2016.10.03

10分で読める要約『完訳 7つの習慣~人格主義の回復~』

スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣~人格主義の回復~』を10分で読める内容に要約しました。いわずと知れた世界的な名著であり、自己啓発に関連する書籍として、日本でも最も有名といっていい本書。未読のビジネスマンはぜひインプットしよう。

10分で読める要約『完訳 7つの習慣~人格主義の回復~』

タイトル : 完訳 7つの習慣 人格主義の回復

著者 : スティーブン・R・コヴィー 著

ページ数 : 521ページ

出版社 : キングベアー出版

定価 : 2,376円(税込)

出版日 : 2013年08月30日

Book Review

いわずと知れた世界的な名著であり、自己啓発に関連する書籍として、日本でも最も有名といっていい本の1つである。本書は、『7つの習慣――成功には原則があった!』に読みやすく手入れをした新版だ。
なお、副題は「人格主義の回復」と改訂されている。社交的なイメージの作り方など、表面的なテクニックによって成功しようとする「個性主義」の方法ではなく、誠意・謙虚・誠実・勇気・忍耐など人間の内面にある人格的な部分を磨く「人格主義」でしか真の成功は得られないと著者は説く。そのうえで、人格を磨くための具体的な習慣(行動指針・思考指針)を示すということが改めて強調されている。
近年有名となった『嫌われる勇気』で知られるアドラー心理学の考え方にも近い部分があり(そのことは『嫌われる勇気』の中でも触れられている)、『嫌われる勇気』の考え方に共感した方は、本書の内容にもなじみやすいのではないか。『嫌われる勇気』はより理論的・哲学的な面が強く、本書はより実践的・現実的な面が強いと考えている。
私個人としても、これまで読んだ本の中で、最も良い影響を受けた1冊である。7つの習慣の1つ1つの習慣の言葉を覚えたとしても、時間が経つにつれ、自らの解釈でその意味合いを変えてしまう恐れが強い本だと考えており、ぜひ、定期的に本書を読み返して頂きたい。咀嚼するまでに時間がかかる部分も多いと思われるが、それだけ内容の充実した本である。

要約本文

パラダイムと原則

個性主義と人格主義

パラダイムと原則

著者は、最近の50年間に出版された「成功に関する文献」は、社交的なイメージのつくり方やその場しのぎのテクニックばかりを取り上げており、どれも表面的だということに気付いた。そうした考え方を「個性主義」と著者は呼ぶ。
一方で、アメリカ建国から約150年の間で書かれた「成功に関する文献」は、誠意・謙虚・誠実・勇気・忍耐・勤勉・質素・節制・黄金律など、人間の内面にある人格的なことを成功の条件に掲げていた。これを「人格主義」と著者は名づける。
個性主義のアプローチは、あくまでも二次的なものであり、まず行うべきことは、一次的な土台として人格を磨くことである。そうしなければ、長期的な成功は果しえない。
「7つの習慣」は人格を磨くための基本的な原則を具体的なかたちにしたものである。その原則を守ることで、自らが変わり結果を引き寄せていく、という新しいパラダイム(物事の見方)を手に入れることができる。
7つの習慣とは、「依存」から「自立」、「相互依存」へと至る、成長の連続体を導くプロセスでもある。そのプロセスは、「私的成功の習慣(第1~第3の習慣)」、「公的成功の習慣(第4~第6の習慣)」、「再新再生の習慣(第7の習慣)」と大きく3段階に分類することができる。

第1の習慣

主体的である

第1の習慣

現代において、人格は、状況や条件付けによって決定されると考えられている。遺伝子によって、育ちや子供時代の体験によって、取り巻く環境の中にいる誰か・何かによってなど、要因とされるものはさまざまだ。こうした考え方は、刺激/反応理論とも言い換えられる。何らかの刺激によって反応(つまり人格)が決まるという考え方である。
状況や条件付けが人格に影響を与え得ることは筆者も認めている。一方で、筆者が説く重要な指摘は、刺激と反応の間には、「選択の自由」があるという点である。つまり、私達は人間だけに与えられた「想像、良心、意思、自覚」という重要な能力によって、究極的には、何が起ころうとも(刺激)、それが自分に与える影響(反応)を自分自身の中で「選択」することができる。
これらをふまえて、「主体的である」ということを考えてみよう。私達の行動は、自分自身の決定と選択の結果である。私達は感情を抑えて自らの価値観を優先させることができる。「主体的」とは、自発的に率先して行動することだけを意味するものではなく、人間として、自分で選んだ人生の責任を引き受けることも意味する。
今自分が不幸であると何年も感じていた方にとっては、その状況は自分が選んだことだという考え方は受け入れにくいだろう。しかし、深く正直に「今日の自分があるのは、過去の選択の結果だ」と言えなければ、「私は他の道を選択する」と言うこともできないのである。

