若手経営トップが教える「20代のシゴト」 |
20代をどう過ごしたかで、その後のビジネス人生が決まってしまうといっても過言ではない。そこでいま活躍する30代の若手経営トップに自分自身の経験から、結果を出せる30代になるための「20代のシゴト論」について語ってもらった。 《2005年12月号より抜粋》 |
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入社員の頃というのは、誰もがまだ仕事に対して漠然としたイメージしか抱いていないものです。「絶対にこの会社にしか入りたくない」と思うところ へ入社できた人は少ないだろうし、もし希望の企業に入ったとしても、今度は希望の部署に配属になるとは限らない。でも“人生80年”と考えてみると、20代なんてまだ3分の1程度のもの。あまり結果を急がなくてもいい時期だと思いますよ。 そのなかで、何を心がけるべきかというと「わかりやすいことをやる」ということでしょうね。20代で評価されるのは頑張っている人なんです。しかも、わかりやすい頑張りをしている人。 たとえば私が20代の頃から続けてきたのは、朝早く出社すること。ほかの人よりも30分早く出社して、新聞で気にな る記事を切り抜いておく。そして上司が出社したら「このニュース、読みました?」と話しかけてみる。すると上司の方も「よく気がつくな」という印象を 受けるわけです。決して「ゴマをすれ」と言っているのではないですよ。誰が見ても「あいつ、頑張ってるな」と思わせろ、ということです。無遅刻無欠勤 を続けるとかね。「そんなこと?」と思うかもしれませんが、これが意外と誰もやっていない。 私は最初の会社に入社してからいまに至るまでの17年間、無遅刻無欠勤を続けていますが、1年を振り返って「誰が一番働いたか」と考えたとき、誰もが「齋藤さんだよな」と認めることになる。単純ですが、とくに若いうちはこういうところで差がつくものです。 ■20代後半になったらマネジメント能力も必要 20代のビジネスマンには、仕事と向き合う際に心得てほしいことが4つあります。 1つめは「貪欲さ」。20代というのは得なんです。「わからない」と言えるし、失敗もまだ許される。その特権は使ったほうがいい。失敗を恐れずに 何かに挑戦するという貪欲さは、若い頃だからこそ必要だと思います。 2つめは「迅速さ」。言い換えれば、「躊躇しない」ということです。よく「検討します」とか「調整します」という言葉を口にしてしまいがちですが、 時間稼ぎをする人間はダメですね。 3つめは「公正さ」。インチキやズルはしないということです。ラクをして一時的に結果を出したとしても、長くは続きません。自分はフェアなやり方で 戦っているのに、隣の奴がズルをして良い成績を上げているとすれば、悔しい思いをすることもあります。でも、それを潔しとしなくては。 4つめは「謙虚さ」。実績のない若い人ほど、少しの成果を「俺がやったんだ」と必要以上にアピールする傾向にある。実際には、上司や先輩を立てたほ うが、自分の評価につながるんだということを知っておいたほうがいい。 さらに20代後半になって、自分にも後輩ができたら、「マネジメント能力」を身につけるべきです。これをどう養うかというと、時間の使い方をマス ターすればいい。ビジネスでの資源というのは「人・金・もの・時間」。そのうち「人・金・もの」は、役職が上がれば自由に動かしやすくなるもの。唯一 「時間」だけが、その人の地位も役職も関係しないんです。社長の1時間も新入社員の1時間も、同じ1時間。若いうちは「人・金・もの」の管理をしたが る人が多いのですが、まずは「時間」の管理をマスターすべき。具体的に何をしていいかわからなければ、まずは働く時間を30分増やしてみる。先ほども 言ったように、朝は30分早く会社に来て、仕事の準備をすればいい。そうしてコンディションを整えれば、仕事でミスをする確率も低くなるはずです。 ■目の前の仕事以外にも広く関心を持つこと
うちでは、営業やサポートセンターの担当者にもシスアドの資格を取らせますし、逆に システム担当者にも証券外務員資格を取らせます。畑違いだから、難しいことはわかっている。でも、いままで関係ないと思っていたことも、理解できれば必 ずプラスになる。若いうちは苦手課目を作らないことが重要です。 20代なんて、何のキャリアも実績もない。だから、それを作り上げていく時期なんです。実績を作るには、ある程度の継続が必要。すると、結局は毎日 の小さな積み重ねが重要になってくるわけです。だから、20代はあせらないこと。最初から結果を出せる天才なんていないんですから。 |
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