助走期間がキャリアを決める!  

「3月転職組」のケーススタディ公開!

年明けから募集件数が増加する事務系職種。立ち上げから全力で業務を遂行するために、期初の4月入社ではなく、「あえての3月転職」を実現させた2人の事務系パーソンの事例から、3月転職のメリットを改めて紹介する。 《2006年9月号より抜粋》

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年俸制が多い外資系企業と違い、日本企業に勤めるビジネスパーソンは年収に占める賞与の割合が多い。そのため、賞与を貰ってから会社を辞め、転職先に入社するケースが多くなる。

したがって、入社タイミングとして多いのは、夏の賞与後に辞めた人なら7月1日や8月1日、冬の賞与後に辞めた人なら正月休暇明けや2月1日だ。

しかし、経理・財務、人事、総務などの管理部門に所属する事務系職種の場合は、それがベストな入社タイミングとは限らない。

ここに登場してくれたジー・ゲートの加茂恵さん、そして、東洋ビジネスエンジニアリングの飯田健司氏のように、3月に入社したことで、その後の仕事がスムーズに運ぶケースも多いのだ。

特に管理部門の事務系職種は、社内の人間をサポートする役割を担うことが多くなる。だからこそ、いくら期初だからといって4月に新卒と一緒に入社するのは避けたいもの。




即戦力として活躍するなら、やはり新卒や他職種の転職組が入社する前の3月には入社したい。そして4月までに組織の構造や社員の名前と顔、さらに事業内容などもしっかり把握する。4月からは、先輩社員たちと共に新卒者や転職者をサポートする側に回りたいものだ。

加茂さんと飯田氏が入社直後から責任ある仕事を任されたように、よほどのポテンシャル採用でない限り、企業は中途採用に即戦力を求めている。例え前職と同じ職種で同業他社へ転職した場合でも、それぞれの会社で特有な仕事の進め方があるものだ。部署の繁忙期に一人前の戦力となっているためには、繁忙期の始まる少し前に入社して、そうした仕事を進める上で必要な知識を習得する必要があるだろう。

繁忙期が始まるのは、経理・財務なら決算が本格的に始まる4月。人事の場合も、新人教育や新卒・中途の人事採用戦略などが始まる4月となる。業務を滞りなく進捗するためにも、やはり3月に入社しておくことが、「ひとつ上のキャリア」を築くためのカギを握る。特に経理・財務は1月から中途採用の募集が増える傾向にあるので、年内はスキルアップに努め、年が明けたらさっそく活動を始めよう。

人事評価の上でも3月入社にはメリットが期待できる。4月から9月までの上半期の評価を受けるわけだが、4月1日にゼロからスタートした場合と、3月に1カ月間の助走期間があった場合では、上半期に上げられる成果は違ってくるはず。4月1日に入社するより、3月入社で実質4月以降の評価を受けるほうが、有利なのは言うまでもない。



株式会社ジー・ゲート
経理部
加茂 恵さん
高校時代に簿記を学んだものの、接客や一般事務のキャリアが長い加茂恵さん。経理に携わったのは、前職の外資系生命保険会社が初めてだ。しかし、それも派遣社員だったため補助的な仕事が多かったという。そんな加茂さんが不動産開発などを手掛けるジー・ゲートに転職したのは今年の3月下旬のこと。

「入社した時、経理部では決算の真っ最中でした。会計士・税理士さんによるチェックなどが済み、最終的に決算が完了したのは5月のこと。通常業務の他に、2カ月間近く決算にも携わることができ、それがとても良かったと思います。仕事の流れを把握することができました」と、加茂さんは振り返る。

また、ほんの1週間でも新卒より早く入ることで、次のような利点もあったという。

「新卒より一歩先に入ることで、その分、早く社内に慣れることができました。社員の名前も覚えられますし、部長の案内で各部署に挨拶回りもできました。経理の仕事は社内の多くの方とやりとりをするので、社員の名前を覚えるのも、仕事を進める上で重要になります」

入社4カ月にして、早くも仕事のやりがいをつかんだようだ。ジー・ゲートには、マンション販売会社や管理会社などのグループ会社が6社あり、加茂さんは、そのうち2社分の経理を担当している。

「部分的な経理しか任されない会社と違い、仕事を通じて会社の経営状態がある程度わかるんです。それが面白いところです」



東洋ビジネスエンジニアリング株式会社
経営企画本部 人事部 キャリアサポートグループリーダー
飯田健司
東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は、主に製造業の課題である経営・業務改革、グローバル化をERP、サプライチェーンマネジメント(SCM)などのITで支援することをコアコンピタンスとする企業。その管理部門では、多くの中途入社組が活躍している。人事部の飯田健司氏も、2001年3月1日に入社した「3月転職組」だ。現在はキャリアサポートグループのリーダーだが、入社から昨年度までは採用・教育グループに所属し、採用方針立案、予算策定から選考の企画運営、教育制度の立案、実施などに携わった。

「採用・教育グループでの5年間では、採用関係を包括的に任せてもらえました。大組織なら、説明会の担当を1年間、面接官を1年間というように、年次ごとに一つずつキャリアを踏むところだったでしょう」。そう話す飯田氏は、同社での人事の仕事に大きな手応えを感じているようだ。

人事の仕事には年間サイクルがあり、一番の繁忙期は、組織変更、新卒採用や新入社員研修のピークなどが全て重なる4〜7月にかけて。同氏が3月1日に入社した理由は、ピークの前にぜひ来てほしいという会社からの要請があったためであるという。

「自分としても、1カ月間でも早いタイミングで入り、助走期間がほしかったんです。その間に、会社のことを勉強しておいて、新卒採用の説明会や面接のフォローで活かしました。3月に入社したことは、結果的には、やはりプラスになりましたね」 

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