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| 転職後の仕事に対する意識はどのように変化しているのだろうか。２００６年８月に弊誌で調査した『キャリアデザインレポート』によると、「転職してよかったこと」の第１位は、経験転職・未経験転職ともに「年収が上がった」ことだった。しかし、２位以下は、経験転職成功者が「収入や勤務環境」を、未経験転職成功者は「業務」について、モチベーションを持っていることがわかる。経験転職成功者の１位、「年収が上がった」（１６.４％）に続くのが「休日が増えた」（１２.８％）、「勤務条件が改善された」（１１.９％）、「通勤時間が減った」（１１.１％）。一方で、未経験転職成功者は「年収が上がった」（１７.５％）に次ぐのは、１４.３％の「仕事にやりがいを得た」、「勤務条件が改善された」（１３.５％）、「仕事が面白くなった」（１１.９％）だった。転職パターンに関わらず、収入アップが転職の目的であるものの、やはり未経験転職は「面白いと思える仕事に就く」ことが醍醐味であることに間違いないようだ。 |
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収入アップが前提である経験転職を細分化すると、意外な傾向が見えてくる。経験転職は「異業界・同職種転職」「同業界・異職種転職」「同業界・同職種転職」の３つに分類できる。この中で、転職してよかったことを見ると、「年収が上がった」が１位となったのは「異業界・同職種転職」だけ。他の２つは「スキルアップできた」が１位となっている。
転職パターンを選ぶことで、経験転職でも自分が思うようなスキルアップは可能なのではないだろうか。転職先を選ぶ基準は人それぞれ。しかし、全てを満たした転職ができることはまれといえるだろう。転職先を決定したときの決め手に関しては、意外な結果が出ている。
未経験転職成功者のトップは「通勤の便」。以下、「給与待遇」「会社として安定している」「仕事のやりがい・成長できる環境にある」と続く。経験転職成功者の１位に挙げられたのは、想定内の「前職のキャリアが活かせる」こと。次いで「給与待遇」「通勤の便」となった。
また、「転職してよかったこと」を年代別に見ると、２０代のトップ３は「年収が上がった」（２２.６％）、「仕事にやりがいを得た」（１５.１％）、「勤務条件が改善された」（１１.３％）。一方、３０代は「年収が上がった」（１９.７％）、「仕事にやりがいを得た」（１３.０％）、「スキルアップできた」（１０.５％）が上位３位となっている。納得のいく金額の年収を得るとともに、やりがいのある仕事に就いたケースが少なくない。
ロングスパンでキャリアを設計し、そのための手段として転職を活用することが、ビジネス人生で「得をする」コツであるといえるだろう。 |
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D外資系コンサルティングファーム勤務
田中勝氏
（29歳・仮名） |
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新規事業の立案から運営まで、自らの知力を総動員して展開する――。多くのビジネスパーソンにとって、やりがいのある仕事といえるだろう。中堅商社の営業マンから、外資系戦略コンサルティングファームのコンサルタントへの転身に成功した田中勝氏（仮名）は、今まさにその業務に邁進している未経験転職成功者だ。
田中氏が転職したのは2006年の８月。それまでは中堅総合商社で営業マンとして、化学プラントの輸出事業を担当するなど、海外営業マンとしてのキャリアを積んできた。「商社時代も、魅力的で大きな仕事に携わっていました。でも、同じプロジェクトを担当し続けたことで、自分を高めることに対して限界を感じていました。自分は色々な業種・内容の事業を任される人材になりたい。
30歳を前にしたときに、コンサルタントとしてのキャリアを選択するのがベストだと考えたのです」「このままでいいのだろうか」という疑問を持ったことで、未経験職種への転職を志したが、不安を抱くことはなかったという。「私はいつも、『チャレンジし続けることが自分を伸ばす唯一の方法』とポジティブに考えています。業務に関しても、収入に関しても不安はほとんどありませんでした」と語る田中氏。しかし、当時の自分に何が足りないのかを冷静に分析することは忘れなかった。
その結果、コンサルタントとして飛躍するための課題は、論理的思考能力をさらに高めることだったという。「やりがいのある仕事をしながら、ウィークポイントを鍛えられる現状に満足しています。未経験転職を恐れるのではなく、ポジティブに受け止めれば、自分を大きく伸ばすきっかけになるのではないでしょうか」と田中氏は語った。 |
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