経験別ステップアップ転職術 |
さまざまな業界・営業職種を経験することで、営業スキルを伸ばすことができる。ここでは、転職によってスキルを大きく伸ばした営業マンたちのスキルアップ術と市場価値の変遷を紹介する。 《2006年1月号より抜粋》 |
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「伸びる業界の成長できる会社に入りたいと思いました」。 ティ・エム・コーポレーションの京本裕進統括マネージャーはこう語る。 同社は、法人向けにIP電話の導入などによる通信コスト削減を提案するベンチャー企業。競合他社が少なくないが、社内に工事部門やネットワーク構築部門を抱える一貫した導入サービス体制を整え、差別化している。また、営業マンのスキル向上にも注力しており、1カ月間の研修制度も導入している。 京本氏が伸びる業界の成長企業にこだわったのは、過去の苦い経験と将来のキャリアを考えてのこと。子供服メーカーの営業マンだった99年頃、京本氏は販売先の新規開拓営業を担当していた。 「ブランド力のない中小メーカーの商品ですから、他社が目をつけないお店を探すしかありません。知らない町の洋服屋や雑貨屋に売り込み、かなりの成果を上げることができました」。 成熟期を迎えたアパレル業界では、魅力的な商品開発が生き残りのカギになる。 しかし、長引く不況もあいまって、その会社は結局、京本氏の退職後に倒産した。 再び建設現場でのアルバイトを始めた京本氏は、当時28歳。大卒時に「30歳を一つの区切り」と決めていたからこそ、次の職場では自身の営業力を高めるだけでなく、ビジネスマンとしても急成長できる環境が必要だった。 通信業界ベンチャーのティ・エム・コーポレーションは、年齢、社歴に関係なく、毎月の業績評価で昇格のチャンスがある。京本氏が望む条件を満たす会社だった。 ■持ち前の営業力を武器に3年で統括マネージャーに ただし、最初はアルバイト採用のテレフォンアポインター。社員ではなかった。
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人材派遣、求人雑誌、人材紹介と、さまざまな業態の人材業界でキャリアを培ってきた平岡健氏。その度ごとに営業手法や人材業界の企業に対する関わり方が、幅広く、奥深くなってきた。 「担当エリアが決まっていた人材派遣営業時代は、駅ビルリニューアルや季節ごとの街イベントなど、担当地区に詳しくなることが営業戦略の要でした。しかし転職後、担当エリアの制限がなくなってからは、これまでのやり方が通用しないという戸惑いがありました」 まず変わったのは営業先企業への入り込み方。企業からの要望にいかに迅速に応えるかが使命だった人材派遣時代と違い、求人雑誌の広告営業は、ニーズがありそうな企業を発掘するところから始まる。そのカギは得意業界を持つことと考えた平岡氏は、当時バブルだったIT業界を中心に、さまざまな業界知識や企業を取り巻く社会環境にも敏感になっていった。 次に変わったのは商材だった。こちらから聞かなくても、人事担当者がニーズを詳しく語ってくれる人材派遣と違い、その企業の社風、抱えている課題、経営戦略などを把握しなければ、最適な広告を作成することができなかった。 「ここで学んだのはまず聞く≠ニいうこと。SEがほしい≠ニいわれてハイ分かりました≠ナはなく、まず、なぜほしいのか、次に技術的・人柄的にどんなSEがほしいのか。採用後、企業内でどんな役割を担ってほしいのかを聞き込まなければ、広告内容の提案すらできない。営業だから自社商材を売りたいと気は焦るのですが(笑)、売り込む前にまず先方の事情を聞く、という姿勢を徹底的に学ぶことができました」 ■前職で培ったスキルを元に提案力が飛躍的に向上 サンブリッジグループの人材関連会社、サンブリッジ ヒューメトリクスに転職して3年目。現在は、採用支援の他、人材・組織という視点から経営を支援する業務に携わっている。
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