ベンチャー企業編──Venture Company  

経営トップから学ぶ「ベンチャー企業でのキャリアプランニング」

ベンチャー企業ではどのようなキャリアプランニングが可能なのだろうか。 ゼネラリストとして経営の最前線で活躍する4人のインタビューから、2つの職務に求められる資質に迫る。 《2007年2月号より抜粋》

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SBIモーゲージ株式会社
代表取締役 
執行役員COO
円山法昭


大学卒業後、東海銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入社。 新規開拓営業等に従事。2000年にソフトバンク・グループに転職。 5年間でグループ内6社の立上げを行い、現在に至る

「若手のうちにCPUを上げていく努力を」


日本初のモーゲージバンクの若手経営者、円山法昭氏は、2000年にソフトバンク・グループに入社して以来、5年のうちに6社の立上げを行い、現在はSBIホールディングスの取締役も兼務する。経営者として優れた手腕を発揮する円山氏は、意外なことに社会人としてのスタートは、“落ちこぼれ”だったという。

円山氏は大学卒業後、東海銀行(現UFJ銀行)に入行。「初めはこれといった目標もなく、結果もついてこなかった」と当時を振り返る。そんな円山氏を変えたのが、目標とすべき上司と仕事を通じて出会った戦略コンサルタントたち。彼らと仕事をしていくうちに仕事の楽しさを覚え、のめりこんでいったという。

「最初から経営的視点を持って仕事をする必要はないと思います。それよりも、若手のうちは自分のCPUを上げるべき。与えられた仕事を120%の力でやりきる。処理能力が上がれば、自然と目線が上がります」 円山氏が経営者として意識し続けていることは「鳥の目と虫の目」を持つこと。まずは現場で虫の目を養い、経験を重ねるうちにそれが全体を見渡す力につながるという。

現在同社が求めている人材は情熱を持って仕事に当たれる人。「一人ひとりにチャンスがある。120%の情熱と知力で、チャンスを掴んで欲しいですね」と円山氏は語った。
リアルコム株式会社
代表取締役
谷本 肇


1989年に日本ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンに入社。 94年にシリコンバレーに渡り、日米企業の提携戦略立案・実行に従事する。 2000年にリアルコムを設立

「その時々に必要な専門性を磨き抜く」


外資系コンサルティング会社を経てアメリカのシリコンバレーに渡り、現地のベンチャー企業と日本企業との提携支援に尽力。その後リアルコムを設立した谷本肇氏の経歴は、当初からゼネラリスト志向で幅広い経験を積んできたように思える。しかし本人は「そういう枠組みでキャリアを考えたことはない」と語る。それよりも、国境にも、所属する会社にも関係なく、自分の力で仕事を創れるビジネスパーソンを目指していたという。そのためには、「まず目の前の仕事に全力を尽くすことが大事」と語る。将来的なプランに固執して、顧客をないがしろにすれば、自分の評価も下げ、思い描いていたキャリアは遠のくという。

「20代は専門性を掘り下げればいい」という谷本氏。自身もスペシャリティを追求した結果、経営者に必要な資質やスキルが培われたという。

テクノロジーと戦略コンサルティングを事業の両輪としているリアルコムでは、社員一人ひとりが卓越したスペシャリティを発揮している。その上で、顧客に対する課題の明確化や、システムの機能選定、定着までを一気通貫して提供できる人材を求めているという。

「さらに持っていて欲しいのは、多面的な視点や客観性。人間性や視野を広げる努力が、結果的に将来のキャリアを広げるのだと思います」
SBSホールディングス
株式会社
代表取締役
鎌田正彦


1978年に佐川急便に入社後、子会社設立などに携わる。 87年に関東即配(現・SBSホールディングス)を設立。
2006年度「entrepreneur of the year」スタートアップ部門のファイナリスト

「ゼネラリストの仕事は5割以上が人の調整」


株式上場以来、M&A戦略により物流業界を変革しつづける「総合アウトソーシング」企業のSBSグループ。創業以来、数々の試練を乗り越えてきた。成長会社へと導いてきた鎌田正彦氏には、一つの流儀があるという。

「トップは常に夢を語り続けなければいけない。そうしないと、4000人を超える社員を率いることはできないのです」

そのために必要なのは、人を惹きつける人間力と鎌田氏は語る。同社で求めているゼネラリスト像もこれに当てはまる。「ゼネラリストの仕事は、5割以上が人を調整すること」(鎌田氏)であり、その力を伸ばす秘訣は「発言・行動を取る前に、一度自分に置き換えて考えること」だという。

今、同社では社員を統率し、新しいビジネスを起こしていけるゼネラリストを求めている。「学歴も高く、優秀な人材は多くなっている一方で、人の心の分かる人は少ない。ですが、“人間力”がないと人は動きません」と語る鎌田氏。人間力を前提に、次に身につけるべきスキルは“仮想創造力”と“先見力”、“仮説検証力”だという。

「収益を上げられるビジネスを読み取った上で創り、それを仮説立てて事業化する。そんな人材を育てていきたいですね」

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