174人の「上司アンケート」結果から浮かび上がる
「未来の上司」は転職者のここを見ている! |
いざ本命企業に入社しても、上司や同僚から評価されないのでは、またすぐに転職したくなってしまうもの。そんな事態を避けるためにも、「未来の上司」たちは転職者のどこを評価しているのかについて、じっくり耳を傾けよう。 《2005年2月号より抜粋》 |
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どうせ転職するなら、今度こそ実力が存分に発揮できる会社に入りたい――。すべての転職希望者の願いだろう。だが、「採用したものの、即戦力ではなかった」、「使いにくかった」など、転職者に不満を漏らす上司は意外なほど多い……。 04年12月初旬に、type(typeの求人広告ページ)会員のマネジメント職のビジネスマンにWeb上でアンケートを取ったところ(有効回答数は174人)、転職者を受け入れる側のシビアな本音が浮かび上がった。 プライドが高すぎる! 面接で大ボラ吹くな! 転職者の実力に失望した上司は6割近く。その理由の7割以上が「面接で言っていたことと違った」というものだった。「3回の面接で言っていたことがすべて大ボラだった」(35歳・商社)、「履歴書は美しいものだったが、本人の実力ではなかった」(33歳・通信)、「”自称SE”だった。客先に出せる程の知識とコミュニケーション能力はなかった」(30歳・ソフトウェア)、「提案型営業経験がありということだったが、提案書を書けない」(38歳・ソフトウエア)など、転職者の”ハッタリ”を指摘する上司は多い。 この回答に、東京女学館大学国際教養学部教授の西山昭彦氏は、「”上司側”にも問題があります。面接時に、いつどこでどんなアウトプットを出したのか細かく聞いていればミスマッチは起きにくい。しかし、転職者も入社したいあまりに実力を過剰に見せ付けようとする傾向があるのでしょう。ついつい言い過ぎてしまった場合には、入社後にそのレベルに追いつくように必死になることです」と語る。 また、「転職者を使いにくい」と考える上司は44・8%に達した。理由としては、「前の会社のやり方を引きずっている」という意見が圧倒的に多い。「大手で働いていたプライドがあるらしく、”前職では”と何度も口にする」(34歳・ソフトウェア)、「過去の前例ばかりを話していて現状を見る力がない」(32歳・保険)、「何かにつけ、以前取り扱っていた商品と比較し、値段や品質について不満を言う」(37歳・繊維)。転職者の”前職話”は思いのほか嫌われるようだ……。 西山氏は転職者に、「新しい会社に入ったら、生まれ変わったと思って新しい自分を演じきることです。”馴染み具合”が悪いと、上司から低く査定される可能性もある。入社したらまず上司の懐に飛び込むことが大事」と忠告する。懐に飛び込むとは、「自分を守ろうとせずに、心を裸にすることです。どんなバカな上司にも、的確なサービスを提供しながら、心の中でコントロールすればいいのです。上司に好かれないことにはやりたい仕事はできません」(西山氏) 一方で、上司側もまだまだ転職者を受け入れる準備はできていないようだ。「受け入れ準備は万全」と答えた上司は、実に35・6%に過ぎなかった。「ただ机があるだけ。面倒をみろといわれても困る」(31歳・ソフトウェア)、「中途採用者向けのカリキュラム・研修の予算がない」(37歳・コンサルティング)、「試用期間が終わるまでは名刺もない」(41歳・ソフトウェア)など現実は容赦ない。 「転職者は新卒者と違ってバラバラに入ってくるので、コストの問題もあって研修などは一切期待できない。ですから、仕事のやり方は自ら上司や同僚に積極的に聞いて覚えるのです。年齢が若いうちに転職する場合は、上司や人事担当者に”新卒研修に出させてください”と頼むのも手。研修に参加すると、”同期”の連帯感が生まれるので、仲間から情報を取りやすくなる」(西山氏) 上司は転職者の「成果の遅れ」が許せない!
「私は常々、新しい環境に行ったら、”半年間はわき目も振らず働け”と言っています。何事も最初が肝心。スタートダッシュでふみこまないと、上司に”できない人”という烙印を押されてしまいます」(西山氏) では具体的にどんな転職者が評価されるのか? 回答で多かったのが、責任感がある人、ポジティブな人、能動的に動く人という意見だ。「まずは新しい社風に馴染んで仕事を覚え、次に人並み以上の成果を出して、最後に会社に新風を巻き起こせるようになるのが転職者の理想形。たとえば、コンサルティングで分析力を磨いた人が、メーカーのマーケティングに行って体系的なマーケティング手法を浸透させるなど。転職したばかりは、しんどい局面も多いでしょうが、”いっちょ、この会社をからかってやろう”くらいの気で、したたかに成果を出すことです」(西山氏) |
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