「外資系転職者」緊急対談
「自己主張できる押しの強さ」が外資系転職成功の極意! |
外資系企業へ転職するためには、どのような要件が必要になってくるのだろうか?外資系企業への転職を成功させた2人から、外資系企業の転職フローやそこでの注意点を探る。 《2006年9月号より抜粋》 |
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田中 大卒後、入社した日本企業から最初の外資系に転職した時は、友人から紹介されたエージェントを通しました。そして、二度目の転職は、最初の外資系で携帯電話事業に関っていたことから、直接、転職先から「うちでやってみないか」と声がかかりました。 神田 私は3社の転職エージェント、人材紹介などに登録し、今の会社を紹介されました。 t 転職活動をはじめてから転職が決まるまでの期間は、どれくらいでしたか? 神田 一度目の転職は9月半ばにエージェントと話をし、10月第一週に1次面接。10月末に内定が出ていました。スタートするのが早かったので、転職活動期間は長く感じましたね。面接回数は4回。転職を考えはじめてから2カ月程度でオファーレターをもらいました。 田中 私は1度目の転職時は6月に新しい会社に移ったのですが、上司に退社の意思を伝えたのはゴールデンウイーク前。その前には転職先に雇用契約のサインをしていました。そこまでに至るのに3?4カ月はかかっています。2度目は「早く来て欲しい」と言われていましたので、辞める方の人事担当者にもお願いして、特急で辞めました(笑)。 t 言えば何とかなるものなんですか。ちなみにそれは何月くらいの話ですか? 田中 ローカルオフィスの社長に辞める意思を伝えたのが10月頭。本来、11月末に辞めるという話でしたが、業務の引き継ぎなどの関係で、実際に辞めたのは11月中旬でした。
田中 外資系企業への転職は自信をもって臨まないといけないと思います。先方は優秀なスキル、タレントは欲しいはずですから、必要以上に自分のレベルを低くみせないことです。かといって、自分を過大に見せたものの、転職してみると実際は違っていた、という人がいるのも事実。そういう人は生き残っていけないですね。 神田 今回、15社ほどの外資系企業との面接を行ってみて、面接官の反応がいいのは、積極的にアピールした時でした。逆に控えめに「御社と一緒に成長したいんです」と優等生的に話すと、「ああ、そうですか」で終わってしまった(笑)。 t 日本企業では好かれそうな模範解答なんでしょうけどね。 神田 外資系では、自分に自信がなくても、入社したいのであれば自信をもって、チャレンジする精神で面接に立ち向かっていく姿勢が必要でしょうね。 田中 それはあるでしょうね。スキルをもっていることは、ある意味当たり前のこと。それ以外の柔軟性、ハードワーク、チームプレーなどを求められることが多いと思います。「前の会社ではこういうチャレンジをして、こういう風に解決したことがあります」という話を聞きたいハズなんです。 神田 外資系では、企業のカルチャーを重んじる。その中に柔軟性、チームワーク、忠誠心とかありますが、大抵、大企業であればあるほど企業のカルチャーが確立されています。 t それは意外ですね。外資系企業で会社にロイヤリティを持っている人は、創業者くらいと思っていました(笑)。例えば、どのようなことがありますか? 神田 アセットマネジメント系の外資系企業を紹介された時「われわれのカルチャーはこうです。それに賛同できる方は大歓迎です」という形で、人事担当者が話していましたよ。 t 転職したときに年収はどのくらいアップしましたか? 田中 今回の転職では10%ぐらいアップで、その前は約30%アップ。私は、上限30%アップぐらいを一つの目安にしています。ただ、ストックオプションなどがある場合は、トータルでの収入を考えます。基本的なスタンスとして、ベースサラリーを上げることを重視していますね。 t ストックオプションは魅力ですよね。神田さんはいかがですか? 神田 今回の転職では、年収は現状維持でした。長いスパンでキャリアを考えて転職を決めたので、転職時の給与はあまり気にしませんでした。 t 新しいチャレンジをするときにはイチからスタートするケースが多いですからね。田中さんは? 田中 私が最初に転職したときが、神田さんと同じでした。それなりの規模の日本企業から数人の外資系のローカルオフィスへの転職。大きな魅力がないと動けなかったということはありました。あとは私の中で外資系企業への転職には、肩書きも重要だという認識がありましたので、肩書きは上げておこうと考えました。 神田 僕が今回、現状維持でも転職した他の理由は、給与制度が魅力的だったから。提示金額だけではなくて、各ランクによって給与のレンジというのがあるんです。スタッフだとこれだけ、シニアだとこれだけというような。それが階段方式であがるものなので、今後、大幅アップの可能性があったんです。会社選びの基準として、提示された金額が、その会社の中で「どのレベルにあるのか」を考えるべきだと思いますね。 t 年収交渉時に、駆け引きのコツみたいなものはあるのでしょうか? 田中 私の最低ラインは、現状維持で、ベストは30%アップ。ベストを提示してくれれば即決します。もしボトムラインより低い提示金額なら、あとは自分の判断。その場合は、その会社に行きたいという明確な材料があるということが前提です。 神田 僕は交渉をしません。固定金額をベースラインとして見ているので、提示金額が高いところに行くようにしています。 t 外資系企業で働いてこられて、どうでしょうか? 神田 良くも悪くも「自分の言ったことには責任をもてよ!」というところはシビアです。それが外資系の常識。重要なのは、日本法人の成り立ちはどうなのか、ということを知ることと、企業文化を知ることです。 田中 日本の会社だと会議でも黙っている人がいますが、外資系企業ではレベルがどうあれ、自己主張ができるというのがベースですね。 t 今後、もし転職するならば、また外資系企業を選びますか? 神田 日本企業から離れてしまっていて、外資系企業のワーキングスタイルに慣れているところがあると思います。色々な面で外資系の方が自由度はあると思いますよ。やりやすい方を選ぶのであれば、外資系になってしまうのではないでしょうか。 田中 自分にあったワーキングスタイル、時間の使い方からもいえるのですが、もし転職するのであれば外資系企業。今後、5年から10年の間に人材の流動化はますます起きてくると思います。多くの優秀な人材が外資系企業に流れていけば、日本企業も危機感を持つでしょう。 t 何にせよ、自己主張できることが、外資系企業へ転職できるかのカギを握ることは間違いないでしょうね。本日はありがとうございました。 |
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