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メーカー選びは風土が命!
松下電器産業株式会社は2008年10月1日よりパナソニック株式会社へ社名変更いたしました。
企業選びの際、何を重視するかについては人によって異なるが、意外と軽視されるのが社風や風土。入社後に、「イメージと違った……」とならないよう、ここでは社風や開発風土を見極めるポイントを紹介していく。
経済ジャーナリストおよび経営評論家として、緻密な現場取材に支えられた企業経営論、組織論、人事論を展開。近著に『なぜ松下は変われたか』(祥伝社刊)、『本田宗一郎と「昭和の男」たち』(文春新書刊)などがある。学習院女子大学客員教授
フリージャーナリスト。パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」を専門分野として、解説記事を中心に精力的に取材・執筆活動を行っている。雑誌への寄稿多数
1位 トヨタ自動車
6位 日産自動車
2位 ソニー
7位 富士通
3位 Honda
8位 キヤノン
4位 日本電気(NEC)
9位 松下電器産業
5位 シャープ
10位 バンダイ
企業を比較検討する際には、どうしても仕事内容や給与・待遇といった要素に目がいきがちだ。しかし、転職したあとを考えれば、社風や開発風土といった要素にも目を向けたい。
「個人に大きな裁量を与える企業もあれば、チームの輪を重視する企業もある。また、主体性がなければ働けない企業もあれば、組織のヒエラルキーが明確な企業もある。良い、悪いは別にして、企業には創業時から受け継がれてきた組織的DNAが必ず存在します」
こう語るのは数多くの企業ルポを著書に持つ片山修氏。こうした企業のなかから自分にマッチする企業を見つけるためには、まず、自分の労働観をしっかり把握することが必要だという。
「仕事において自分は何を重視するのか、どんなスタイルで働きたいのか。その点を自分なりに把握していないと、待遇だけを重視した転職をしてしまい、あとで後悔することになりかねません」
では、企業風土を見極めるためにはどんな方法があるのだろうか。実際のところ、「その企業で働いている人に聞くのが一番確実」だと片山氏は言う。エンジニアなら大学時代の先輩や友人のつてをたどる、技術勉強会に顔を出すといった方法も考えられる。とはいえ、企業風土を外部から確認するのは至難の業だ。そこで、ここからは企業風土を見極めるための5つの視点を紹介していく。企業選びのひとつのモノサシにしてほしい。
創業者の企業理念は時代を経ても大きな影響を与える。本田宗一郎氏に憧れて入社する技術者は多い
「企業を知るにはその企業のルーツ、つまり創業者の考え方や哲学を知ることが重要だ」と片山氏は語る。
Honda
には本田宗一郎氏のアクティブな思想、
松下電器産業
には松下幸之助氏の人を大切にする思想が根底に流れており、それらが社風を形作る源となっている。また、創業者の考え方は、その企業の人事制度や教育に色濃く反映されるという意味でも注目したい。
さらに片山氏は「経営者が変わっても、組織的な遺伝子は受け継がれていくもの」と続ける。創業者を知るツールとしては著書がもっとも参考になるが、著書がない場合は企業ホームページや雑誌のバックナンバーを見るのも手だ。
組織DNAが受け継がれていく一方、企業は常に変化していくもの。「その意味では現在の経営者がどの分野を歩んできたのかに注目したい」と多くのメーカーで現場取材を続ける西田宗千佳氏は話す。
「たとえば
東芝
と
ソニー
の社風の違いでいうと、IT通信畑を歩んできた東芝の西田厚聰氏と、デバイス技術開発を仕切ってきたソニーの中鉢良治氏では、注力する事業から開発するデバイスの種類まで変わってくる。当然、組織風土にも影響を与えます」
今後の方向性を占う意味でも、志望企業の現経営者のキャリアと今後のビジョンには注目しておきたい。
シャープでは液晶部門とそのほかの部門で開発スタイルが異なる。写真は三重県の亀山工場
開発体制は、技術ベースでゼロから製品を企画するスタイルと、マーケティング優先で製品企画が決まるスタイルに分かれる。ただし、
シャープ
のように「液晶はマーケット重視、それ以外は技術者の発想重視」というように、製品分野でそれが変わる企業もあるので注意が必要だ。
「現在はどのメーカーもマーケット優先が基本です。ただし、製品企画が決まって『どう作り込むか』という段階での自由度には差がありますね」(西田氏)
研究開発部門と量産部門の関係にも注目だ。製品ができるまでに両者がどう関わりあうのかは現場の仕事に大きく影響するので、この点は面接などで確認しておこう。
防水携帯電話や超薄型デジカメなど、カシオ計算機は商品企画に注力するメーカーの好例
セットメーカーには、
トヨタ自動車
や
松下電器産業
、
ソニー
のように製品を半導体レベルから作り込むメーカーと、
カシオ計算機
のように外部の技術を1つの製品として組み立てるノウハウに長けているメーカーがある。
「また、
ビクター
のように、光学系技術は自社内で、半導体技術は外部から調達するメーカーもある。内製する部品は製品によって変わるもの。応募するメーカーのなかで、自分の技術分野がどういう役割を担うのか、あらかじめよく調べておきたいところです」(西田氏)
その前提としてはまず、「デバイスを作り込む仕事がしたいのか、そのデバイスをまとめて製品として完成させていく仕事がしたいのか」をよく考えておくこと。
富士通の『FMV』ブランドのPC(上)、日立製作所は『Wooo』ブランドでプラズマテレビ(下)を開発しているが、別の注力事業を持つ
90年代のバブル崩壊後から事業領域を変えてきたメーカーは少なくない。注力する製品分野が変われば、会社の雰囲気にも影響すると西田氏は指摘する。
「たとえば
日立製作所
はコンシューマー製品も手がけているものの、メインは法人向けのICチップ事業やネットワーク機器事業に移行しました。これは
富士通
や
三菱電機
にもいえますが、ターゲットを一般消費者から法人に変えたことで、新たに入社するエンジニアの質に変化が生じ、現場の雰囲気も変わりました」
一般消費者向けのコンシューマー製品と産業の礎となるインフラ機器。自分の仕事で世の中にどう関わりたいのかを明確にしておきたい。
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