第2の習慣

終わりを思い描くことから始める

一度、自分の葬儀の場をイメージしてみてほしい。そして、弔問客たちに、あなたの人生をどのように語ってほしいか、深く考えてみてほしい。
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」は、人生におけるすべての行動を測る基準とするために、自分の人生の最後を思い描き、それを念頭において今日という一日を始めることである。
自分が目指すもの、大切にしたいものを頭の中に植え付け、そのイメージどおりになるように日々生活していれば、人生が望まない方向に進んでいってしまうことはないはずだ。
この習慣を身につけるには、「個人のミッションステートメント」を書くのが効果的だ。これは、(1)どのような人間になりたいのか(人格)、(2)何をしたいのか(貢献・功績)、そして(3)それらの土台となる価値観と原則を書く。
注意すべきことは、(3)についてだ。土台となるもの、あなたの中心になるものが、人や物では行き過ぎた依存が生まれ、バランスが崩れてしまうことがある。あくまで、土台におくべきなのは、公平さ、誠実さなど、あなたが最も大切にしたい価値観だ。

第3の習慣

最優先事項を優先する

第3の習慣とは、第2の習慣、すなわち知的創造で思い描いたビジョンをかたちあるものにするための物的創造の習慣だ。また、第2の習慣はリーダーシップ(優先すべきことを決める)であり、第3の習慣はマネジメント(優先すべきことを優先して行えるようにすること)だともいえる。自分を律して実行することがマネジメントには必要である。
成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということである。彼らも、必ずしも好きでそれをやっているわけではないが、自らの嫌だという感情を目的意識の強さに服従させているのである。
具体的な実践方法としては、物事を重要度(高・低)と緊急度(高・低)にまず分ける。その中で、「重要度が高く、緊急度が低い」事象をいかに行うかが最も重要である。ここに、あなたの成長に役立つ活動が入ってくる。
そのためには、何を為すかと同様に、何を為さないかを考えることも同じくらい重要である。重要事項に「イエス」と言うためには、他の用事がいかに緊急に見えても、「ノー」と言うことを学ばなければならない。

第4の習慣

Win-Winを考える

1~3章で考察した私的成功の領域を経て、ここからは、人と人とが力を合わせて結果を出す、公的成功の領域に入っていく。第4~6の習慣を身につけると、相互依存の関係を効果的に築いていけるだろう。
Win-Winとは、すべての人間関係において、必ずお互いの利益になる結果を見つけようとする考え方と姿勢である。Win-Winのパラダイムは、人生を競争の場ではなく、協力の場と捉える。
Win-Winの考え方を発展させたものとして、「Win-Win or No Deal」という考え方もある。これは、どちらかが妥協する案しか解決策がないならば、どちらの方法もとらない、という考え方である。
Win-Winを成り立たせるには、(1)人格、(2)人間関係、(3)協定、(4)システム、(5)プロセス、の5つが必要となる。
(1)においては、相互が第1~3の習慣で取り上げた人格を築き、「すべての人が満足することができる」という発想をもつことが大切である。
(2)の人間関係とは、相互の「信頼残高」を積み重ねて築き上げるものである。
(3)の協定とは、相互に期待することを明確にする、Win-Win実行のためのものである。
(4)のシステムとは、Win-Winの行動が評価される仕組みである。Win-Winを推奨すると言いながら、報酬の仕組みはWin-Loseになっているケースもある。そうするとWin-Winの関係は成り立たなくなってしまう。
(5)のプロセスは、第5・6の章で取り上げる。Win-Winの本質はそのプロセスと強い相関関係がある。Win-Winのプロセスを踏まずして、Win-Winの結果に到達することはできない。目標がWin-Winならば、手段もWin-Winでなければならない。

