応募者と企業の間にあるギャップを埋める5つの法則
“人事のプロ”が語る転職成功の法則 |
企業が求める人材像と、応募者がどのような実績・経験があって何をしたいのか。それがマッチした時に、お互いにとって転職は成功したといえるだろう。そのためには、応募者が企業側の考えていることを感じ取る必要がある。応募者は転職活動において重視するべきことは? “人事のプロ”谷所健一郎氏に話を聞いた。 《2006年8月号より抜粋》 |
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応募者と採用担当者との間にある考えのギャップ。応募者が自分の経験を活かしたいと考えても、本当にその経験が企業に必要なモノなのか。応募者は、転職希望先の企業が求めている人材をしっかり把握しないと、いくら自分に強みがあっても採用に至らない、と谷所健一郎氏はいう。 「応募者の方は、過去の経験や実績をアピールすることが多いですが、それだけでは不十分。その経験でこれから何ができるのかを伝えられなければだめですね。一歩踏み込んだ自己分析が必要になります」 転職活動を始める上で、まず最初にするべきことは“自分の強み”を知ること。これまでに成功したこと失敗したこと、良いこと悪いことを事細かに羅列して、自分自身が何をしてきたか、壁にぶち当たったときどのように克服したかなど、自身を知ることが重要だ。それが完成して初めて、自分に合った転職先企業の選択に入ることができる。 「いくつかある自分の強みを全て発揮できる企業はほとんどありません。ですので、転職希望先の企業が求める人材と自分の強みを照らし合わせてマッチングさせるのです。そうすると、書類や面接でアピールすべき自分の強みがわかるはず」 企業が求めるのはどのような人材か――。それを把握することによって、応募者と企業とのギャップがなくなり、転職成功への近道となる。 しかし、企業が求める人物像を知ることはなかなか難しい。 「面接の現場では、自分をアピールすることも重要ですが、その企業をよく知る場所であることも考えてもらいたいです。面接官から話を引き出して、その企業が自分に合っているのかを見極める。応募者も会社を選ぶ権利があるのですから」 また、谷所氏は、会社のホームページ以外で社長のブログも企業研究の際ヒントになるという。会社の宣伝だけではなく、今後の会社の方向性など、応募者にとって有益な情報があるそうだ。
現在、転職に関する支援活動を行っている谷所氏。多くの相談者が訪れるが、彼らの中には「今のまま働いていていいのか」という悩みを持つ人が多いという。 「年々、新卒採用の時期が早くなっています。大学3年の11月ぐらいから採用活動を始める企業もあり、学生にとって“自分がどういう仕事に就きたいのか”を考える準備期間が少ないと思います。新卒では内定が出た企業に入社し、20代後半くらいで“このままでいいのか”と考え直す人が多いようです」 景気回復の波に乗って、以前は中途採用をしなかった大企業でも経験者募集で、採用に力を入れている。また、未経験の職種でもポテンシャルがある人を採用する企業も少なくない。しかし、誰でも入れる、という安易な考えをしてはダメと谷所氏は話す。 「新卒と中途の大きな違いは、社会人経験があるかないかです。“未経験で採用されたからイチから頑張ろう”という甘い考えは絶対なくすこと。イチから教えるのであれば、企業は新卒者を採用するでしょう。中途で入社する人には、短期間で即戦力になることを期待しているのです」 即戦力として期待される転職者。その期待に応えるためには、転職活動中から、この会社に入社して何ができるか、この会社で働く姿をイメージできなくてはならない。 「応募者は、この会社に入社して何をやりたいのか、それは企業にとってどのようなメリットになるのかをちゃんと面接官に伝えられなければいけないですね。それがちゃんとできる人は、面接官も入社後のイメージができ採用されやすいです。私が思うのは、男性は過去の経験を話す人が多いということです。女性はその逆で、先を見てどういうことをやっていきたいかをきちんと語ることができる。過去のことより先のこと。企業にとって重要なことは“これから何ができるか”ですからね」 これまでの経験、実績も必要だが、自分にはいったい何ができるのか。先を見据えることで、転職成功へ一歩近づけるのだ。 |
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