組織のリソースを上手く活用することは、組織と自分のwin│winな関係を築くことが大前提になる。会社への貢献なくして、自分のキャリアを育てていくことはできない。つまり、「まずは組織から頼られるような人材になることが、win│winの関係の前提になる」と、リンクアンドモチベーション取締役の藤ア 雄三氏は話す。
では、頼られる人材になるためには、どうしたらよいのだろうか?
「他者よりも頭ひとつ抜きん出るためには、キャリアの希少性を磨くことが大切。例えば、『技術力はすごいけれど、ぶっきらぼうなSE』では、その他大勢のままです。自分の強み≠フ足を引っ張る相反的な弱み≠認識し、それを平均レベルに高めていくだけで、キャリアの希少性が生まれてきます」
また、10を頼まれた時に12まで用意するという心掛けも大切だと藤ア 氏は説く。
「11までを報告した後、ぽろっと出てきた質問に対して、初めて12番目の切り札を出すという姿勢でいると、頼れる人材として扱われるようになります。こうなれば、自然と組織を利用しながらスキルを磨いていくことができるでしょう」
自分を会社に見立てて
組織とのつき合いを考える
では、クライアントやパートナーといった社外の組織とつき合うときに、気をつけるべきこととは何か?
「それは、自分のwin、会社のwinが、社外の組織のloseになっていないかを常に意識すること。具体的には、相手の立場になりきって、自分の企画に突っ込みを入れてみましょう。こうすることで、相手の視点を知ることができるうえに、自分の企画のチェックにもなります」
社内、社外いずれにせよ、最初からwin│winの関係を構築しなければならないと考えると、とたんに難しい話になってしまう。そうではなく、当初は相手に損をさせないイーブンな関係を目指すところからはじめるとよいというのが、藤ア 氏の持論だ。そのスタンスとして有効なのが、自分株式会社≠ニいう意識の持ち方である。
「自分は会社であるという考え方をすると、上司や同僚、全てが顧客であり、アライアンスパートナーとなります。あらゆる人とイーブンな関係を結ぶために自分はどうしたらよいかと考えていくクセをつけることが、組織の有効な使い方の第一歩となるはずです」
「組織活用」3つの鉄則!
1.組織と自分の間で「win - win」の関係を築け!
2.自分のwinが組織のloseでないかチェック!
3.「自分株式会社」の意識を持って業務に取り組め!