第5の習慣

まず理解に徹し、そして理解される

第5の習慣

この習慣では、Win-Winの関係を築くために重要になってくる、「まず理解に徹し、そして理解される」ための傾聴方法について学ぶ。
私達はえてして、自分の過去の経験を相手の話に重ね合わせてしまう。そのため、人の話を聞きながら、同意したり反対したり、自分の視点から質問したり、助言したりしがちになる。ただ、そうすると相手は理解されたと感じられなくなってしまい、結果として自分のことが相手に理解されることもない。これは特に、親子のコミュニケーションなどでよく見られる特徴である。
話の聞き方のレベルで、最高レベルのスキルは、「共感による傾聴」である。これは、相手を理解しようと聴くことであり、相手の身になって聴くことである。
「共感による傾聴」を身につけるためには、下記のステップがある。
第一段階は、「相手の言葉をそのまま繰り返す」ことである。次の段階は、「相手の言葉を自分の言葉に置き換える」ことである。そして、第三段階は、「相手の気持ちを言葉にする」ことである。最後の第四段階は、第二段階と第三段階を組み合わせたものとなる。すなわち「相手の言葉を自分の言葉に置き換えると同時に、相手の気持ちも言葉にする」のである。
第四段階の傾聴スキルが身につけば、相手は自分の助言を受け入れやすくなるであろう。

第6の習慣

シナジーを創り出す

第6の習慣

シナジーは人生において最も崇高な活動であり、他のすべての習慣の目的とするものである。
シナジーとは、簡単にいえば、全体の合計は個々の部分の総和よりも大きくなるということである。一プラス一が三にも、それ以上にもなるということだ。各部分の関係自体が一つの「部分」として存在し、触媒の役割を果たす。それが、人に力を与え、人々の力を一つにまとめるうえで、もっとも重要な働きをするのである。
シナジーは、(1)高い「信頼残高」(2)Win-Winを考える姿勢、(3)まず相手を理解しようとする努力、これらがあいまって、シナジーを創り出す理想的な環境ができあがる。
シナジーを創り出すコミュニケーションでは、相互がそれぞれ出す最初の案よりも良い、第3の案を生み出すことができる。
互いの違いを尊重することがシナジーの本質である。そして、逆説的に聞こえるかもしれないが、違いを受け入れ、尊重する為には、お互いが「自立」していることが必須である。お互いが自立しているからこそ、他者を知的・感情的・心理的に違う存在として尊重できるようになるのだ。

第7の習慣

刃を研ぐ

刃を研ぐとは、再新再生のプロセスである。つまり、他の6つの習慣を果たすために最も重要な「あなた自身」の価値を維持し高めていくための習慣である。具体的には、あなたという人間をつくっている四つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒)の刃を研ぐ。
肉体的側面の刃を研ぐというのは、自分の肉体に効果的に気を配り、大切にすることである。体に良いものを食べ、十分な休養をとってリラックスし、定期的に運動する。
精神的側面は、あなたの核であり、価値観を守り抜こうとする意志である。これは極めて個人的な部分であり、刃を研ぐ方法は、人によって全く異なる。著者の場合は、毎日聖書を読み、祈り、瞑想することが精神の再新再生になっている。文学や音楽に没入する人もいるだろう。雄大な自然との対話から再新再生を見出す人もいるだろう。
知的側面の刃を研ぐこととは、継続的に学ぶこと、知性を磨き広げていく努力をすることである。日頃から知識を吸収して知性を広げていこうと思ったら、優れた文学を読む習慣を身につける以外に方法はない。ぜひ一ヶ月に一冊のペースで読書を始めてみてほしい。
社会・情緒的側面の刃は、日々他者と接している中で研ぐことができるため、他の側面に比べそれほど時間はかからないが、訓練は必要となる。第1、第2、第3の習慣を身に付けて自立し、第4、第5、第6の習慣を身に付けて相互依存の状態を創り出すスキルが身に付いていなければならない。

※当記事は株式会社フライヤーから提供されています。
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著者紹介

  • スティーブン・R・コヴィー

    自分の運命を自分で切り開くための奥深いアドバイスをわかりやすく教えることに生涯をささげ、タイム誌が選ぶ世界で最も影響力のあるアメリカ人25人のひとりに選ばれている。国際的に高く評価されるリーターシップ論の権威、家族問題のエキスパート、教育者、組織コンサルタントとして活躍した。 著書『7つの習慣』は全世界で販売部数3,000万部を記録し(40ヶ国語に翻訳)、20世紀に最も影響を与えたビジネス書の1位に輝いている。ほかにも、『原則中心のリーダーシップ』、『7つの習慣 最優先事項』、『第8の習慣』、『子どもたちに「7つの習慣」を』などベストセラー多数。 147の国にサービスを提供する世界屈指のプロフェッショナルサービス企業フランクリン・コヴィー社の共同創設者。 ユタ州立大学商経学部終身教授、リーダーシップ学において同大学の名誉職ジョン・M・ハンツマン・プレジデンシャル・チェアに就く。 妻、家族とともに米国ユタ州で暮らした。2012年7月、79年の生涯を閉じた。

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