世の中にニーズがあってこそ技術に価値が出る技術者にとっての発想力の大切さ

「技術者は技術のみに精通していれば良い」という考えは過去のもの。エンジニアにこそ、自分の技術がどう活かせるのかを発想できる能力が求められている。 そんな発想力の重要性、発想力を高めるための行動を、2人の識者に聞いた―。
【Word/MASARU YOSHIHARA(E-type) Photo/TETSUJI OSHIMA】2008年5月号より
経歴
1988
群馬大学工学部で化学を専攻していたが自動車関連メーカーに入社
1991
商用車向けABSやASRなどの設計開発を手掛けモノづくりに目覚める

化学品の専門商社に(※1)転職しレーザー機器の輸入技術の知識をベースにした提案営業を行う
1998
大手メーカーが立ち上げた画像販売サイトの運用を手始めにネットでのコンテンツ流通会社を設立

サイト上でアート作品を販売しようとするが売れず老舗アイドル誌編集部とかけ合い、アイドル写真のネット販売を実現
2001
その大手メーカーの画像販売サイト担当者が国のロボット開発=『PINO(ピノ)』プロジェクト(※2)に参加したのが縁で、ZMPを立ち上げる
2001
人型ロボット『PINO』の販売開始(現在は第3世代)。2005年には人型の二足歩行ロボット『nuvo(ヌーボー)』を開発販売
2007
最先端ロボット技術を搭載したネットワーク音楽プレーヤー『miuro(ミューロ)』を発売(※3)

【FUTURE】
ロボット技術を自動車や家電などの身近な製品に広く搭載していく
※1 経営視点が学べる専門商社へ
営業の仕事が経験したいと転職した商社時代は、人生で最も真剣に勉強した時期。夜な夜な英語、マネジメント、経営などの学習に努め、日経新聞も読み始める。海外レーザー機器の用途(画像処理、分析、計測、通信等)を顧客に提案しながら、経営視点やスキルを高めた
※2 参入障壁が高いロボット開発で起業
インターネットの世界は米国発のサービスをいかに早く日本化するかだと悟り、新たなドキドキ感を求めて次の起業を決断。日本が得意とするメカトロニクスで、発展途上にあるロボット技術開発を選ぶ。ベンチャー経営者にとっては、参入障壁の高さも魅力だった
※3 人気の音楽が楽しめるロボットを開発
マーケティング発想の差別化戦略を徹底。過去30年のロボット開発の歴史を調べ、nuvoのアプリケーションで一番人気だった音楽を採用した。室内はiPod装着のmiuroで、外出時は就寝中に充電しておいたiPodで音楽を楽しむという新たな生活スタイルを提案している
ロボット自体の開発ではなく
黒子となる“ロボット技術”を
株式会社ぜットエムビー 代表取締役社長
谷口 恒 氏
世の中に普及させるべきは、人型ロボットではなく裏方の“ロボット技術”だ。ゼットエムピー(以下、ZMP)の谷口恒氏がそう確信したのは、家庭向けの人型二足歩行ロボット『nuvo』開発を終えてのことだった。SFやアニメの世界を連想させる人型ロボットは、確かに人を引きつける。だが、それは現時点の技術では「見せ物」としての面白さしか提案できない。身近な生活に役立つ機能の提供は難しく、家庭用人型ロボットの購入層も一部のユーザーにほぼ限られる。

しかし、ロボット技術は違う。今や電子機器の塊となった自動車やインテリジェント家電の進化は、最先端のロボットテクノロジーが支えているのだ。ただ、モノづくり産業全体への浸透度はまだ発展途上の段階。谷口氏はこう語る。

「ロボット技術は、機械工学から電機・電子工学、制御工学、情報工学など、最先端のモノづくりに必須の分野を網羅したもの。このロボット技術を日常使う家電や家の知能化などに裏方として活用していくことで、従来にない新しい価値を生み出せると思っています」

見た目に注目が集まる人型ロボットの開発エンジニアと、派手ではないが、ロボット技術を応用して、世界中の人々により便利で楽しく豊かな生活を提案していく開発エンジニア。後者にやりがいを感じるのが、ZMPのエンジニアだ。

同社は現在、『miuro』に続く自社製品の開発に取り組むほか、工学系学生やメーカー技術者に向けて「ロボットを活用したエンジニア育成カリキュラム」を提供。共同出資会社を通じた『ロボット検定』なども今年の後半にテスト運用し、来年本格的に開始する。「プロダクトも大切だが、もっとテクノロジーをメジャーにしていきたい」と谷口氏は言う。

【私が妄想する新サービス】

脳科学を応用した以心伝心システム
居住空間を自分の脳で操作できるシステムがあったらいいですね。朝起きると、カーテンが自動的に開き、照明がついて、エアコンもきいて自分にベストな温度になっているような……。すでに脳の状態を各種センサーで検知し、そのデータをもとに機械を操作することが理論的には可能。例えば、ドライバーの脳波をチェックして興奮状態にあるとわかったら、自動的にクルマをストップさせることができます。今後、研究がさらに進むと、脳でイメージしたことを検知できるようになるでしょう。そうなるとヒューマンインターフェイスが劇的に進化しますよ。







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