20代・30代年代別のビジネス人生の目的に迫る!

「ビジネス人生における最終目標は?」という質問に、真正面から答えられる読者がどれだけいるだろうか。周りの意見からそんな疑問を解消できるヒントが見つかるかも知れない。本項では20代と30代の年代別の仕事に対する目標と、キャリアに対する考え方を考察する。 《2007年1月号より抜粋》

経験転職、未経験転職に関わらず、転職希望者は「仕事に対するモチベーション」を高めることを求めているが、20代、30代の年代別の「仕事観」は大きく異なるようだ。

「転職を考えた理由」については、20代、30代ともに上位2項目は変わらない。1位は、20代が32・7%、30代が35・1%の「給与待遇」。しかし、3位以下は大きく異なる。20代の3位は「自分の希望する職種・仕事ではない」「キャリアアップの一環」(ともに20・8%)。

30代のこの2項目は「自分の希望する職種・仕事ではない」が14・0%、「キャリアアップの一環」が16・2%と低い。逆に30代の3位である「仕事にやりがいを感じない」(25・2%)は、20代では20・1%の4位。他にも、20代では「自分に合った仕事を見つけたい」などキャリアアップに関する項目が挙げられており、30代は業績への評価や将来性への不安などを挙げている。

また「やりがいを感じるとき」については、20代の上位3項目が「技能・スキルが身についた」(36・5%)、「思い通りの成果が上げられた」「課題を解決できた」(ともに35・1%)と、自分のレベルアップが大半を占めているようだ。30代のトップ3は「思い通りの成果が上げられた」(43・6%)、「課題を解決できた」(32・3%)、「与えられた仕事を完遂した」(29・2%)。30代の多くは、身につけたスキルを活かして、難易度の高い業務をこなしたときの達成感を味わうことが、仕事の醍醐味であると感じているようだ。「仕事に対するモチベーション」については「仕事を通じて成長したいという気持ち」(20代=62・0%、30代=57・7%)、「経済的に豊かになりたいという気持ち」(20代=48・6%、30代=56・2%)だった。


20代で伸ばして30代で高く売る?
収入にモチベーションを求める30代と、自己のスキルを伸ばすことにやりがいを感じる20代。30代は経験を活かした転職で自分を高く売れる可能性が、20代はポテンシャル採用で望む仕事に就けるチャンスが広がるだろう。


「仕事上での目標」については、30代はやはり「収入」が60・9%でトップ。20代の1位は「社外でも通用する能力を身につける」(59・1%)。また、「転職のためにキャリアを磨く」(39・4%)は、30代の28・0%に比べて10ポイント以上高く、転職に対する意識の高さがうかがえる。その他では「会社にこだわらずスペシャリストを目指す」が20代、30代ともに3割以上を占めるなど、「自立したキャリア作り」を希望する傾向にあることがわかる。

「転職先を決定した決め手」についても20代は「仕事のやりがい・成長できる環境がある」が4割近くを占めている。その一方で30代は「給与待遇」(29・6%)、「前職のキャリアを活かせる」(21・7%)が上位になっている。このことからも20代は未経験転職を、30代は経験転職を成功させているケースが多いと言えるだろう。


成長欲求の20代と活用欲求の30代
20代で高い項目は「仕事を通じて成長したい気持ち」や「技能・スキルの習得」など「自分の成長」に関する項目だった。30代は「思い通りの成果が上げられた」、「社外から高く評価された」など、身につけたスキルを活かすことを望んでいる。

ITベンチャー企業勤務
廣田昭子さん
(30歳・仮名)
今まで培ってきた経験とスキルを高く売ることが経験転職の最大の目標と言っても過言ではない。しかし一歩間違えば、落とし穴にはまる危険もはらんでいるのが経験転職だ。 新卒で入社した中堅食品メーカーの営業職として量販店を担当していた廣田昭子さん(仮名)は、2006年10月にITベンチャー企業へ転職。社内トップの実績を引っさげて転職したものの、現在営業成績の不振から、キャリアチェンジを考えているという。

「前職での営業成績が評価されて、転職時にはマネジャーとしての採用で、年収が200万円以上アップしました。業界は違っても基本的には同じBtoB営業なので、期待に沿える自信もあったのですが……」と語る廣田さん。元・トップ営業マンが伸び悩んでいる理由には、「商習慣の違い」が挙げられるようだ。

廣田さんがいた食品業界は、いわゆる「オールドエコノミー」。商習慣も昔ながらの接待営業が多く、営業成績を上げるためには「付き合い酒」がカギを握る。しかし、今やマウスイヤーといわれるIT業界では、オールドエコノミーの営業スタイルでは通用しなかったという。

「IT業界の厳しさは分かっていたんです。でも、今までの慣習がなかなか抜けなくて、スピードについていけていません」。入社直後のつまずきを取り戻すことで精一杯になってしまったため、2カ月が経過した今でも本来の力を発揮できずにいる廣田さん。期待が大きいゆえに、結果を残せていない現在、プレッシャーに晒されながら、苦しい日々を過ごしている。

「今が踏ん張り時だということは分かっているのですが、これだけプレッシャーがキツいと逃げたくなりますね……」という廣田さん。キャリア最大の危機を迎えている原因は、大幅年収アップに目がくらんで、会社選びを間違ったことに他ならないだろう。

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