次の会社で“すぐに”結果を出す!!  

転職後の「昇進」を生む3カ月の過ごし方

転職は“ゴール”ではない。当たり前のことのようだが、職務経歴書を提出し、自己アピールを考え、という“就活”的な転職活動を繰り返しているうちに、転職が目的になってしまう場合が多々ある。それでは、“転職後”が明るいとは言えない。そこで、“転職後”の活躍のカギとなるスタートダッシュの掛け方を1週間、1カ月、3カ月の区切りで詳細に解説する。 《2005年8月号より抜粋》

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NPO法人
インディペンデント・
コントラクター協会
理事長

秋山 進
 
 
大学卒業後、リクルートに入社。事業・商品開発、戦略策定などに従事。1998年から複数企業とプロジェクト単位で契約するインディペンデント・コントラクター(IC)に。『転職後、最初の1年にやるべきこと』(日本能率協会マネジメントセンター)等の著書がある
 
 
転職者は「自分が異物≠セと自覚すべき」と秋山進氏は語る。この意識があるとないとでは、入社後の過ごし方が大きく変わる。転職者はプロパー社員より期待値は高いが、一部のスーパー人材以外は、過剰に期待されていない。自ら会社に合わせていかなければ、異物として排除されてしまうのだ。

「初日に名刺や机がなくても、周囲がよく知らなかっただけですから、落ち込む必要はありません」

ならば、と周囲に自己アピールしがちだが、「むしろ社内の情報収集が先」と釘を刺す。

最初の1週間で名前を覚えて欲しいのなら、「自分から相手の名前を呼ぶ」こと。飲み会の席でも、前の会社を「ウチ」と称して過去の実績を披露するのは避けたい。同僚や上司の話を聞きながら、仕事のやり方や評価するポイント、会社の業務フローなどの情報収集を意識することだ。

また、会社を知る意味で、社史は「宝の山」である。なぜ今の組織編成になっているのか、情報システムが統合されていない等の理由、トップ人事の変遷とその裏にある人間関係を理解するのに役立つ。

「外から来た人間が『システムを統合すべき』と意見するのは簡単ですが、反発を招くのは必至。しかし、過去の経緯を踏まえた上での提案なら、聞いてくれます」

また社内の人間関係(敵対や友好)が見えないままの提案は、取り返しのつかないリスクがあるので、事前の整理が重要だ。

入社3カ月までには仕事の結果を出す

入社後の1カ月間をメドに、仕事のやり方や会社の業務フロー、周囲との人間関係を築くのは、あくまで準備段階。転職者に与えられる猶予期間はさほど長くない。

「3カ月までには、小さくてもいいので会社の枠に沿った仕事の結果を出し、社内での実績をつくる。そして6カ月か1年以内には、独自色を加えた本来やりたかった仕事で会社に貢献する。この順番を間違えないことです」

転職直後に努力しない人はいない。だが、組織は会社やチームのために働く人材を高く評価する。チームに欠かせない中心選手として認められることが、スタートダッシュの王道なのである。

 

入社第1週目は、お互い「様子見」の期間である場合が多い。このとき特に注意したいのが、最初、転職者は既存社員にとってライバルではあっても、歓迎すべき相手ではないということ。もちろん、採用を決めた上司などは違うが、同年代の同僚はほぼ厳しい目で品定めをしているといって間違いない。この時期に焦ってボロを出すよりも、「状況把握の時期」として、社内の暗黙のルールや社史のチェック、部署内の上下関係などに気を配るべきだ。


1カ月の間にやるべきことは多い。キャリア転職であれば、すぐに結果を求められることも珍しくない。それと並行して、一通り仕事や会社に慣れ、会議でも積極的な発言が求められる。この時期に欠かせないのは、仕事の全体把握と社内人脈作りだ。会社によって業務フローや、書類の作成規定まで、驚くほどさまざまなルールがある。必ず全体把握のため業務フローを図に起こし、できれば特殊な社内用語なども書きとめておく。また、人脈作りにおいては、飲み会参加はもちろんのこと、社内人間関係図を作成して、キーマンに優先的に接触すべきだ。


第2新卒や未経験転職であっても、入社後3カ月は一区切りとして、成果を狙いにいくべき。ただ、いきなりホームランを狙うのではなく、バントや内野ゴロで十分。社内で活躍が分かる程度の“小さな実績”を残すことが重要なのだ。また、この時期は下手に会社に溶け込もうとして、周囲の「Yesマン(雑用)」になるよりも、周囲をすべて「自分のクライアント」とみなして、適度な距離関係から信頼を得られるよう努力すべきだ。その過程で悩み事も多くなるかもしれないが、人事部への相談は上司に筒抜けになる場合があるので要注意。


採用面接で高らかに宣言した、会社の改善点、新たな取り組みなどに向けて始動すべき時期。「同化フェイズ」から「独自色フェイズ」への脱皮を図る。これまで仕事の方針や進め方などで違和感を覚えた事柄に対して、積極的に改善点を指摘すべき。このとき、社内の抵抗勢力と対決できるかどうかは、入社後半年までの社内関係構築の巧拙による。また、自分の部署だけではなく、他の部署を巻き込んだ提案など、仕事の幅を積極的に広げていくべき。
 

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