先輩転職者が指導
『入社3カ月の壁』突破マニュアル |
転職3カ月後にクビになった……。こんな人が実際に増えている。試用期間の評価が厳しくなった昨今の転職において、最初の3カ月はまさに勝負のとき。この時期にどう振る舞うかで、大きく評価が分かれてしまうのだ。果たして、賢い転職後の過ごし方とは? 《2004年12月号より抜粋》 |
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転職入社後3カ月の過ごし方 入社3カ月で頭角を現す5つの極意 |
ニューカマー(転職者)は、どの会社でも周囲からの異常な関心に晒されている。 しかし、それに気づかずボンヤリ入社し、ダメな人との印象になってしまう人も多い。では、どう振る舞えばよいのか? 「初挨拶、初会議、上司を伴っての商談などで、自分のヒューマンスキルや専門スキルをさりげなくアピールすること。ただし自慢話になってしまうと反発を食らうので注意が必要です」(西山昭彦氏) 「転職には専門能力の壁、ストレスの壁、思い込みの壁、カルチャーの壁、妨害者の壁などがあります。最近はこれらの壁を乗り切れずに、キレる、落ち込む、ふさぎ込む若手が多発しています。まずは評価されようと焦らず、印象をよくし、周囲の人たちと信頼関係を築く努力が不可欠です」(佐々木直彦氏) 転職後3カ月という勝負の時期を、無難に乗り切る5つの知恵を伝授する。 |
其の一:初挨拶で効果的にやり手を演出する |
転職者の評価は、入社当日の初挨拶で50%が決まる」と、西山昭彦氏。 その理由は、人の評価は第一印象で8割決まり、ほぼ固定化されてしまうからだ。朝礼での挨拶トークの5分が勝負となる。 「基本はユーモアを入れ、自慢話はせずに、デキル人と思わせることです」(西山氏) たとえば、「今日は防災訓練のつもりで会社まで歩いてきたら3時間もかかっちゃいました(ユーモア)」「自分はふだんマヌケなんですが、昨年新商品の営業ではトップになってしまいました」など。一人ずつ挨拶して回るときは、絶対に相手の目線をそらさないで話すのが鉄則だという。 また、佐々木直彦氏は「転職者は印象の壁を越えることが大事」と語る。 「入社する前に職場、人、仕事をよく研究し、自分の役割や期待の仮説を立てておくことが重要です。そして初挨拶のときに、『私はこれまでのこんなキャリアを役立て、この会社でこんなことを実現したい≠ニプレゼンするのです。これがハズれていなければ、積極的な姿勢のヤツだと、印象はグッと上がります」(佐々木氏) 第一印象は服装も大きく影響する。「どこまでカジュアルが許されるか。その範囲内で収めつつ、個性を出せると好感度が上がります」(佐々木氏) |
其の二:職場のキーマンと考課者を押さえる |
転職すると、まず話しやすい人や同じ転職者と仲良くなりがちだが、西山氏は「早くキーマンを察知して、その人といい人間関係を築き、そのことを周囲に知らしめることが大事」という。その理由は、仕事がうまく回りやすく、また周囲からもデキル人のグループと思われやすくなるからだ。 「キーマンとは、みんなが相談している人、会議で発言のリード役、営業成績がトップの人などです。相談するなら誰がよいか、と聞けば見つかります」(西山氏) また試用期間中は、自分の評価を下す上司や考課者は誰かを把握し、お客さんと思ってもてなすマインドも欠かせない。 「ただし、考課者には誰もがよく思われたい。ベタベタしすぎると疎まれたり、周囲から嫌われる危険性もある。まずは周囲の人と広く接して信頼関係を作ることが第一。そのうえで考課者とキーマンから信頼されるようにするのがベストでしょう」 (佐々木氏) |
其の三:転職後3カ月は社外の飲み会を断つ |
転職して心細かったり、ツラいことがあると、どうしても前の会社の仲間と飲みに行きたくなる。しかし、そうしていると新しい会社への帰属意識が薄れる。悪いことにそれがバレると、「こいつは仲間じゃない」と傭兵のような扱いになってしまうこともある。 「やはり最初は社内の人の誘いを断って、社外の人と飲みに行くのは最小限に留めるべきでしょう。社内の飲み会優先です。ただし、ニューカマーを囲いたい人もいるので、毎晩同じ人は問題。気づいたら専務派になっていることも…」(佐々木氏) 最初の3カ月は、会社の仲間になるというマインドが必要なのだ。「しかし、1年で仲間と認識されたら、その後は社外の人とも積極的に飲みに行き、ネットワークを作る。その社外人脈を活用して、社内で勉強会などを立ち上げると一目置かれます」(西山氏) |
其の四:朝は部内で一番に出社する |
転職したてなら、『新人マインド』が不可欠。どんなに前の会社でヤリ手だったとしても、成果を出す前は誰もヤリ手と認めません。要は初心に帰ることです」(西山氏) 新人マインドをわかりやすく示す方法が、朝は部内で一番早く出社すること。間違っても遅刻はタブー。転職したてに遅刻が多いと、「時間にルーズなヤツ」という印象が固まってしまう。さらに自分の仕事以外にも、隣の人などのフォローやアドバイスをさりげなくしてあげると、役に立つヤツと思われる。 「最初は行動、言うこと、服装ともにフレッシュさと前向きな姿勢があるとよい。しかし、新人になった気分で人の手伝いばかりするのは本末転倒。まずは自分の仕事で成果を出す。それと同時に、人のフォローもすれば評価はグッと上がるでしょう」(佐々木氏) |
其の五:会社の問題点を研究し提案する |
最初は会社の問題点を研究し、それを解決するように自分の仕事を組み立ててプレゼンするとよい」(佐々木氏) 新人マインドが必要である一方、転職者は自分のスキルをアピールすることも大切。そのために、会社の問題点や遅れていることを提言するとよい。ただし、若手転職者がいきなり「改革提案」をすると、生意気なヤツと思われる。工夫が必要だ。 「顧客フォローの方法や売り込み方法など細かい部分を変えてみたらどうか、と提言。たとえば、こんなトークをしたら売れたことがあるんですよ、など。自分に比較優位があることは、『これは参考ですが』といって惜しみなく教えてあげることです。仕事に役立つことを教え、『コイツと仲良くなると得』と思われれば勝ちです」(西山氏) |
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