自己投資に答えを求めている」ということは、「自分磨き」がその後の仕事に活かされ、成果に結びついているのか、自分でも不安になっているのではないでしょうか? 高額なセミナーに行ってもその前後で自分の行動や習慣が変わらなければ、それはただのお金と時間の「浪費」です。不安だからと闇雲にお金を使ってしまう人もいますが、自分にとって本当に必要かどうかを考えてみましょう。
ただセミナーに行けばいいのではなく、セミナーで得た情報をご自身の生活や仕事に生かすことが何よりも大切です。ちゃんとその後の行動に落とせるのであれば、数万円のセミナーに行かずとも数千円の本を買うことの方が大事だったりします。自分の身になった額だけ、「投資」と判断すべきです。
費用対効果の高い/低い“自分磨き”を見分けるべし
投資か浪費なのか、は人によりけりではありますが、一般的には月収の1割程度を目安にするといいのではないでしょうか。あとは、費用対効果をみながら、調整していくのが良いと思います。
ちなみに元営業マンの私が考える、「独身営業マンが20代のうちにやっておくべき」費用対効果の高い自分への投資方法は以下です。
・読書(自己啓発、実務書、名著といわれる類の本)
・ご自身の業界外の人や、海外の人との交流
・海外など、自分の知見を広めるための旅(できれば観光地ではなく、ローカルな街がオススメです)
逆に、人から「すごいね」と言われたい気持ちで始めるもの、自分の意志や目的が不明瞭なのに行うものは、ただの浪費になってしまいがちです。
ここでポイントとなるのは、「目的が明確にあって」、「行動に移しやすい」のであれば効果が高いということ。例にあげた読書や人との交流、旅行であれば、すぐに行動に移しやすいですし、「この知識が知りたい」、「この人に会ってこんな話が聞きたい」という目的も明確です。
そもそも行動しないと、「これが投資になっているのかな」という不安は解消されません。思い立ったらやってみようの精神で、無駄に計画を立てすぎず、計画より実行を優先するようにしてみましょう。
有効な“自分磨き”は、身近なところにある
一方で、若いうちは「自分磨きにそんなにお金はかけられない」という方もいると思います。世の中にはさまざまな自分磨きツールが溢れていますが、実は一番自分が磨かれるのは、本業(=営業)にあると思います。
苦手な上司やお客さまとのコミュニケーション、テレアポや営業資料作成などのあまり好きと思えない業務……そういった足が向きづらい物事から逃げずに、期待を超える成果を出し、付加価値を付けるという経験を積むことが、一番の自分磨きではないでしょうか。足元をしっかりと固められない人が、飛び道具を使っても、道具に振り回されるだけだと思います。
不安な気持ちも分かりますが、まずは目の前の営業活動に一生懸命取り組んでみるのもいいと思いますよ。そうすれば、月5万円も使う必要はないかもしれませんね。
もう一つ忠告しておくと、高額なセミナーに意味を見出して参加する方もいますが、決してカードローンや友人から借金をしてまで行く必要はないと思っています。社会的信用を失うことや人間関係崩壊にもなりかねませんので、身の丈にあったものを選択しましょう。
ちゃんと行動に移せる(=自分への投資になる)のかを判断して、有効にお金を使っていきたいものですね。
次回は「お金の面から考える、空き時間の有効な過ごし方」に関するお悩みに答えます。お楽しみに!
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